森へ②
「つ……着いたー……!」
遂に闘技場付近までやってくることが出来た。
様々な種族が行き交っている。
売店なんかも並んでいた。
地図を頼りに歩いてはいたが、森が迷路の様になっており、右往左往していた。
おまけに高めの崖を登ったり降りたりでリリアムは疲弊してしまったのだ。
カシムが手を貸そうと声を掛けたが、お荷物になりたくなかったので自分の力だけで進んでいたのである。
その為、その辺に落ちていた枝と杖代わりに老婆の様にヨボヨボした歩調になっている。
「う……受付!カシム……あそこに受付あるから出場登録してきて……!」
震える手で指をさし、指示をする。
少女はもう歩けないと地面にへたり込んだ。
カシムは頷き、受付へと向かった。
話しかけると登録用紙を渡され、記入する様に言われた。
名前、種族、優勝した際の願いの三項目だった。
難なく埋め、受付に提出し、出場登録料を払う。
すると登録用紙にも書かれていたが、再度闘技場についての説明を受けた。
①魔法、アイテムの使用不可
②体術及び武器での対戦
③相手が降参するか、死ぬか、舞台上外に出ない限り試合は継続される
④全て自己責任である
他に質問があるかと尋ねられたが特にはなかった。
登録も済んだところで、少女の元へと足を運ぼうと振り返ると誰かにぶつかってしまった。
見ると自分より体格の大きい草食系獣人がそこに立っていた。
「おっと、すまねぇ。大丈夫か?」
「ああ、問題ない。こちらこそすまない」
「あんた、出場登録しにきたのか!俺も今からしに行くんだ。戦えたらいいなぁ」
「そうだな」
ガハハとデカい声で笑い、何故か豪快に握手を交わされた。
そしてそのまま受付へと向かって行った。
変な奴だなぁと思いながら、遠くの方で座っている少女のところへと歩みを進める。
「登録出来たみたいだね。さっきのは絡まれてたの?」
「いや、ただぶつかって少し話をしただけだ。歩けるか?」
少女はすくっと立ち上がるが、少しよろけてしまった。
それをカシムが支える。
まだ本調子じゃないと判断した為、少女を抱き上げた。
「カカカカカシム!!こんな人が多い所で恥ずかしいよ!!」
「ん?問題ない」
「私は問題大ありだよー!!」
腕の中でジタバタするが、びくともしない。
仕方ないので、地図を見るフリをして周りから顔を隠す事にした。
とりあえず、野宿が続いたので早めに宿に入る事にする。
部屋は質素だが充分だ。
少女はベッドに飛び込み顔を埋める。
「ああー、久々のベッドだー」
「リリアム、寝るなら身体を清めてからにしろ」
「はぁーい」
空間魔法からタオルを取り出し、湯浴み用の小部屋へ移動する。
カシムは椅子に腰をかけ、本を読み始めた。
数日後には闘技場開催である。
それまではいつも通り観光したり、身体を鍛えたりすることにした。




