メアの加護とアルトの加護
鑑定士は少女の胸元に手をかざして目を閉じると、生命の神の加護について説明をはじめた。
メアの加護は肉体的な強化のほか、生命力が上がるといったもので、「命の泉」と呼ばれる加護だった。
「筋力が増すだけでなく、病気にかかりづらくなり、健康に生活できるという力だ。この加護を持っている人は傭兵にも多い」
ただ「命の泉」は能力に個人差もあるため、一概には言えないという言葉もついてきた。
「じゃあつぎは君だね」
と、鑑定士はアルトの手のひらに手を乗せた。
……やけに時間がかかるな──と、三人が思いはじめたころ、鑑定士は目を開けた。
「……おかしい、ぜんぜん見えてこないんだ」
「え」
「君、洗礼の儀式で何か特別なことが起こったんじゃないか?」
鑑定士が言うと、二人の少女が一緒にしゃべりはじめる。
「そうです。アルトの体が虹色の光に包まれて」
「七色の光がぱあ──って出たの」
少女たちの言葉を聞いた鑑定士の男は驚愕したようにアルトを見た。
「そうか、やっぱりね。そうした現象にあった人の加護は読み取ることができない、という話は聞いていた。──実際に会ったのは君が初めてだよ」
男は興奮した様子だった。
「けどまあ、そのうち加護の力は自覚するようになるはず。だからのんびり待つといい」
鑑定士にそう言われたアルトだが、自分が与えられたものがなんなのか、余計に怖くなっただけであった。




