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つまらないので英雄ギルドのギルドマスターやめてみる。

 異世界もの処女作です。


 いつも他の作者さんの見て楽しんでみましたがこの連休を使って自分も描いてみたい欲がでました。


 楽しんでいただけると幸いです!!


 これはまだ小さかった頃の記憶。俺が冒険者を目指すきっかけになったのはある一冊の本との出会いだった。


 『英雄(えいゆう)軌跡(きせき)

 約1000年前にこの国を救った英雄を元に作られた物語で子供向けの絵本でありながら男心をくすぐるような内容になっている。その為、誰もが憧れ英雄を目指す。俺もその中の1人だ。


 男爵家の三男に生まれた時から既に長男である兄が領地の領主を継いでいる為家督争いには巻き込まれず何不自由なく幼少期を過ごした。将来の不安なんてなかった。それと同時に親によって決められたレールの上でこれから生きていくことへの不満はあった。


 だからだろう誰よりも自由なこの『英雄(主人公)』に人一倍憧れたのは。


 13歳になると同時に家を飛び出して冒険者になった。


 そして俺は英雄(マスター)と呼ばれるまでになった。


「よし、英雄に憧れるのはもうやめよう」


 毎日決まった時間に机に着き、決まった仕事量の書類に目を通す日々。気づいたら夜になっていて、気づいたら1日が過ぎている。正直言って


「つまらん……」


 俺が憧れていた英雄の幻想はとっくに崩れていた。わかっている、自分にはこの仕事しか出来ないことを。


「こんなはずじゃなかった……」


 思い返せば最初から間違っていたのだろう。あいつらとパーティを組んだあの瞬間から。


 5年前、俺は世間から『能無しのユオン(無能)』と呼ばれていた。何故なら俺には戦闘スキルが1つも開花しなかったからだ。代わりに『鑑定(かんてい)』と『付与(ふよ)』という特殊な非戦闘スキルを2つ持っている。


 つまり戦う力もない俺は誰にもパーティに誘われず受け入れてもらえなかった。


 あの時は絶望したな。何度も死ぬ思いもした。


 だからパーティに入ることは諦めて死なない為に自分の力で強い人材を集める必要があった。例えそれが『訳あり』だとしても__。


 集めた人材は実った。いや、実りすぎた。

 あいつらは目を疑うスピードで勝手に強くなった。そして無名のパーティから僅か5年でS級ギルドにまでなってしまった。


 『英雄(オブリビオン)(・オブ・)拠り所(ファミリア)

 数多くの冒険者パーティが所属し、そのどれもが高ランクのパーティな為、この国で1・2を争う規模を誇る。その中でも最初のパーティメンバーは異色を放っており、その5人は『英雄の剣(最初の5席)』と呼ばれている。全員が美男美女な為、巷では大勢のファンがいる。


 俺??悲しいが俺にはファンなんていない。負け惜しみではないが顔は負けてないと思う。


 何故なら世間からの扱いでは俺はいないものとされている。


 『空席の影主(くうせきのマスター)

 それがこのギルドマスターの異名。長いので『空席(くうせき)』と呼ばれている。


 忙し過ぎて外に出る時間もないことが仇となった。誰もギルドマスター(俺)を見たことがない。その為本当は存在しないのではないか?といない者扱いされている。

 また面白半分に誰が流したのかこのギルドの誰よりも強く、誰よりも聡明で誰よりも勇敢だとか数多くの強大なモンスターを1人で倒しただとか国家資金と引けを取らない膨大な資金を所有しているだとか国宝よりも貴重な魔道具をいくつも所有しているとか真偽もわからない都市伝説がある。


「俺の実力が伴ってなさすぎる。 それなのにあいつらっ!!」


 ユオンのことを盲信するメンバー達に持ち上げられ続けられた結果、ギルドを運営するギルドマスターになってしまった。そもそも都市伝説の内容も()()()()当っていない。


 毎日資料と睨めっこする日々は飽き飽きだ。


「つまらんからここを抜け出すか……」


 今日の分の仕事は終えた。ここ最近はこの街の治安はうんとよくなった。


 それもこのギルドのおかげでもある。『英雄の拠り所』という抑止力のおかげで犯罪がめっぽう減って、周辺の強い魔物も減った。


 これなら()()()でも俺の後を問題なく引き継ぐことが出来る。


 それにいま問題児達はとあるクエストのため外国へとそれぞれ配置させた。戻ってくるのに少なくとも数日猶予がある。


 逃げるには今しかない。


「もう英雄には懲り懲りだ。英雄のような冒険はここで終わりだ」


 英雄に憧れた少年はもう居ない。次は何をしようか。その時ふと『英雄の軌跡』に出てくる悪役を思い出す。圧倒的な存在感を放つ彼らは英雄と同じくらい自由だった。なによりもかっこいい。


 そうだ悪役になろう。これからは『悪役(ヒール)』として生きるのも悪くない。


 必要なもの、主に大量の魔道具を小さな麻袋へと次々と詰め込んで逃げる準備を始める。


 準備はすぐに終わった。普通にギルドから出てこの街の正門を通れば記録が残る。それだとどこへ行ったかばれるのでバルコニーへ出る。


 この部屋はギルドハウスの最上階にあり、6階建な為結構な高さがあるが俺は自分自身に『軽量化』を付与して躊躇なく飛び降りる。そのまま落ちる訳もなく俺は空を強く蹴り上げて宙を駆ける。


 俺の履いてる靴型の魔道具は魔力を流す事で空気中に足場を作ることができるのだ。それから夜の街を誰にも見つかることなく飛び出た。

誤字・脱字、文章のおかしなところがあったら是非是非コメントください!!


 いいね! いただけると励みになります!!


 今日は2話続けて投稿します!!


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