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第4話 その後の話

「このクソ女!!!!!!」

「きゃああああああ!!!!!!」


 クコが逃げた翌日。

 マグノリアは怒りに任せベルを思いっきり殴った。


「ひ、ひどい、いきなり何するのよ~!!」


 殴られた場所は赤く腫れ上がり、殴られた衝撃で鼻血を吹き出したベルは泣きじゃくる。

 だが、マグノリアはそんなベルを気にかけることなくベルの前に一枚の紙――クコが書いた置き手紙を叩きつけると。


「彼奴が逃げだした!! お前、何かやったんだろう!! 見ろ、彼奴が書いた置き手紙!!

 最後にお前と末永くと書いてある!! お前が何かして彼奴を追い出したんだろ!!!!!!」

「痛い!! 痛い!! 放して~!!」


 今度はベルの髪を掴み、そして思いっきり壁へ叩きつける。

 ゴッ!! と鈍い音が響く。ベルは止めてと泣き叫ぶがマグノリアは止めない。

 何度もベルを壁に叩きつけた。


「女性に暴力はいけないよ」


 ベルが泣き叫ぶ力がなくなったとき、マグノリアが最も嫌悪する存在の声が制止する。

 その声にマグノリアはピタリとベルへの暴力を止めると声の主の方に顔を向けた。


「やあ、マグノリア。そんなに自分の計画が、俺と父を毒殺して自分が王になる計画がダメになったのに怒ってるんだね」


 マグノリアが最も嫌う男、異母兄であるダミアンはニィ~と嬉しそうに顔を歪めた。





「放せ!! 放せよ~!!!!!!」


 あの後、ダミアンが連れてきた近衛兵にマグノリアは牢屋に入れるため連れて行かれ、ベルは意識不明の重体のため医務室へ、その後、聞き取り調査する予定だ。


 クコを逃がす前にはすでにマグノリアの悪事はバレていた。


 元々、マグノリアが王位を自身のものにするため暗躍している事は解っていたが具体的に何をしようとしているの解らなかった。

 ある日、酒場で男爵だと名乗る男が。


――娘をマグノリアに売った! これで我が家は安泰だ!


 そう言い触らしているという話が耳に入った。


 これは好機とダミアンは早速、その男を捕えた。

 男は拷問されるという恐怖からかベラベラと。


――薬師の才能ある娘を使って伝説の毒薬、カンタレラを作り、それを用い国王と自分以外の兄弟達を殺す。


 マグノリアの企みを話してくれた。


「マグノリアは詰めが甘い。いつどこから情報が漏れるのか解らないのだから、殺してしまえばいいものを」

「・・・・・・そうですね」


 連れて行かれるマグノリアを見送ったダミアンとカノンはそんな会話をしながら執務室へと戻る。

 カノンはダミアンの言葉に同意はしたものの、王族はこう冷酷な面を持っていなければいけないのかと認識し恐れを抱いた。


「クコさんの家族はどうなるんでしょうか?」

「ああ、マグノリアに協力したという方面で男爵は処罰、彼の現妻と医務室に連れて行ったあの娘は庶民だという事を隠して貴族を名乗っていたから、その罪で処罰。仲良く鉱山送りにでもと思っているよ」

「妥当な判断ですね」

「あっはっはっは! そうかな? それにしても余り他人に関心を向けない君が珍しいね。クコさんの事を気に入ってるようだ」

「そうでしょうか?」

「だって、君の使い魔を一匹あげたんだろ?」

「旅のお供が居た方が寂しくないだろうと思っただけです」

「そうかそうか」


 朗らかに笑うダミアンにカノンは敵わないと思った。

 だからこそ、ダミアンは次期国王に相応しいとも。


 その後、マグノリアは反逆罪として処刑。

 クコの家族は鉱山送りになった。


 それから暫くして、猫を連れてダンジョンに挑みダンジョン内で薬を売ってる変な薬師が居ると言う噂がカノンの耳に入った。

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