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第二十四章

単なる制御から、力に属性を与える段階への移行は、急には進まなかった。


最初、彼自身は、もうほとんど準備はできていると思っていた。匙、杯、布、水を満たした柄杓、そういう台所じみた練習を延々と積み重ねたあとでは、その次の一歩は自然に見えたのだ。すでに手が流れを引き裂かず、額で押し潰すような真似もしなくなっているなら、次はただ向きを与えるだけではなく、そこに性質を与えればいい。物を動かすだけではなく、その力そのものが火や水や土や光として振る舞うようにすればいい。


実際には、もっと遅かった。


習慣そのものが、まだ生すぎた。


彼女たちは保つことはできた。落とさないこともできた。体の動きに沿って細い力を通し、それを無駄に散らさないことも覚えていた。だが、彼が「今度はただ押すんじゃない、これを炎にしろ」と言うと、そこから先でまた、昔の誤りへ戻ろうとした。人は、形より先に結果を欲しがる。


そのたびに、彼は戻した。


後ろへではない。


少しだけ深いところへ。


こうした訓練は、家の中でしかやらなかった。戸を閉めた上で、だ。妙な秘密を気取るためではない。必要だったからだ。外から見れば、やっていることは相変わらず同じにしか見えない。杯が手を使わず卓の上を滑る。刃物がまな板へ静かに置かれる。匙が火床の上の肉を返す。布がひとりでに畳まれていく。サレットが来る時に見えるのも、その程度だった。どうやら彼女は、まだそれを「生活のための制御」の延長だと思っているらしかった。ヴェイルも、彼女たちの動きがあまりに自然になってきたこと自体には気づいていたのだろうが、何も言わなかった。ただ時々、杯が自分で卓の縁へ寄っていくのや、蓋が鍋へ静かに落ちるのを、わずかに長く見ているだけだった。しかし、それ以上は踏み込んでこない。


それでよかった。


正確な深さを知る者が少ないほど、それは長く彼らだけの利になる。


最初の本当の試みは、中庭の裏手、もう日が落ちきって、隣の建物の窓にも灯りがない時間に始めた。彼は彼女たちに武器も、できあいの型も与えず、もっとも単純な要求だけを出した。力を外へ撒き散らすな。像として保て、と。


「火を作るな」と彼は言った。「まず、火の振る舞いを作れ」


カイラはすぐ顔をしかめた。


「それ、魔法の詩みたいで全然説明になってない」


「お前はまだ、形にするんじゃなくて殴りたいだけだからだ」


「そりゃ殴りたいわよ。殴れば結果が分かるもの」


「だから、お前が一番時間がかかる」


カイラは不機嫌そうに笑ったが、言い返しはしなかった。


最初に動いたのは、意外にもリラだった。


強いからではない。結果へ突っ込まないことが、いちばん上手かったからだ。彼は彼女に水の入った器を持たせた。浮かせるのでも、動かすのでもなく、水そのものが「他人の意志の下にある水」として振る舞うようにしろ、と。柔らかく、連続して、飛び散らずに。リラはしばらく見ていた。彼の言葉ではなく、水面そのものを聞いているみたいに。やがて、水はわずかに持ち上がった。柱でも波でもなく、ただ細く震える舌のように、上へ抜け出ようとした。


すぐに崩れた。


リラは、少しだけ申し訳なさそうに息を吐いた。だが彼は首を振る。


「違う。今のが始まりだ。無理に形を持たせるな。水のまま残らせろ」


リラは頷いた。


二度目は、もっと良かった。美しくはない。安定もしていない。だが、もう偶然ではなかった。


光に至ったのは、彼女自身が自覚するより先だった。彼は皆に、ごく単純な課題を出した。熱でも圧でもなく、ただ穏やかで柔らかい光を手のひらに留めろ、と。火傷も、打撃も伴わず、ただ在るだけの光を。カイラのそれは毎回、火花になろうとした。アヤノの光は乾いていて、細い白線のようになった。リラだけが、ほとんど最初から、あるべきかたちに近かった。明るすぎず、暖かく、生きている感じのする光。まるで、彼女がそれを作ったのではなく、皮膚の下から自然に滲み出てきたみたいだった。


「それ、不公平じゃない?」とカイラが言った。リラの掌の光を見ながら。「そういうところまで、世界に愛されてる感じで出すの?」


リラは笑った。


「でもあなたのほうは、世界に雷で殴られたがってる感じがする」


「相思相愛よ」


雷は、まさにカイラのほうが早かった。


すぐではない。


だが、早かった。


火は最初、彼女のところでは粗かった。ちゃんとした炎ではなく、熱の噴き、閃き、ほとんど苛立ちそのものみたいな吐き出し方になる。彼は何度もそれを止め、力を投げずに、神経のように細く、ひとつのまとまりとして集めろと教えた。カイラは怒り、罵り、二度指を焼き、一度は試しに持ち出した古い布の端を焦がした。だが、ようやく彼女が、ただ熱を出すのではなく、そこから細く、神経質な、今にも横へ走りそうな光の舌を引き出した時、全部がはっきりした。


「それだ」と彼は言った。「もうそれは空気を殴ってるだけじゃない。火になってる」


「やっと世界が私の資質を認めたわね」


「違う。お前が初めて、真正面から喧嘩するのをやめただけだ」


「嘘。まだ喧嘩してる」


「してる。だが、やり方が少しだけ正しくなった」


雷は、そのすぐあとから来た。まるで、ちゃんと呼ばれるのを待っていたみたいに。まだ本物でも、戦闘用でもない。人を貫く雷撃ではもちろんない。せいぜい指先と、地面へ刺した金属の針とのあいだを、鋭く短い放電が走る程度だ。それでも、カイラはそれだけで、ようやく自分の場所へ入れたみたいに立ち方を変えた。


「これ、私のだ」と彼女はひどく静かな声で言った。


初めて、虚勢なしに。


彼は彼女を見た。


そして何も言わなかった。


そうだ。


それは本当に、彼女のものだったからだ。


アヤノは、また別だった。


彼女は一番長く結果を見せなかった。できないのではない。むしろ全部を、あまりにも正しくしようとしすぎたのだ。彼女は形ではなく、正確さへ寄ってしまう。だから、力に属性を持たせろと言うと、毎回それが細すぎ、鋭すぎ、線になりすぎた。


だが、それは土では利点になった。


彼らは中庭の裏の板敷きに直接座り、彼が工房から運ばせた砂箱を前にしていた。彼はアヤノに、砂を持ち上げるな、寄せるな、ただ土らしいまとまりにしろと命じた。重く、つながって、ばらけない塊に。アヤノは、その時だけ、ようやく「正解のある課題」を与えられた顔をした。


数秒後、砂は集まり始めた。水を含んでもいないのに、わずかに湿ったような、密度のある塊へ変わる。


「土だ」と彼は言った。


アヤノは頷いた。


誇らしげではなく。


ただ、それを見つけたという顔で。


光も、彼女のところではリラとは違うものになった。暖かく、包むようなものではない。もっと明晰で、冷たくはないが、厳しい。手の縁に立つ白い薄片みたいで、照らすだけでなく、空間を切り分ける感じがあった。闇に至ってからは、なおさらそうだった。彼は、闇はもっと曖昧に、夜へ溶けるように出ると思っていた。だがアヤノの闇は違った。はっきりしていた。光がないというより、そこだけ空気が濃くなり、静かに沈むような闇だ。


「きれい」


アヤノの掌に小さな闇の斑が浮いた時、リラがほとんど囁くようにそう言った。


アヤノは彼女を見た。


「これは綺麗であるべきじゃない」


「それでも、きれい」


リラは答えた。


そこには力の評価も、警戒もなかった。ただ、見えたものをそのまま受け取る静かな肯定だけがあった。


癒しも、最初からリラのところへ寄った。


まだ独立した術というには早い。だが、水と光の延長として、それは自然に現れた。彼は、ごく単純な課題を出した。傷を治せではない。疲れて強張った手の筋を、少しだけやわらげろと。カイラは熱を余計にのせてしまう。アヤノは正確すぎて、触れられているほうがかえって構えてしまう。リラだけが、必要なことをした。柔らかく均して、ちゃんと楽になる方向へ流れを通した。


そこから先、彼らの秘密の訓練は密度を増した。


長くなったのではない。


濃くなった。


彼はもう、いちいち段階を説明しなくなった。課題を変えるだけでよくなったのだ。家の中でやっていることは、相変わらず無害にしか見えない。杯、匙、布、火床、刃物、柄杓の水。だが、その裏で別のものが育っていた。カイラは肉を返しながら、同時に指先に短い乾いた放電を留める練習をする。誰にも見せてはならない小さな稲妻を。リラは水を杯へ注ぎながら、その流れをただの液体ではなく、自分の意志の延長として崩さずに保つ。アヤノは卓の上で水差しを動かしながら、その影だけを必要以上に濃く狭くする。


諜報は、魔法に劣らずよく働いていた。


彼がそれをまず感じたのは、ほんの小さなところからだった。ヴェイルがある時、何でもない顔で「ホウセイはずいぶん早く、少女の早期教育を“遊びと実益のあいだ”で考え始めたらしい」と漏らした。ついで、エドランから短い書き付けが届いた。呼びつける時の、あのいつもの簡潔さで。


彼が入ると、エドランは例によって、何かに苛立ちながら、その苛立ちを面白がっているような顔をしていた。


「これも真似された」と王は言った。前置きなしに。


「何を」


「日用品を使った子どもの制御訓練だ。物と遊ぶように見せかけて、魔力と物のあいだに早いうちから“つながり”を作るあれだ。ホウセイでも、もうやっている。うちの者が確認した」


彼は黙って腰を下ろした。


エドランは彼を見た。その目には、乾いた笑いの気配があった。


「まさか、驚いているわけじゃないだろうな」


「まったく」


彼は答えた。


「だろうな。私も同じだ。ただ、速さが気に入らん」


「向こうの諜報が良い」


「うちもだ」とエドランは言った。「そうでなければ、こんなに早く私の耳に入っていない」


王は卓の脇を歩き、窓辺で止まった。


「面白いのはそこじゃない。大きな制度だけじゃなく、今度は“未来がどういう小さな習慣の集まりとして始まるか”まで、あいつらは拾い始めている。賢い」


「当然だ」と彼は言った。「国家が“転換は上からではなく、土台から起きる”と理解したら、次はその土台を奪い合うしかない」


エドランは短く頷いた。


「そうだ。つまり、もう悠長に上品ぶっている段階ではない」


彼は、それ以上、王が何をするつもりかは訊かなかった。訊かなくても、分かったからだ。少女、教育、魔力――そのあたりに関する話は、もう試みではなく、完全に国家の争いの一部になっている。


家へ戻り、彼はその中身の一番上の層だけを彼女たちに伝えた。諜報の細部ではなく、ホウセイがすでに“子どもの遊びのような訓練”まで模倣し始めたことだけを。


最初に反応したのは、もちろんカイラだった。


「でしょうね。せっかくこっちで少しは頭のいいこと始めたと思ったら、すぐ聖職者どもが写しに来る」


「“こっちで”じゃない」とアヤノは静かに言った。「あなた、その発想を最初は嫌ってた」


「今だって嫌よ。でももうこれは、私の嫌いな発想なの」


リラがくすりと笑った。


彼はその三人を見ていて、その時にはっきり分かった。もう次へ進める。安全になったからではない。むしろ逆で、世界に“ゆっくり綺麗にやる時間”なんて、もうあまり残っていないのだ。


その晩、彼らはまた中庭の裏手へ出た。前より空気は冷たく、城壁の向こうの町の音が少し近く聞こえる。彼は、まずいつもの課題をやらせた。杯、布、柄杓、短い光、小さな放電、締まった砂の塊。それから全部を下げた。


「制御は、もうある」


彼は言った。


「次は、力を属性ではなく“動作”にする」


カイラがすぐ顔を上げる。


「やっと」


アヤノはもっと静かに訊いた。


「形としての攻撃、ということ?」


「それもある」と彼は答えた。「だがそれだけじゃない。刃、盾、圧、壁、槍。属性はまだ材料にすぎない」


リラは、ひどく真面目に聞いていた。


「つまり、火はまだ武器じゃない」


「そうだ。水も、まだ防御じゃない。光も、どう働かせるかを決められないうちは癒しじゃない」


彼は地面から古い木板を一本拾い、柔らかい土へ立てた。


「明日からは、形成に入る。『火を出せ』じゃない。『細く、切れる炎を作れ』だ。『土を出せ』じゃない。『衝撃を受け止める壁にしろ』だ。『光を出せ』じゃない。『皮膚の外を照らすな、内側へ通せ』だ」


カイラは嬉しそうに歯を見せた。


「そう。こういうのよ。ようやく“匙をスープに落とさないようにする教室”から、まともな魔法になってきた」


「あなた、今日その匙を落としたよ」とリラが言う。


「戦略的な判断よ」


「ただのスープだった」


アヤノは視線を落としたが、それでも、口元がわずかに動いたのを彼は見た。


彼は三人を順に見た。もう頭の中では、彼女たちは“弟子”と“家を共にする女たち”に分かれていない。ただ、三本の異なる力の線として見えていた。カイラの火と雷。リラの水と光。アヤノの土と光と闇。


そして、そのどれもが、まだこれから自分の本当の形を知っていく。


足元の板の上を風が鳴らした。遠くで鐘が鳴った。背後の家の中には、まだパンの匂いと、火の残りの温かさと、人の住んでいる気配がある。その向こうに、次の段階が待っていた。もう、生活の無害な顔の陰に隠れるだけでは済まない段階が。


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