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戦えない俺がなぜか最強扱いされてるんだが、バレたら死ぬらしい  作者: Vasy


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2/12

2 違うんです

「報告にあった場所に行って亡骸を回収してきた」


「報告の際に提出された素材から疑いはありませんでしたが、報告通り2体の確認が取れました」


「実際に現物を確認したが、素材鑑定結果と同じフェンリルとヨルムンガンドで間違いない」


淡々と報告をしてくる強面の親父と可愛い衣装に身を包んだ女の子。

冒険者協会の支部長と看板受付嬢だ。


ここは応接室みたいな部屋。

普段は冒険者は立ち入らない2階に位置している。


…え?何て言った?

フェンリルとヨルムンガンド?


伝説の魔獣じゃねえか。

なんであんな森にいるんだよ。


生き残ってるのマジで奇跡じゃないか。


「なぜ伝説の魔獣があんな森にいたのか謎は深まるが…討伐されたことは事実」


「しかもこんなひょろっこいFランクの冒険者が2体同時ときた」


うわ怖い。

その顔面でニヤニヤしないで欲しい。


というか何をニヤニヤしているんですか?


「人は見かけによらねえとは言うが…俺の眼も曇ったか?はっはっはっは!」


「もう、支部長。困惑されてますよ」


「いやあすまねえ!俺の支部から、こんな伝説級の冒険者が出てくるとは思っていなくてな!」


伝説級の冒険者が出て来たのか。

それはすごいな。


…で、俺は何でここに呼ばれたんだ?

その2体の目撃者的なアレか?


「過去にこんな例はねぇが、まず伝説の魔獣を2体同時に討伐した人間がいねぇ。よって特例ではあるが、ラグール・リビビ。お前を本日をもってAランク冒険者とする」


「……はい?」


「伝説の魔獣を2体同時になんて、本来はSランクなのだけど、ごめんなさい」


「さすがにFからのSは許可が下りなかったわ」


「……え?はい?」


「まあ気にすることはねぇ。お前が実力を示せばSランクは確実だ。しかもそう遠くないだろう」


……はぁ!?

Aランク!?待てまて待て……!!


「ちょっ、え?何かの冗談……ですか?」


「冗談じゃねえ、Sは無理だったんだ。お前ならすぐになれるだろ、我慢しろ」


いやSじゃないことに対して不満を持ってるんじゃねぇよ!?

Aに上がってることに対してだよ!!


「それからこれが、その2体の報奨金だ」


ドン!と机の上に大きな麻袋が置かれる。

相当な重量な気がするが…?


「500万ジールだ。素材も買い取りにするなら査定するが?あぁ、報奨金から解体料だけ差し引かせてもらったぞ」


……500万?

昨日の薬草採取の報奨金が100ジールだぞ…?


1000ジールもあれば一般家庭の1月分の生活費、2000ジールもあれば遊んで暮らせるんだぞ?


そりゃ伝説級の魔獣を討伐したなら……

待て。俺が討伐したことになってんのか!?


「え?いや、ちょ、えっ!?」


「なんだ?解体料に不満か?それとも解体はいらなかったか?」


「あぁいや、不満は無いですけど金額が…」


「少なくはねぇとは思うが…」


だから逆だよ!

多すぎる…いや妥当なレベルなのか?

ってそうじゃなくて俺は討伐なんてしていない!


あいつらが勝手に相打ちになっただけだ!!


「いや、俺は討伐なんて…」


「なんだ?目立ちたくねぇのか?そりゃすまねえが、もうこの街どころか王族の耳まで入っていると思うぞ」


うっそだろ…?

早くない?情報回るの早くない?


「えっ!?いや!でも俺は本当に…」


「はっはっは!若ぇのに大したモンだ!」


「だが、謙遜も行き過ぎれば嫌味だぞ?」


支部長の視線が鋭い。

だから怖いんだって。


「この金はどうする?本当にすまないが協会預かりという形で一部だけを持っていってもらえると非常に助かるんだが」


「すいません、この支部にあるほぼ全てを集めましたので…」


「え?あ!あぁ!全然、それは!1万ジールくらいあれば…」


って何言ってんだ俺!?

貰ってしまったらマズいだろ!早く要らないと…


「それは助かるぜ!じゃあこれが1万ジールだ!」


ドン!

さっきよりもはるかに小さい麻袋が置かれた。

それでも重量はそれなりにありそうだが。


というかさっきの500万は持てるかどうかすら怪しかった。

じゃなくて。用意されてしまった。

しかも王族の耳にまで届いているという…


これ、かなりマズい状況なのでは??

今更俺じゃないって言えるか…?


既にAランクに昇格済み。冒険者カードも更新されてしまっていた。

ランクの偽装工作は重罪…

しかもSに手が届くレベルの偽装だ。


俺がやったことではないとは言え、そんなことが通じるとも思えない。

俺の実力はFランクの中でも底辺な自覚がある。


高ランクの依頼なんてこなせる筈もない。

ティプリたちと協力したって手も足も出ないだろう。


ここで否定しても、昇格を受けてもバレて偽装疑惑がかかる…

…なぁ、これ…詰んでね?


「早急に伝えないといけない項目は以上です。あとは解体中の素材をどうするか、決まったらまた受付にお越しください」


満面の笑みでそう告げてくる受付嬢のお姉さん。

支部長も、これからの活躍期待しているぞ。とか言って部屋を出てしまった。


…マジでどうする!?

一旦アイツらと合流か!?マズい!マズすぎる…!

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