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三柱物語  作者: キボオ
2/3

キョウ婆

「レン、今日はこの前頼んだキョウ婆の修理依頼の日だぞ。忘れずに頼むぞ」

「わかってるよ、父さん。これが終わったらすぐいくよ」

工具を巧みに使い小さい時計を素早く組み上げる。

ゴーグルをクイッと額にあげ深く息を吐く。

「ふ〜、完成っと」

少年の名前はレン。

このゴミ山の街ニークで家族でジャンク屋を営んでいる。まだ年齢は11才だが腕前はこの街で1、2を争うほどだ。

「おーい、レンはいるか?迎えにきたぜ」

そう言うと金髪の少年が工房のドアを開けて入ってくる。彼は幼馴染のアベル。何をするにも一緒のレンの親友だ。

「よぉ、アベル、今日も来たのか?よく親父さんから逃れてこれたな」

「リンタおじさん、こんちわ。今日は月に一度の『アズファエロ』からの“ゴミ”の受取の日で親父も朝からバタバタしてたから」

「そうだったな、たまには親父さんの仕事も手伝ってやれよ。なんせお前の親父はこの街の街長で色々忙しいだろうからな」

「まぁ気が向いた時には、、、」

そう言うとアベルは気まずそうに苦笑いを浮かべていた。

「さあアベル、お待たせ」レンは工具ポーチを腰のベルトにつけ、さっき直した時計を首にかける。

「父さん、行ってきます」

「おじさん、じゃあまた」

2人は工房を出て街へとかけていく。


ゴミ山の街〜地下中級都市ニーク〜

この街はかつて滅んだ都市の地下施設を改造し作られており、広大な地下2階層には多くの人が住んでいる。色々な商店や工房、農業施設まで完備したこの都市は

アメリ大陸の中でも有用な拠点としても位置付けられている。

そして特にこの都市1番の重要なものが地上部分に山積みにされた”ゴミ”である。

このアメリ大陸に存在する三大神国家の一つ『神導国アズファエロ』。そこから出される”ゴミ”と呼ばれる物の中にはこの世界のテクノロジーに使用されている機械や鉱物なども含まれており、それを活用することにより安定した都市運営を実現している。だが『アズファエロ』との交流は一方的なもので月に一度だけ使者により”ゴミ”が持ち込まれるだけである。


2人は慣れた足並みで街をかけていく。

「レン、キョウ婆んちは2階層目の1番外れだったよな?」

「そうだよ。キョウ婆に会うのも久しぶりだね。元気にしてるかな」

「まあ大丈夫だろ、なんせあのキョウ婆だからな。それに久しぶりに昔の話を聞けると思うと楽しみだな」

「うん。ただ僕は修理があるからまずそれからだね」

「なんの修理を依頼されてるんだ?」

「ポッズだよ」

「ポッズねぇ〜、、、」


“ポッズ”とはこの時代に1人に1つ当たり前につける電子アイテムのことだ。形態としては身につけるタイプが主流で腕輪や首輪、その他多種多様存在する。機能としては言語統一されて間もないこの世界では”ポッズ”による言話補助が重要でその他様々な生活の場所で必要不可欠となっている。ただ通信機能などは存在せず単一自立型がメインである。


「ちなみにレンはまだポッズ持たないのかよ?」

「う〜ん、、僕は今のところいいかな。ポッズを作ったり修理するのもゴミ山の資源を使っても限りがあるし、なかなか貴重な物だからね。僕は言語は喋れるから他の困ってる人に出来れば使って欲しいから」

「ふ〜ん、レンはやっぱ変わってるな。この街でポッズ持ってないのお前くらいだぜ。みんななるべく新しいタイプのポッズを欲しがる奴ばっかりだってのに、、、キョウ婆の修理が終わったらよ、ゴミ山行かないか?今日新しい”ゴミ”も入ってくるしよ」

「それはいいかも、別で修理を依頼されてる部品も探したいし」

「じゃあ決まりだな」

話してる内に2階層の外れのキョウ婆の家にたどりついた2人。薄暗く人影はない。

「しかしなんでまたこんなとこ住んでるのかわかんねーな」

アベルはそう言うと扉を開け中に入っていく。

「キョウ婆いる?ポッズの修理にきたよ」レンが部屋の奥に声をかけると奥から黒いローブに身を包んだお婆さんが出てきて

「ポッズ**#%$€だよ。修##$*頼む%」

キョウ婆さんはそうゆうと腕輪を渡してきた。

「レン、キョウ婆は何て言ったんだ?良く理解出来なかった」

「ポッズはこれだよ。修理を頼むね、だって。ポッズが故障してて言話補助がないからうまく伝えれないんだよ」

そう言うと腕輪を受取り、ゴーグルを目に装着したレンはポーチから工具を取り出して分解していく。中のパーツが一部焼けたような後がありそのパーツを取り外し新しい部品をバックから出して取り付けてゆく。

流れるような作業をキョウ婆、アベルともに感心した表情で眺めている。

「出来たぁ〜」

レンはそう言うとゴーグルを額のところまでグイッとあげ、完成した腕輪をキョウ婆に渡した。

キョウ婆が腕輪をつけると腕輪のエネルギーラインが赤色に光だす。


【エネルギーラインとはポッズにある使用時にエネルギーが可視化でき光を放つ部分のことである】


「レンありがとうね。それしてもお前さんの腕前は長く生きてきた私が見てもかなりのもんだよ」

キョウ婆に褒められたレンは少し気恥ずかしそうにはにかんだ。

「キョウ婆久しぶり。また昔の話を聞かせてくれよ。キョウ婆の話は聞いてて面白いんだ」

「久しぶりだね、アベル。少し見ない間に大きくなった。ガイも元気にやってるかね、みーんなあんたらのお父さん達が小さい頃からよーく知ってるからね。あんたの親父はそれは昔はわんぱくでね、、」

キョウ婆はそのまま喋り続けている。

「親父達の話はいいんだよ、俺は昔に起きた戦争とか神様の話を聞きたいんだ。俺はいつか三大神国家の国民になりたいんだ」

アベルは期待を膨らませた表情でキョウ婆を見た。

「神ねぇ、、、あんた達はどこまで知ってるだい?」

「俺はこれでも街長の息子だぜ。少しは知ってるさ。

それに昔キョウ婆にかつて大きな戦争があったことは聞いたし、神様が奇跡を起こしたこともね。」

「そうか、じゃあおさらいついでに、昔かつての人類は取り返しのつかないほどの戦争をしてね、その時使われた兵器で世界は死の灰と呼ばれる灰に覆われたのさ、みんなバタバタと死んでいった。私の家族も例外ではなくね、、。

みんな逃げ惑いただもう逃げ場すらなくなってね、いよいよ終わりかと思った時に頭に直接声が聞こえたのさ。」

「声?」アベルは目を輝かせながら聞いている。

「その声は私達にこう言ったのさ『集いなさい、新たなる世界を共に歩みましょう、私と共にと』

その後世界に3人の神が降りたった。3人の神は奇跡の力で死の灰を浄化し、神が浄化した土地はその力の影響で大地の色が変わったのさ。それぞれ黄色、赤色、白色へ。神は別々に国を起こし今の三大神国家になるのさ。私達の住むアメリ大陸にあるのが

『黄色の大地〜導く神の国”神導国アズファエロ”』

そしてアジム大陸にあるのが

『赤色の大地〜愛する神の国”神愛国ロホロハ”』

最後にヨロン大陸にある

『白色の大地〜統治する神の国”統神国ハクバイ”』

これが神の国だね」

「キョウ婆じゃあ神の国以外はどうなったの?」

レンは不思議そうにきいた。

「神の国以外の土地はすぐには死の灰を浄化出来なかった。ただ神の起こした奇跡の力が少しずつそれ以外の土地へも広がっていき、3つの神の力が少しずつ混ざり合って浄化されたのさ。そして今度は大地の色を緑色に染めたのさ。ただそこに神はいないため人々は協力し合って街を作っていきそれら小さな都市や街の集合体として今ある『カランドラ連邦』になったのさ」


「すっげーな、キョウ婆の話は本当にそこにいたみたいな話だからな。ちなみにキョウ婆は神様を見たことはあるのか?」

「アベルも感がいいねぇ、、、私でも神にあったことはないよ、むしろ神は人前に姿は表さないらしいし神の直接話される言葉は人には理解出来ない。だから神にはそれぞれ“代弁者”と呼ばれるものがいて、彼らが神の意向を伝え、実行していく。その"代弁者"には数回会ったがね」

「"代弁者"か、、俺も会ってみたいな。どうやったら会えるんだ」

「最初の頃神の国には分け隔てなく入れたんだがいつからか入れなくなってしまってね。今は選ばれた者しか住むことはおろか、入ることすら許されないからね、、、」

「そうなんだ、、。でもやっぱり神様の国はすげーな

レンもそう思うだろ」

「・・・うん、そうだね」

レンは少し考えた様子で答えた。

その時キョウ婆の家の扉が開き黒いローブを着た者達が入ってくる。

レンとアベルは急なことでびっくりし身構えるように黒いローブの者達を見つめる。

「キョウコ様、お久しぶりです。」

「アンタ達急に入ってきてなんだい?」

キョウ婆がそう言うと

1人の者がローブのフードの部分をめくると20歳くらいの青年が顔をだし

「メスクです。お久しぶりです。」

キョウ婆は驚いた様子で

「あのメスクかね、立派になったねぇ。誰か全くわからなかったよ。今回は大分遠くに行ってたんじゃないのかい?

「はい、今日はおりいってご相談がありまして、、、ちなみにこの者達は」

メスクと名乗る青年は振り向いてレンとアベルの顔を見ました。

「この街の腕利きのジャンク屋と街長の息子さ。

今日はポッズの修理をしてもらったのさ」

「そうでしたか、、ただ今から話す内容はこの者達の前では、、、」

それを聞いたキョウ婆は

「レンとアベル、すまないね。今日はここまでにしよう。今日はありがとう、助かったよ。これが報酬だよ。また話を聞きたかったらいつでもおいで。」

レンは報酬をもらって

「アベル、今日はもう帰ろう」

そういうとキョウ婆の家を後にした。

「じゃあアベル今からゴミ山に行こう」

「・・・」アベルは難しい顔をして黙っている。

「どうしたのアベル?とにかくゴミ山に向かいながら話そう」そう言うと2人ゴミ山に向かうことにした。

移動中アベルが重い口を開き

「レン、、、あのローブの紋章気がついたか?

「え、、、わからないけど紋章がどうかしたの?」

「あれはカランドラ連邦内を回り実質的政府としてまとめている組織集団〜罪を背負うもの『ギルティ』の紋章だぞ。それもあのメスクって名前は聞いたことがある。『ギルティ』の現リーダー、ヴェルン•メスクだ」

「えっ、そんなすごい人がなんでキョウ婆のところに」

「そうだな。それにキョウ婆のことキョウコ様って呼んでたぞ、、なんかありそうだな」

ただ2人は内心ワクワクしていた。

「アベルまた今度キョウ婆とこに行ってみようよ、なんか面白いことがあるかもしれないよ」

「そうだな。またキョウ婆に聞きに行こうぜ。さあ今からはゴミ山でレアもの探しといこう」

そう言うと2人はゴミ山へ足早に向かっていく。













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