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ほのぼのしたい異世界生活のススメ  作者: 伊佐若 早葉
目指せ、ギルドでそれなりのランクでそれなりの生活
23/30

料理の質を上げると言ったな、あれは嘘だ

料理ってレベルじゃねぇぞ!


悠斗のやろうとしてる事が。

 しっかしまぁ、この夕食をいただいただけで分かった事がある。


 『ちゃんとした料理を教えても作れなさそう』って事だな、うん。


 ……一般の基準ってのをあんまり知らないんだけど、肉野菜炒めって肉を一口サイズに切って、キャベツをざく切りに、人参やピーマンや玉ねぎを薄切りにして、油引いて炒めて軽く味付けして終わりっていう『シンプルイズベスト』な料理だと思うんだ。

 肉は食べやすくて凄くいいんだけど、野菜の切り方も味付けの仕方も火の通し方もダメなせいで、全部がダメになってるというか味すら消えてるっていうファンタスティックな事になってると考えると……




「……つかぬ事をお伺いするでござるが、ご主人殿には奥方様はいらっしゃるでござろうか?」

「また独特な喋り方になってるわよ……?」


 もう宿屋の主人以外の親族に頼るしかない。


 とは言え、別に料理をさせるってワケじゃなく、簡単に作れる『ドレッシング』的なものを作ってもらおうと思ってる。

 というかもうご主人には料理をさせない。肉を捌く機械にでもなってもらった方がいいんじゃないかなーって。


「ん? おう、いるぜぇ! 美人なかーちゃんがな!」

「連れてきてもらえますか?」

「……テメェ、うちのかーちゃんに何しようってんだ?! まさか……すけこまそうってんじゃねぇだろうな?!」


「連 れ て 来 い 。 いいね?」

「アッハイ」




 ……この世界に来て、たびたび顔をジロジロ見てきた上でやんややんや言ってくるやからが多いのは何でだ?

 地球にいる時の俺って『鷹がカラスを産んだ』と言わんばかりに、美形家族の中で浮きすぎるレベルで『普通』な人間だったハズなんだけど、こっちに来てからやたら男には絡まれるわ女性は好意的な目で見てくるわと色々おかしい事態になってる気がすんだよね……。

 まぁこの肉体は地球での俺の身体じゃないけど、視線の高さも変わらないし髪の色も変わらないし体付きも変わらないし…一体何なの?


(なぁ? どうなってんの?)

『ナンノコトデスカネー?』




 や っ て く れ や が っ た な ?




 強化肉体、レベル上限ぶっ壊れに引き続き、テンプレ王道の『美形化』をやらかしやがったな?

 某龍玉の『死んだら玉で生き返せばいい』ぐらい当たり前のように、ラノベの異世界転生とか異世界転移で一般人主人公がやってくれと頼んでいる美形化を、平々凡々に生きてたいと思う俺が望んでいるとでも思っていたのかぁ…?


(女神ィ…どこへ行くんだぁ…? 一人用のポッドで…)

『やめるんだユトリー!』

(人をゆとり世代代表みたいな言い方しないでもらえますかね?)


 ……あぁ、もうアレだな。

 俺ってば外見からステータスから全部がテンプレの元になってたんだと理解してしまうと、テンプレがわんさか寄って来る理由が分かって、ちょっとスッキリした気分になってしまったのが少し悔しい。

 最早コレは体質と言ってしまって差し支えないレベルなんじゃなかろうか、ともすればテンプレとは切っても切れない悪縁になってしまうんだな……




「……あなたってホント喜怒哀楽というか浮き沈みが激しいわよね……」

「何というか……たびたび突きつけられる現実がハートをグリグリ抉ってくるんだよなぁ……」

「……よしよし」


 俺の半分も生きてない女子おなごに慰められる気分ったら、まぁ表現しようが無い位恥ずかしい!

 でも気遣いしてくれるソラさんマジ天使。





- - - - - - - - - -





「おう、かーちゃん連れて来たぜ!」

「とーちゃんから呼ばれてきたけど、一体何の用だい?」


 慰められてから数分後、ご主人に代わって作業をしてたのか、前掛けと上着をスプラッタよろしく真っ赤に染め上げた、結構美人な奥様が『血塗れの肉切り包丁』片手に現れた。


 ジッサイコワイ。


「あー…悪いね、あたしはとーちゃん程捌くの上手くなくってね! 特に捌いてたのが上手い事血抜き出来てなかったみたいで、残ってた血がダバーッとね!」


 ほぼ全身が血塗れになるレベルとは、一体どれ程のサイズの獲物を捌いていたのやら…。


「わざわざご足労いただいてすいません。一つお聞きしたいんですが、『ご主人と違って』奥様は料理は普通に出来ますか?」

「……アンタもうちのとーちゃんの料理を食ったのかい? あたしがなんべん言ったってちーっとも改善されやしないのに、頑なに料理の提供をやめようとしないんだよ。そんなワケだから、あたしに何か新しい料理を覚えてもらって、とーちゃんに教えてくれって言われても無理な話だよ?」

「いえ、奥様に料理……というか覚えてもらいたい事はあるんですが、別にご主人に教えなくてもいいです。むしろ、ご主人以外に広めてほしいというか」

「どういう事だい?」




「奥様には『手軽に作れる焼肉のタレ』の作り方を覚えてもらって、宿屋で販売してもらいたいんです。つまり、ご主人には『捌いた肉を生で提供する』だけにしてもらって、奥様お手製のタレを一緒に提供して、『自分で焼いてタレにつけて食べてもらう』っていうスタイルにした方が、ご主人のクッソ不味い料理を食べなくていい上に、質は高いのに安い最高の肉を味わえて、お客さんがハマれば美味しいタレも売れて、噂が広がってこの宿の需要も増えてボロ儲けですよ?」






その時ッ! 素材屋夫婦に電撃走るッッ!


焼肉はタレの美味さも重要だと思う。

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