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ほのぼのしたい異世界生活のススメ  作者: 伊佐若 早葉
目指せ、ギルドでそれなりのランクでそれなりの生活
18/30

無理を通せば道理がぶっ壊れる

「…ねぇ、話は終わったのかしら?」


門前で絶望に暮れる俺の頭上から、しばらく振りに声をあげる存在が一匹。

やぁ久しぶりだねソラ。一体何話振りに声を出したのやら。


「…一応王都の門前なんだから、俺以外に聞こえないように話してくれな? まぁ話は終わった……というか終わらざるを得なかったというか聞くだけ絶望だったというか」

「…? よく分からないけど終わったのね? というか私には何を会話してたのかさっぱり分からないんだけど、終わったんなら私の話を聞いてほしいんだけど」


なんぞ?


「申してみよ」

「え、何その上から目線。物理的に私の方が上からなんだけど」

「よいよい、申してみよ」

「……全力で噛むわよ?」

「不徳の致す所で御座った、あいや許して仕り候」

「極東のニンゲンの言葉ってのはこんなに理解に苦しむのかしら…?」


数百年ほど昔の母国語だったそうです。分からんけど。


「で、どうしたよ? 何かこの俺の現状を打破出来る秘策でもあるん?」

「…アンタが今現在どういう状況なのかがまず分からないんだけど、一応私、これでも名の通った魔獣の一族なのよ」

「ほうほう」

「無論、良い意味でよ。何でも昔私のひいおばあちゃんに当たる方が、この世界の各地で『憂さ晴らしとか暇潰し』の名目で悪党をちぎっては投げ、ちぎってはちぎっての繰り返しをやってたみたいで、各地で神獣として崇め奉られたりしてるワケよ」


コイツのひいおばあさん、ちぎってはちぎっての繰り返しをやったとか鬼畜の所業じゃないですかね…?

まだ投げられてた方が心持ち無念も無いような気がすんだけど。


「…まぁそんなワケで、その一族に属する以上、私も多分この中に入ったら無駄に崇め奉られてめんどくさい事になりかねないのよ。だから本来だと、各地の山々とか森を転々としながら魔物やら野生動物を狩りつつレベルを上げて、『変身』っていうスキルを身につけてから独り立ちって流れだったんだけど…」

「あー…確か強い何かに追われて逃げてたら母親とはぐれた上に罠に掛かったんだっけか」




…数ヶ月経ってから気づいたんだけど、多分ソラが母親とはぐれる原因になったのって、あの『草一本無い砂漠を豊かな大草原に』でお馴染みの勇者様(大爆笑)なんじゃなかろうかって思うんだ。


だってアイツ、確か団長さんの話では『森で繁殖しすぎた野生動物の間引き』とかいう依頼に参加して、のべつ幕無しに環境破壊してたらしいじゃん。

で、多分勇者の勘とかいうクソの役にも立たない第六感で、無意識にソラと母親を追いかけるように野生生物の間引きをしてたんじゃなかろうか。


実際俺がソラを見つけた時は血もパリパリに乾燥してて、傷口も結構危ないぐらい化膿してたし、何よりソラ自身が空腹でヤバかったから、それなりに日にちも経ってたと思われるし。




ホント何の為に呼ばれたのか分からんね。死者に鞭打つようで悪いけど、きっと日本でもやっかまれてたんだろうなぁって思う(小学生並みの感想)。




「…つまり、ソラはまだ『変身』のスキルを覚えてないから、王都に入る前にレベリングをしたい…そう申されるか?」

「何で口調を戻したのかしら…? でもまぁそういう事ね。 …ユウトの頭の上は居心地いいけど、そろそろ私も隣を歩いてみたいのよね」


しかしアレだな。このソラの言いたい事ってのは、結果として俺の状況を打破するものでは……




……あぁ、もういいや。悩むのもめんどくさい。





「…フフフフフッ、フハハハハッ、ハァーッハッハッハッハッ!」

「きゃっ?! な、何よ?! いきなり笑い出したらビックリするじゃない!」


そうだよ、最早人間としてレベルが上限を超えてるってんなら…






上 げ れ る と こ ろ ま で 上 げ て や ん よ !




HAHAHAHA!

人間のレベル上限が100?


知らんなぁ!!

もうこちとら400も間近なんじゃい、どこまででも上げてギルドでぶっ壊れ性能披露してやらぁ!!



(はいさーい女神様!)

『はいたーい、どうかなさいましたか?』


ちゃんと女性が使う挨拶とは…出来る。


(俺のスキルって、一時譲渡しちゃうと当然俺にはそのスキルが適用されなくなるんですよね?)

『えぇ、そうですね。とはいえ、貴方のスキルは成長に関わるスキルもありますので、譲渡する相手をパーティーとして組み込めば、譲渡せずとも相手方も成長系のスキルの恩恵を多少なりとも受ける事が出来ると思いますよ?』

(おぉ、聞きたかった事を先に答えてくれるとは…あなたが神か)

『とんでもないです、私は神様ですよぉ』


このネタまで拾えるとは…とことん出来る。


『ドヤァ…!』

(それを言わなければもうちょっと褒め称えられる存在だと思うんですけどね)



って事で。


「よし、ソラ。俺とパーティーを組むぞ。そんでもって俺もレベリングに参加するわ。目標としてレベルはいくつまで上げればいいんだ?」

「えーと…確か昔お母さんに聞いた話だと、レベルを40まで上げれば『変身』の中でも一番簡易的な『獣人変身』が身につくって言ってたような…」

「40か…。で、今ソラってレベルいくつなの?」

「…………3」

「上げ甲斐があるゾ~!」


そんな感じでパパパッとパーティーを組んで(どうやらパーティー結成時はアイコンのようなものが出るらしい)、ひとまず近くの森やらちょっとした山岳地帯やらでレベリングしつつ野宿する事3日…





結果、この3日間で良かった事と凄く良かった事と考え直さなきゃいけない事ともの凄く不可思議な事が起こった。




まずは良かった事だけど、ソラが無事に『変身』のスキルを無事に覚えられました。

そして凄く良かった事は、そのスキルを『獣人変身』を飛び越えて『人族変身』という最終形態にまで到達させる事が出来た事。


考え直さなきゃいけない事は、俺自身がレベリングというものを意図して行なった事がまず無かったので、結果としてソラが人族変身のスキルになるまで、経験値の入り方を理解出来てなくて無駄な時間を費やしてしまった事。


そしてもの凄く不可思議な事なんだけど…








「……俺のレベルが45になってる件について」


なんというか、レベリング・ハイとでも言うべきかってぐらいがむしゃらに魔物をちぎっては細切れ、ちぎっては千切りにしてきたというのに、俺のレベルが390から45になってました。

あれ~、おかしいな~? どうしたんだろうなぁ~? って夏の怪談話す人ぐらい頭にハテナが浮かびまくってたんだけど、この時の俺は『まぁでもコレで表示上は人並みになったしいいんじゃね?』と他の項目(職業と称号)を完全に見てなかったんですねぇ~…









職業:進化を追い求める者

称号:超越者

  (レベルを一度カウンターストップさせたものに与えられる称号。

   職業が『進化を追い求める者』に変わり、レベルをカンストした

   回数に応じてステータスを上昇させ、保持スキルが強化される。

   また、カンストした時点でレベルを『表示上』1へと戻し、何度でも

   レベルを上げる事が可能になる。

   なお、レベルは999でカンストとなる)





実は3日でカンスト……2回もしちゃってたらしいってのは後で知るんだけどね。


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