第2章2話
俺達は次の日の朝には迷宮街へと戻ってきていた。
もう既に何かが起きているのは分かっていた。
理由は門の上には旗が立っているのだが。
普段は白と緑の旗だが今は赤色の旗が立っている。
これは平時から緊急事態に陥っている事を周りにお知らせする為の物だ。
「ネロやっぱりお前の耳が合ってたみたいだな。」
俺は素直に獣人族の耳の良さに感心していた。
「大変な事になってるけどにゃ、でも商売時にゃ!」
商魂逞しいとはこの事を表すのだろう。
「ま、待て何の用だ。今は緊急時だ門の制限をしている。」
俺は依頼書を取り出し。
「依頼に出ていて、戻ってきた所だ。直ぐにギルドマスターへと報告しないといけない件がある。」
俺が見せた内容を見て戦力となるとわかったんだろう2人とも入れてもらう事が出来た。
街中の様子は変わってない。
ダンジョン関係ではなさそうだ。
「ネロ、俺は先に行く助かったまた会いたい時はフェニックスの宿り木を常宿にしている。じゃあな」
「了解にゃ!」
俺はネロに別れを告げ、ワブク武具店へと向かう。
店に入るとワブクさんの店は武器がほとんど無かった。
「おう!小僧か久しぶりだな。今帰ってきたのか?どうした?」
「あぁ、今帰ってきたんだが。今回の依頼の魔物が手続きの齟齬があったみたいで予想よりも武器を酷使し過ぎた。緊急メンテナンスを頼みたい。」
俺は雷牙と牙炎剣を渡し見てもらう。
「む?何の魔物を相手にした?刃こぼれと歪みが酷いな少し時間がかかるぞ?」
「あぁ、構わない。依頼通りならワイバーンだったんだがな。そこにクリムゾンワイバーンも来てな戦う羽目になった。」
「なら素材を持っているのか?」
こちらを見て是非卸してくれと言わんばかりだ。
「解体が済んだらな。」
「なら少し待ってろ。」
ワブク武具店内で20分位待つと。
「剣はこれで大丈夫だが。そろそろ役不足だな。」
「それは段々と感じ始めている。まぁ、今回の件が終われば頼むよ。」
「任せとけ!ガハハ」
と豪快に笑うワブクさん。
俺は店を後にしてギルドに向かった。
ギルドに着くと。
そこにはミーナさんが居た。
ギルドには誰も居ないかった。
「……ミーナさん。状況を教えて貰えますか?」
すると、ミーナさんは驚いた顔をしていた。
そりゃそうだ3年間避けてた人だ。
でも今回のカルナの治療もあって、謝らないといけない人だ。
「アロウくん。おかえりなさい。まずは依頼達成をさせてちょうだい手続きをしながら説明するわ。」
俺は討伐証明のワイバーンの頭を取り出す。
まぁ、氷漬けなんだけどね。
「えーっとこの氷俺のスキルなんだけど、解除しちゃうと中身ごと砕け散っちゃうから確認したらスキル解除して廃棄するね。」
「あ、それならギルドマスターに見て貰った方が良いわよ。後でギルドマスターの執務室に持っていくわ」
ミーナさんはそう言うとワイバーンの頭を受け取っていた。
「それでは、カードを提出してね。アロウくんが来た場合、ランクを昇格させてからって言われているからね。」
俺はそう言われたのでミーナさんに冒険者カードを手渡した。
「では、今現在の状況を説明致します。今現在、この街はザジス王国より攻め込まれてます。把握出来ていて尚且つ厄介な敵将は2人。兵の総数は5万人。」
俺は敵将の方が大事なので
「敵将の名前は?分かってる?」
「はい!雷魔術の使い手クロウ・アトラスと総大将聖女エミール・ザジスです。」
それを聞いた時に頭を抱えた。
ここでクロウ兄様との関係をバラす訳にはいかない。
確実に利用されるが懸念点はそこでは無い。
「まずいな総大将を早く止めないとスキルで治されズルズル引きずられ疲弊するな」
俺はそう2人のスキルを知っている。
強力が故にユニークとまで言われていたスキル持ち2人だ。
「スキルを知ってるの!?」
ミーナさんが身を乗り出し俺に聞いてくる変わってないなぁなんて思いながら。
「ん?あぁ言ってなかったね。俺はあの国で元々貴族の子供だった。2人共ユニークスキルと言われていたスキル持ちだ。」
ミーナさんが、
「そ、そうだったんですね……情報はこれから戦場に行った時にギルドマスターに伝えてください。」
と言った後、カードを返却してくれた。
「これでランク昇格しました。今現在は緊急依頼が出されている為、すぐにダンジョン側の門へと向かい国境へと向かってください!ギルドマスターによろしくお伝えください。」
俺は立ち上がりミーナさんに頭を下げた。
「これから戦場に行くから、どうなるか分からないし、今のうちに謝っておこうと思って。3年間避けてた、酷く傷付けたと思う。ごめんなさい。俺が子供でした。」
それを伝えるとミーナさんは顔を手で覆って泣いてしまった。
アワアワしながら、あ!そうだ!だと思い。
収納袋からメリーさんと合作した。
クッキーを取り出す。
「これ、エルフの里のお土産。クッキーって言うんだ是非食べて!」
と渡し、気まずかったので俺は渡すだけ渡して
「んじゃ、行ってくるね!」
と伝え、行こうとすると。
不意にミーナさんから
「行ってらっしゃい。」
と言われたので
手を挙げ『身体強化』をかけ走ってった。
ミーナはグズっと鼻を鳴らすもクッキーの袋を開け食べていた。
「甘いけどしょっぱい。嬉しすぎる」
自分の涙でクッキーがしょっぱくなるのであった。
そんなギルドに1人の老人が入ってきた。
「な!ミーナちゃんどうしたんじゃ?誰にいじめられたんじゃー誰だ!?成敗してくれる。」
驚いた後、顔を真っ赤にする老人。
「あ!おじいちゃん聞いて!3年間避けられてた子とね今さっき和解できたの。これはね嬉し涙だから気にしないで。」
「ほぉーそれは良かったのぉ。そう言えば白髪の小僧は戻ってきたかの?」
老人はそんな事を聞いてくるミーナは首を傾げながら。
「アロウくんの事かな?ちょっと前に戻ってきて、依頼達成報告をして戦場に向かったよ!Bランクに上がったからね。」
老人は髭を撫でながら。
「彼奴はとっくにBランク上位の実力は持っておった。今更じゃよ。」
「おじいちゃんはどうするの?」
すると老人はニヤリと笑い。
「小僧が参加するなら儂も参戦しようかのふぉっふぉっふぉっ。」
笑いながらギルドから出て行くのであった。
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