第3章16話
まだ登場は先ですが心シリーズのスキル保有者のお話です。
〜ヒノ村〜
「おばあちゃんおばあちゃんおばあちゃんおばあちゃん!」
黒髪を2つに結ったちょっと日焼けした活発そうな女の子ヤミが騒いでいた。
「なんだい?そそっかしいねぇ?落ちつきんしゃい。」
「うぅ、だってぇ。スキルが変わったんだもん!」
ヤミの言葉に驚く。
「そりゃ本当かい?どんな変化があったんだい?」
「えーっとね?【闇】から【心闇】に変わってね、派生スキルも何個か出てきたよ!」
喜んだ様子でそれを伝えるヤミ。
「ヤミ、放出系じゃないのはあるかい?あるなら使ってみてくれんか?」
「わかった!【闇纏】」
ヤミの周りを黒い靄が包む。
それを見たヤヨイは慌てて使用を止める。
「ヤミ!今すぐそれを解きな!」
ヤミは驚きつつもスキルを解除した。
「ヤミ、良いかい?私達は呪術師だ。心のエキスパートだよ。そのスキルは心を蝕んでる。今は使っちゃダメだよ?多分他の新たに出てきたスキルも強力が故に同じ効果を持ってると思う。まずは心を護る力を鍛えようかね。」
ヤヨイは分かりやすく叱るのでは無く優しく声をかけ説明した。
「わかった!おばあちゃん私もその修行が終わったら勇者様みたく冒険者になっても良い?」
「んー仕方ないねぇでも迷宮街までだよ?私達には“聖剣“を護る使命がある。私に何かあったら次はお前が中心になって護らないと行けないからねぇ。ヤミ以外にもう少し実力がある子が出てきたら良いんだけどね。」
「わかった!修行頑張るぞー。そういえばアロウ元気にしてるかなぁ。」
〜とある山の中〜
火を纏った大剣で大型のワイバーンと戦う男。
「最近調子が良いなぁ。スキルが変わったお陰か?」
彼のスキルは最初は不遇とされてきた。
ただ視力が良くなるだけ、暗闇が見えるだけと。
しかし、スキルが成長して行くと。
【鑑定】が発現した。
これによって彼は不遇では無くなりダンジョンに潜っては性能の良い武器や魔法具を見つけ。
それを取得し強くなってきた。
更にスキルが変化して【心眼】になってから1秒先の未来予知や
特殊鑑定で魔物の弱点箇所や弱点属性、ドロップリストがわかる様になり。
魔物を屠るスピードが上がった。
「これはもうちょい修行続けたら今度こそSランクダンジョンを進む事が出来るかな?っと。オラァァ!!」
男はワイバーンを切り伏せた。
「いっちょ上がり、今日はワイバーンのステーキだうしし。」
〜獣王国ガイア〜
「王子そこはこうです。はい。」
銀髪の狐耳をした少女はガイア国の第2王子の剣術指南をしていた。
彼女は退屈していた。
強さ至上主義の獣王国では強い程偉いだからこそ王族は常に鍛錬をする。
しかし、剣術大会で弱冠13歳で優勝し。
兵士として雇われて今は王子の剣術指南をしているが。
正直目の前に居る王子では物足りなかったのだ。
兵士になれば彼女はより強い魔物と戦ったり、人と鍛錬出来ると思ったが。
魔物と戦う場所からは敬遠され、鍛錬で強者と戦おうとすると。
相手が面子を気にして逃げる。
正直つまらなかった。
王子との鍛錬を終えて。
彼女は鍛錬場へと向かう。
「【心剣】」彼女の手には何も無かった所から急に透き通った剣が出てきた。
鍛錬の為と採掘場で上手く砕けなかった鉄鉱石を持ってきてもらい。
鍛錬を行う。
周りに居た同僚達の息を呑む音が聞こえる気がする。
「【心波斬】」
彼女が剣を振るうと飛ぶ斬撃が鉄鉱石へとみまわれる。
「はぁ、つまんない。」
彼女がそう呟き鍛錬場を後にすると鉄鉱石は賽の目状に崩れ去った。
彼女は強者と戦う事を夢見て剣を振るう。
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