第2章30話
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とても励みになります。
〜ザジス王国〜
「くふふふはっーはっは。軍部も全員傀儡に出来た。これで俺に逆らう者は王宮の中には居なくなった。」
ザジス王国国王のカインは、スキルが変質した事により周りの人間を全員傀儡にしていた。
この傀儡はある種洗脳に近いスキルだった様で。
YESマン製造スキルだった。
「おい、宰相税を引き上げろ。逆らう奴は皆殺しにして見せしめにしろ。」
カインは最初に税金を引き上げ、貴族達を圧政する事にした。
そうする事で反発しに来る貴族達を傀儡にする目的があった。
カインにとっては庶民は居ても居なくても無限に湧き続ける物だと思っていた。
「おい、外務大臣よ。教会関係者は何故俺に挨拶に来ない?」
外務大臣は質問に答える。
「はっ!聖女エミールを戦争に出したからだ。と反発しております。後数回断られたら強制的に捕縛し、王の御前に連れてくる予定でした。」
ほくそ笑みながら
「ははっ、もう次で捕らえてきてしまえ。教会なぞ上さえ抑えてしまえば下も勝手に意見を変えるだろう。商会の連中もついでに連れてこい全員傀儡に変える。ギャーギャーうるさい煩わしい帝国や周りの国を焦土に変える為、今はガンガン軍備を整えるぞ。」
「はっ、かしこまりました。それでは行ってきます。」
カインは愉悦に感じていた。
今まで上手く行ってなかった事案が傀儡にした途端、すんなり上手く行きだしたのだ。
今までは大臣や文官達が軋轢が起こらぬ様慎重に進めていたが今はカインに軋轢自体傀儡にされて起きていないので。
トントン拍子に進んで行くのだった。
但し、平民達がその割を食っていて。
国に対して行動を起こすか、捨てるか迷っている混迷の時期とも言える。
カインの心は黒くどす黒く変質しつつあるのであった。
〜同時刻ラムネル帝国謁見の間〜
「表を上げよ。エミール、クロウ」
30代の若き皇帝が2人を見据え話しかける。
「此度の戦は、ザジス王国の横暴と捉えている。保護した兵士達も新国王が暴虐の如くお主達2人を処分する為に起こした戦争とも聞いた。それに異論は無いか?」
「はい、皇帝陛下。その通りでございます。カインの思惑により国内でそれなりの支持のあった私が邪魔だった様です。
それにクロウ様も私も、スキルが変質して。ユニークスキルが更に強力な物に変わりました。それにより国内では支持層が広がっていたのがどうやら気に入られなかった様子です。」
エミールが質問に淡々と答える。
「お主達は、国を捨てて我が国へ来る事へ何も思わぬのか?」
「私達がこれ以上ザジス王国に居て、戦いの火種によって国民が被害を受けるのなら直ぐに捨てましょう。そして、私に必要なのはクロウ様のみですので。」
皇帝は髭を撫でながら聞き。
「クロウとやらは異存は無いか?」
と聞かれると。
「はい!私はエミール様と一緒に仕えるのなら。それに私には同腹の兄弟がこの国に居ます。
彼は3年前父に始末されかけました。たかがスキルが使えないと当時はどんなスキルかも分かってなかっただけでです。
弟は今立派に冒険者でも高ランクと言われる位置に居ます。私は彼の味方であり最愛の弟を認めるこの国の在り方が好きです。」
そう言うと、謁見の間はザワついた。
「カノン侯爵は、その冒険者と知己か?」
皇帝がカノン侯爵に質問をする。
カノン侯爵は1歩前に出て答える。
「陛下、此度の戦争を止めた立役者にございますので当然顔を合わせておりますが。
権力を好まず、しかし聡明な知識見聞がある様に思えました。
この2人を捕らえて来て。帝国の力になると提案して来たのも彼ですから。彼はこの先Sランクまで駆け上がると思われます。」
ほう。と呟く。
「カノン侯爵から見て、2人はどう思う。」
「はっ、エミール殿は元王族だけに顔も広く政治的にも手腕が発揮出来るでしょう。尚且つ聖女の肩書きを持つだけあってこの国への教会からの支援も広がると思われます。クロウ殿は武力も知力も申し分無いかと。王国でも領地経営を自らやっていただけあって知識も経験も豊富です。」
「宰相どう思う?」
「はい。よろしいと思いますが問題はどこに受け入れるかと言う問題です。お2人は離れ離れになるのは嫌な様ですので。難しいかと。」
「カノン侯爵はどう思っている?」
「はっ、とある冒険者と賢者様に言われました。カノン領の迷宮街は人材をドブに捨ててると。なので2人には迷宮街のスラム根絶に尽力して貰おうと受け入れる事が可能なら考えていました。」
「賢者ローデンか?」
皇帝は“賢者“という言葉に反応した。
「はい。ローデン様はなんとスラムに自ら赴き、最近は魔術を教えているそうです。」
そんな事を伝えるとザワザワしだす。
「スラムの連中が賢者様に教えを乞うなど贅沢だ。」
等、他の貴族達から批判が出る。
「とある冒険者は言いました。今の迷宮街に入ってくる冒険者達は上を向き応用ばかり見つめそして死んでいくと。
領地がダンジョン資源に支えられているのにそこを見直さないとはどこに目を付けているんだ?と言われた様な気持ちでした。彼は独自に動いてると私が掴んだ情報に寄ると。
鍛冶師が少ないので。売上を提供してスラムの子供達に技術を教えたり弟子を取るよう促したとの事です。」
ニヤニヤしながらカノン侯爵の報告を聞く皇帝。
「その心は?」
「彼の本心かは分かりませんが。自分の命を預ける武器のメンテナンスにその武具店が人気が出てしまうと困ってしまうからと答えていたようです。」
皇帝はそれを聞いて笑いだした。
「はーはっは。面白いなその冒険者。後々の事を考えて自分の利益を兼ねて居るということか。全てが上手く回れば経済も回るという事。天晴れだのう。早くSランクに上がって挨拶に来ることを願おう。
よし、決めた。カノン侯爵2人を任せた。宰相手続きをしてくれ。貴族にするも侯爵の采配に任せよう。枠を3つ位与えておけ。」
「ありがたき幸せ。良い報告が出来る様尽力致します。」
こうして、カノン侯爵は2人を領地に向かい入れる事が決まった。
2人の配属はクロウが侯爵直属政務官、エミールが治癒院と孤児院の代表という形に収まり教会の幹部達がこぞって喜び。
迷宮街へと教会の招致が決まった。
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