11話 転移先の島
「島が見えるわ、士!」
士の後ろの方を見ていた三奈江が叫ぶ。
「分かった。
取りあえずそこへ飛ぼう」
そう言うと士は瞬間移動を発動する。
その結果、二人は一瞬にして砂浜に立つこととなる。
「ここはどこかしら……
地球に帰れたのかな……」
三奈江の問いかけに対する答えを持っていない士は沈黙を続けたが、それも長くは続かない。
突然砂浜の10メートルほど先の海面が盛り上がると、そこから爬虫類と思われる長い首が、ぬっっと現れたのだ。
首は3メートル以上ありそうだ。その上に巨大な頭が載っかっている。
目は蛇のように漆黒で、まぶたは薄皮がある程度。
顔はトカゲのようにも見えるがその大きさが異常だ。
やがて現れた体は、その首を支えるのに十分な大きさを持っており、大半は海中にあるにもかかわらず、ゾウより大きく見える。
「キシャッーーー」
この巨大生物は大きく口を開けると士達に向けて鋭い歯がびっしりとならぶ口を大きく開け、威嚇の声を上げる。
「くるぞ」
「ええ」
士が抜剣して身構えるのとほぼ同時に首を突き出すような形で巨大生物の頭は一気に迫り、その鋭い歯のついた顎で二人をかみ砕こうと襲ってきた。
「ちっ」
士は砂浜に踏ん張り、剣で巨獣を迎え撃つ。
大きな顔が士によって止められた瞬間、三奈江の剣が巨獣の首に深々と突き刺さり切り裂く。
その巨大さ故、切断には至らなかったが、大量の赤い血が噴き出し、巨獣はそのまま浜辺に倒れ込んで絶命した。
「明らかに日本じゃないわね」
「ああ、少なくともこんな爬虫類は図鑑の中で見た恐竜ぐらいしか心当たりがない」
「と言うことは、送還の魔方陣が失敗だったと言うことかしら」
「まあ、作動はしたから完全な失敗とは言い難いが、少なくとも日本に帰れなかったという点では失敗だな」
「これからどうする」
「何にしてもここじゃあどうしようもない。
瞬間移動でボルハチ肉店に一旦もどろう」
「そうね。それがいいと思うわ」
相談がまとまると士達は倒した巨獣をアイテムボックスにしまい、ボルハチ肉店の応接間へと転移した。




