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のぼれにゃいっ。

こちらではお久しぶりでございます。12月からぶりの更新ですね。

急かさず待ってくださってありがとうございます(*´∀`*)


【ユキ視点】




ゆきです。わたしがこの世界に来てたぶんもうすぐ1ヶ月経つくらい。

聖域のみんなはとっても優しくて、みんなみんな大好きっ。




リーフさんとセナさんの特訓のおかげで、人間の『靴』にも少しずつ慣れてきて、なんとか転ばないで歩けるようになってきたの。


わたしを受け入れてくれたみんなに何かお礼がしたいけど、わたしにできることなんてとっても少なくって、どうしたらいいのか分からないから、今日は初めてひとりで王様のところにきたんだ。




本当は『謁見』っていう形で、王様に会うための『手続き』っていうのをしないといけないみたいだけど、わたしはそういうのいらないって言ってくれてたからそのまま来ちゃったけど、本当によかったのかにゃ?




お城の前に着いてから気づいちゃった・・・。


大きなお城にはたくさん階段があったの。わたし、まだ階段はひとりでのぼれないんだった。


猫になってもこの階段、一段一段が高くて一苦労しそう。




そんなことを思いながら階段の下でウロウロしてたら、リーフさんが出てきて階段下で情けない顔をしているわたしを見つけてくれたの。


慌てた様子で階段を駆け下りてきてくれたリーフさんが天使様に見えたよ。




「ユキっ。どうしたんです?こんなところで。1人ですか?」


「んにゅ。りぃふ。あにょね。だっこっ。」




両手を広げてリーフさんに向かって伸ばしたら、リーフさんは嬉しそうにだっこしてくれた。


猫の時の癖で、ありがとうってリーフさんのほっぺにおでこをごっちんしてすりすりしたら、ほっぺですりすりのお返しをしてくれて、とっても嬉しい気持ちになったの。




「それで、こんなところでどうしたんです?困っていたようですが。」


「んにゅ。おうしゃま、あいちゃいにょ。でも、かいだん、あがるにょ、できにゃかった、にょ。」


「王にですか?それでは私もご一緒しましょう。」


「ありあと。」




リーフさんは不思議そうに首を傾げていたけど、連れて行ってくれるみたい。よかった。


慌てておりてきてくれた時と違って、ゆっくりと階段を上がってくれたリーフさんは、前に王様と会ったお部屋には行かずに別の階段を上がっていくけど、王様はこっちにいるのかな?




たくさん並ぶ扉の一番奥の扉をノックしたリーフさんは、『失礼します』と一言。


扉を開けたら広い広いお部屋の真ん中にある向かい合わせのソファーと間のテーブルがあるところに王様とリュウキさんが座って紅茶を飲んでた。


リュウキさんとはこの間会ったばかりだけど、会えるのはやっぱりなんだか嬉しいな。




「おや。リーフ。さっきわかれたばかりなのに一体どうしたんだい?それにユキまで連れて。ユキ。おはよう。」


「はい。お城を出てすぐ階段下でユキが階段を上がれず困っていましたので。事情を伺ったところ王に会いたいと仰りました。それで私がお連れしたのです。」


「王に用事?ユキ、急にどうしたん?」




リュウキさんが聞いてくれたことで、みんながわたしを見たけど、うー。なんて言ったらいいのかな。


まだ言葉にできるくらい纏まってないけど、わたしが言いやすいようにって、みんな静かに待っていてくれてるから、ちゃんと言わないとっ。




「おうしゃま、に。ききたい、ありゅの。」


「うん?僕に聞きたいこと?でいいのかな?言ってごらん?」




リーフさんはわたしが話しやすいように王様の向かいのソファーまで連れて行ってくれて、そのまま腰をおろしてその隣りにわたしを座らせてくれた。


王様とリュウキさんのお顔が向かいのソファーに見えて、改めてお話してみることにする。




「うんと、あにょね。ゆき、せーいきの、みんにゃ、だいしゅきなにょ。」


「ふふ。うん。ありがとう。僕たちもユキのことが大好きだよ。」


「えへへ。しょれでね。ゆき、みんにゃに、ありあと、したいにょ。ゆき、にゃにか、したいにょ。にゃに、できりゅ?」


「うん?ああ。えーっと。要するに、ユキはみんなのことが大好きだから、みんなのために何か出来ないかなって考えているんだね?それで、何をしたらいいのか迷って、僕にアドバイスをもらいに来た。でいいのかな?」




コクコクと頷いて王様を見ていたら、隣りのリーフさんはフルフルと震えて口元を片手で隠して俯いていて、王様の隣りに座っていたリュウキさんは、拳を作って口元にあてて、横を向いてフルフルしてた。


え?わたし変な事言ったかな?え?どうしたの?ふたりとも・・・。




不安になって王様に視線を戻したら、王様はいつも以上にキラキラの優しい笑顔でわたしを見つめて『ふふっ』と笑い声まで聞こえるけど、うー。わたしは真剣なのにぃ。




「ふふ。ごめんごめん。ユキがあまりにも可愛い事を言ってくれるから、つい嬉しくてね。それでユキはどうしたいの?何かを手伝いたい?それとも何かプレゼントしたい?」


「にゃっ。ゆき、みんにゃに、ぷれえんと、したいにょっ。」




うまく話せなくても意味は通じたのか、王様は人差し指を顎に当てて少し考えている様子。


わたしもそこまで考えてふと気づいたけど、この聖域にはプレゼントできるような物がなかったっ。


お花は可哀想だし、何か作るのも材料もないし、それより何より、私が自由に使っていいお金なんてなかったの。




にゃあ・・・どうしよう・・・。




「そうだねぇ。じゃあ、こういうのはどうだろう?」


「にゃ?」


「ユキはこの間、リュウキと買い物をした街を覚えているかな?比較的治安もいい街だったと聞いているけど。」


「んにゅ。おぼえてりゅ。おみしぇ、いーっぱい、だったにょっ。」




両手を広げてこんなにいっぱいと表現したわたしに、リュウキさんは嬉しそうに頷いてくれてて、わたしもとっても嬉しくなっちゃった。




「その街に、一人でおつかいに行ってみたらどうかな?そしてね。ユキがいいと思うものをみんなに1つずつ買ってくるんだ。もちろん『おつかい』だから、最初は僕のお願いしたものを買ってきてもらって、その『おつかい』が上手に出来たら、ユキにおだちんをあげる。」


「なっ。何言ってるん?一人でユキを転移させるなんて危ないに決まってるやろっ!?」


「そうですよっ。せめて一人、付き添いをつけるべきですっ!」




王様の提案にリュウキさんとリーフさんは大反対してるけど、王様はひとつため息をついて、『最後まで聞いてね』と言うと、ふたりは口を閉じちゃった。




「いいかい?そのおだちんを持って、ユキがプレゼントを送りたい相手から、またおつかいを引き受けるんだよ。そしてそのおつかいの時におつかいを頼んだ人に僕が渡したおだちんでプレゼントを買う。そしてそのおつかいでもらったおだちんで、また別の人からおつかいを聞いて買ってくる。」


「うー。わかったっ。ゆき、がんばりゅっ。」


「うん。ユキのことだから、おこづかいとしてもらったお金だとプレゼントは買いたくないでしょ?だから自分で頑張ったお金でプレゼントしたいんだよね?」




さすが王様っ。


わたしの考えていたこと全部全部当てちゃったっっ!


精一杯そうだと伝えたくてコクコクと必死に頭を縦に振ってたら、心配したリーフさんに頭を止められちゃった。




「ユキ。本当に、そうしたいですか?誰か付き添ってもユキのおつかいは出来るんですよ?私は、出来ればユキに安全な状態でいてほしいのです。」


「俺もや。出来れば誰でもええから1人で行くんは避けてほしい。」




心配してくれているリュウキさんとリーフさんの言葉はとっても嬉しいけど、わたしは、ひとりで頑張ってみたいって思ってるから、出来れば頑張らせてほしいなぁ。




「ゆき、ひとり、がんばりゅ。りぃふ、りゅう、おねがい、しましゅっ。」


「っ。意思は固いみたいやねぇ・・・。はぁ・・・。」


「・・・・。」




リュウキさんは諦め顔でため息をついてて、王様はいい笑顔。リーフさんは何かを考え込んでるみたいで難しいお顔をしてた。




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