わるくないにょっ。
蒼稲様、いろんな方にご連絡頂きありがとうございます^^
親友の大切にしていた読者様たちが、声を掛けてくださって、とても励みになっています。
今後とも頑張って参りますので、皆様どうぞお付き合いしてくださると幸いです。
ここは水の守護精、マナさんのお屋敷です。
ちゃぷん……。
お屋敷の裏の泉で泥だらけになってしまった私は、ただ今現在進行形でマナさんに洗われちゃってます。
っていっても、洗面台にあったかいお湯を溜めた私用の簡易お風呂なのですっ。
うぅ……猫の姿で水に濡れるの好きじゃないにょ。
ふあふあの自慢の毛も今はぺたりと張り付いてあわあわだらけで、ただでさえ小さな私が更に貧相な姿になっちゃってる。
やだな……やだな……。
そんな気持ちが顔に表れてたみたい。
「その姿の時は水が苦手なんですか……。では、人の姿におなりなさいな。普通の湯浴みに変更しましょう。幸い汚れは取れましたからね。」
「みぃ。」
マナさんの言葉に、人の姿だとお水も嫌じゃないのかな?と思ったから人型になることにしました。
ぽむっという音で変身した私は、洗面台で支えていてくれたマナさんの腕の中です。
「まにゃ。ひと、なったりゃ、おみじゅこあくにゃい?」
「ええ。きっとね。さあおいで。」
ゆっくりと私をだっこしてくれたマナさんは、そのまま大きいお風呂に連れて行ってくれた。
結果、うん、こあくなくて、とってもとってもたのちかったっ。
マナさんはびくびくしてた私に、お風呂の中でタオルで大きな風船を作って沈めてくれて、覗き込んでみると急におっきな空気の泡がぶわって弾けさせて笑ったり、あわあわを指で輪っかを作ってしゃぼんだましてくれたり、お水を操る力で浴槽近くに氷のうさぎを置いてお水の力で操って動かしてくれたりした。
すごいにょーっ。
いつの間にか怖いの忘れて、お風呂場できゃっきゃという笑い声と、マナさんの優しい笑い声が響いた。
ぽかぽかで上がった私は、マナさんにだっこされて、いつの間にかルイさんが用意してくれていた『人の私用』のお洋服を着て戻ってきました。
私のやらかしちゃったお部屋は、いつの間にか綺麗に片付いていて、ルイさんを見上げてみると、目が合っちゃいました。
「りゅい。ごみん、なしゃい。」
「う……。まあ、うん。怒っていません。」
「ふふ。ユキ。ルイはね。分からないだけなんだよ。」
フイと視線を逸らして口を尖らせたルイさんを見て、マナさんは面白そうにふっと息を吐き出して笑った後、私に視線を向けました。
「わかりゃ、にゃい?みゅ?」
「ええ。そうです。今までこの聖域には、ユキのような可愛らしい動物はいなかったからね。どう接していいのか戸惑っているんだよ?」
「っ!?マナ様っ!」
マナさんの言葉にルイさんは慌て出したけど、私、ルイさんに嫌われてたわけじゃなかったんだね。
安心したにょ。
そんな暢気なこと考えていた時間が私にもありました……。
「……ユキ。」
びくぅっっっ!!
こ、この声は……イフさんっ!?
恐る恐る声のした方に視線を向けたら、イフさんがソファーに座ってお茶を飲んでた。
眉間の皺がいつもより多いのは私の気のせいだと思いたい……っ。
へにゃりと耳としっぽを垂らしたら、ルイさんはほっぺが赤いのそのままにコホンと咳払いして説明してくれました。
「ユキの服を取りに炎の館へ行って参りました。イフ様はその時ユキがいないと気づかれて一緒に来られました。」
「ユキ。黙って出てきてしまったんですか?それはイフも心配したと思うよ?」
「……け…にょ。」
私は消えそうな声で主張した。
だってどうしてイフさんがそんなにこあいお顔なのか分からないから。
マナさんとルイさんは『ん?』と聞き返してくれるけど、イフさんは更に眉間の皺を増やしてる気がする。
「…たにょっ。こえ、かけた、にょっ。いふ、ゆきにょ(の)こと、みて、くえ(くれ)にゃかったっ。ゆき、おしょと(お外)、いってきましゅって、いったにょっ。げんまん、まみょった……っっ。ゆき、わりゅくっ、にゃいにょっ。ふっ。ふぇぇ……っっ。」
おめめが、熱い。
私のおめめが、涙でとけちゃいそう。
だって、私悪くないもん。
イフさんにもちゃんと声かけたもん。
昨日も今日も、イフさん冷たいもん。
私だけ、おこられるの、変だもんっ。
こんなにさみしいのに、こんなに苦しいのに、世界でひとりぼっちみたいに感じたのにっ。
マナさんにだっこされたまま、イフさんから目を逸らさずにぽろぽろ溢れ落ちる涙もそのままに言った言葉。
イフさんは目を見開いて驚いた顔してるけど、ルイさんは固まってるけど、マナさんは眉を下げて私を見つめているけど、私の吐き出した言葉は、どれくらいみんなに伝わっているのかな。
子猫の姿だったら、きっと全身の毛を逆立てて、フゥフゥとしっぽはきっと、ふくふくに膨らんでいたと思う。
お顔を真っ赤にしてわんわん泣き出した私をマナさんはよしよしと体を揺らしてあやしてくれていて、その時、イフさんは静かにソファーから立ち上がると私に近づいて手を伸ばした。
怒られるって、きゅっと目を閉じたら、脇の下に手を入れられる感触の後、ふわりと包まれるあったかい感触とお日様の匂いがしたにょ。




