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しんでん、てんそうもん。






エイルさんにこの格好じゃだめだから戻ってほしいってお願いされた私は、リュウキさんの顔をじっと見た。


だって、ここにいるエイルさんやイフさんたちは、今の私の姿を受け入れてくれていたけれど、リュウキさんはどうなんだろう?





リュウキさんは、地球という星を知ってるかもしれない。


リュウキさんは、猫という生き物を知ってるかもしれない。


リュウキさんは・・・もしかしたら、ご主人様と何か関わりがあるかもしれない。





もしもそうだったら、私は受け入れてもらえるのかな?






「・・・そうやね。」


「みゅ・・・?」





不安になってどうしようかと考えていたら、リュウキさんが突然口を開いた。





「確かにこの格好やと、ちいとばかり気ぃ使うかもしれへんね。せやさかい。戻ってええよ。」


「りゅう?」





もしかして、この姿の私はいやなのかな?って思ってリュウキさんの顔を見上げたら、思ってた以上にリュウキさんの表情はとっても柔らかかった。


エイルさんは満足そうに頷いて、もう一度私にお願いしてきた。





「ユキちゃん。無理強いはしたくないんだ。ただ、万が一ということもあります。ユキちゃんの安全を考えてのことだから、戻ってくれますか?」





困ったように笑ったエイルさんは、本当に私のことを心配してくれていることが分かったから、小さくコクコクと頷いて、私は戻れるように瞳を閉じて願うことにしたの。





「わっ・・・と。危なかったです。」


「みぁー。」





エイルさんにだっこされてる状態で戻ったから、思わず私を取り落としそうになったエイルさんは、なんとか私を抱えなおしてくれてた。





あれ・・・着せてもらってた服、どこいっちゃったのかな?


私をだっこしてくれているはずのエイルさんも、目の前にいたリュウキさんとイフさんもいないし、真っ暗なにょーっ。





・・・にゃんとっ。





もそもそと包まれた何かの上から、にょきっと何かが入ってきたと思ったら、急に目の前が明るくなった。





「あはは。ユキちゃん。ジン様のお洋服に埋もれちゃいましたね。」


「みぁーっ。」





そっか、私、猫に戻って小さくなっちゃったから、着ていたジンさんの服の中に埋もれちゃってたんだね。


真っ暗なっちゃったからびっくりしちゃったの。





それからエイルさんは、片手の手のひらに乗るくらい小さな私をしっかりと両手で包んでリュウキさんに抱き渡してくれた。


エイルさんのその優しさ、すごくすき。





リュウキさんは王様に押し付けられた時と違って、エイルさんから抱き渡された私をちゃんと手で包んで受け取ってくれた。


それだけでも受け入れてもらえたみたいな気持ちになってすごく嬉しかったの。


ふわりと香るなんだか懐かしい香りにお胸の奥がくすぐったくて、リュウキさんの包んでくれる手のひらの中でスリスリと頭をよせた。





***





ごはんを食べてた建物から出た私とリュウキさんが向かった先は、お城の裏にある大きな門の前。


ここって聖域神殿っていうらしいんだけど、水色と白色が混じったような色の透き通った光がゆらゆら交差してて、とっても綺麗な場所だった。





門を潜って階段を下りていったら、大きくて丸いお部屋があって、その真ん中にさっきよりたくさんの光がお空に向かって伸びてる場所があった。


光を辿ってお部屋の上を見上げてみたら、天井にはぽっかりと大きな穴が開いていて、そこからずーっと上に光が続いてる。




ここ、なんだろう?





「ここは、今いる星のどこにでも通じることの出来るゲートのような場所でな。王立研究院に言うたら行きたい場所に繋げてくれはる。転送門っていうんやけどね。今から行く目的地に送ってくれるんよ。」


「にゃあ。」





べんりなにょっ。


リーフさん、すごぉく大切なお仕事してるんだねっ。





お話を聞きながらも青白い光から目を逸らさない私に、リュウキさんは苦笑いして歩き出した。





「この青白い光の時は、目的地に繋がってるいうことなんやけど、この光の色が赤い時はゲートが閉まってるっていうことや。それじゃあ、そろそろいこか。」


「みゃっ。」





なるほど。色で分かるんだね。





リュウキさんはゆっくりと青白い光の輪の中に足を踏み入れた。


そしたらゆっくりとリュウキさんの足が浮かび上がって、ふわりと浮遊感に包まれる。


きゅうっと目を閉じた私を優しく抱きしめてくれた感触を感じた後、お部屋の中を映していた視界から、突然景色が変わったの。びっくり。





「・・・・はあ。俺は別の国に希望出してたはずなんやけど。リーフも大概心配性やったいうことやな。」


「みぃ?」





突然リュウキさんが溜息をついてうんざりという顔をしたから、思わず見上げてしまう。


そしたらリュウキさんは、私を見下ろして苦笑いしながらもちゃんと説明をしてくれた。





「ああ・・・。俺はこことは別の国に転送してくれて言うたんやけど、よほどお前さんのことが心配やったらしい。確かにここは、俺が行こうと思うてた国より安全なとこやさかいな。・・・あんま大差ないくらいになんやけど・・・。」





そっかぁ・・・。


リーフさん、本当にすごくすごく私のこと心配してくれてたんだ。


闇の守護精のリュウキさんの希望を変えちゃうくらい気にしてくれてたんだね。





今度会えた時は、ありがとうって言いたいな。





そんなことを思っていたら、リュウキさんは私の頭をふわりと撫でて足を踏み出した。





「まずは・・・そうやなぁ。服と、し、下着やね。さすがに見慣れん動物連れてたら悪目立ちするかもしれへんし。なぁ?」


「みゃ♪」





うんっ。と肯定して鳴いた私をリュウキさんのあったかくて大きい手が撫でてくれた。





えへへ。うれしいにょっ。






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