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服ってだいじなにょ?





ただいまイフさんにだっこされて移動中の私。





じーっとイフさんの顔を窺ったらなんだか少し目が赤い。


瞳の色は元々赤いんだけどそうじゃなくって、少し白目の部分が充血してる気がするの。


リーフさんが言ってたとおり、眠れなかったのかな?






「熱が下がってよかったな。」


「んにゅ。いふ。ありあと。」





心配してくれてたのかな?


そうだったらうれしいな。





ぴくぴくと動いてしまう耳としっぽにイフさんの視線が向いたのを感じてなんだかはずかしい。


フッとイフさんが笑った気配がして見上げたら、すごく優しい顔をしてた。





「鳴き声の回数。」


「にゅ?」


「ああ。いや、鳴き声の数以外でお前と会話が出来るとは思っていなかったからな。」





イフさんは優しげに目を細めるとぴくぴくと動く私の耳の根元を撫でてくれる。

そんなふうに思ってくれてるんだね。


私、すごくすごくほっとしたんだよ。





「いふ。うれちいにょ?」


「ああ。そうだな。」


「ゆき、うれちいよ。」


「そうか。俺もだ。」





そんな会話をしながらついたごはんを食べるお部屋の扉がカチャリと音を立てて開いた。





「あーっ。きたきた♪ユキ、イフ。おはようっ!」


「おはよお、ごじゃーましゅ。」


「おはよう。」





扉から顔を出したのはジンさんだった。





3人?でお部屋に入ったら、マナさんと補佐役のルイさんとアクラムさんとリアンさんがびっくりした顔でこっちを見ていて、扉の近くではエイルさんもこちらを見ていたけど、エイルさんはなんだかいつも以上にニコニコできらきらだ。


アルフさんはいつもと同じ席で食事を続行中。


マナさんはすぐに気を取り直して、席を立つとイフさんと私の前まで歩いてきた。





びくびくしてる私の顔を覗き込んでお空のような青い瞳がすごく近くにある。





「へぇ。ジンの言っていたことは本当だったんですね。うん。とても可愛らしいよ。ユキ。」





にっこり笑ったマナさんにほっとして私もふにゃりと笑ってしまった。


一言残したマナさんは、さすが水の守護精様だなって思うくらい優雅に歩き出すと、元の席に帰っていってしまう。


近くに立っていたエイルさんは、ニコニコきらきらのまま話しかけてきた。





「ユキちゃん。もう体は辛くないですか?」


「んにゅ。えいりゅ、しゃん?」





私がエイルさんの名前を呼ぶと、そこにいた全員がぴしりと固まってしまった・・・何かいけないこと言っちゃったのかな?




エイルさんはとろりと(とろ)けるような、はちみつ色の瞳を優しげに細めるとなでなでしてくれる。





「さんは、いらないですよ。僕のことはエイルと呼んでください。ね?」


「えい、りゅ?」


「はい。よく言えました。いい子ですね。」





エイルさんは猫の時の私と今の私、おんなじ態度で接してくれている。


それがとってもうれしかった。





「エイルばっかりずるいよ。ねね?ユキ。ぼくのことも名前で呼んで?」


「じん?」


「・・・。ユキ。お前はどうして疑問系なんだ?みんなお前に名を呼んでもらえることが嬉しいんだ。気にせず呼び捨てればいい。」





イフさんの言葉にジンさんもエイルさんも、席についていたマナさんとアルフさんも頷いてくれたから、遠慮なく呼んでみることにするもん。


1人ずつ頑張って指をさして人の言葉で呼んでみる。





「いふ。えいりゅ。じん。ありゅふ。まにゃ。りあん。りゅい。あきゅ・・・あきゅあ・・・あきゅあみゅ・・・?」





アクラムさんの名前が発音できなくて、私は耳としっぽをへにゃりと垂らしてしまった。


そんな私の頭をこつんとイフさんの指が軽くつついた。





「呼び難いならアクでもラムでもいいんじゃないか?」


「そうだよ。ね?アクラム。いいよね?」


「・・・かまわない。」





アクラムさんが持っていたパンをちぎりながら、コクリと頷いてくれたから、その言葉に甘えてみることにした。





「あきゅっ。」


「なんだ?」





呼びやすいように呼んでみたら、アクラムさんは私に視線を向けてくれた。





エイルさんはニコニコしながらイフさんから私をふわりと重力の感じない動きで抱き取ったけど、なんだかイフさんが怖いよっ!?





「ユキちゃん。おなかは減っていませんか?・・・ってアレ?ユキちゃんシャツの下なんにも履いてないじゃないですかっ!?」





・・・そんなこと言われても、起きたらこのシャツ着てたんだも。





「・・・にゅあ?」


「ああ、そういえぱ、そうだな。」


「そういえば、それ僕のシャツなんだけど、ちゃんとした服もなかったし仕方ないよね。」


「「「・・・・・。」」」





イフさんもジンさんも、さらっと答えちゃったけどマナさんたちは無言であんぐりと口を開けてるし、エイルさんは私をだっこしたままフルフルしてるから私にまでフルフルがダイレクトに伝わってきてる・・・。





「イフ様っ。ジン様っ!!」


「あ、ああ。」


「はいっ!?」





うわぁ・・・。


今、イフさんとジンさんがびくってした・・・びくって・・・。





エイルさんってもしかして、すごくすごぉーく怒ったら怖いのかな?





「ユキちゃんは女の子なんですよっ。こ、こんな大きなシャツ一枚で裸足だけならまだしも・・・し、下着も身に着けさせないなんて・・・っっ。何考えてるんですかっ!!」





ぴゃーっ!?


エイルさん。怖いよっっ。すごく怖いよっっ!?





でも着る服も人間がはく下着っていうのも履いたことないし、リュウキさんがお買い物に連れて行ってくれるって言ってたし、それエイルさんたちに伝えた方がいい気がするんだけど・・・それよりなにより・・・。





おにゃかすいたにょ・・・。






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