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ぺたぺた。





「んぅー・・・。」






柔らかいお日様の光で目が覚めて、でもぽかぽかのお日様は猫の体の私にはやっぱり眠りを誘うもので・・・。




猫・・・ねこ?・・・あっ!




ガバッッ!!




シーツから勢いよく顔を出した私は、思わずキョロキョロと周りを窺ってしまったよ。



そっか、昨日の夜はお熱ですごく苦しくて、目が覚めた時はリーフさんのお部屋にいて、それから、そうだ、アルフさんとジンさん、それからイフさんとリーフさんに人間になれるの知られちゃったんだ。


リーフさんとおでかけをげんまんして、それから・・・そっか、ねむねむになって寝ちゃったんだった。


思い至った私は、隣りにいてくれたはずのリーフさんがいないことに気づいた。






「りぃ、ふ?いにゃいにょ・・・?」





大きなベッドから必死に滑り降りて、ぺたぺたと人間の足で歩く。




おもしろーいっ。


猫の姿で歩くと音はしないから、ぺたんぺたんと聞こえる足音がとってもおもしろいっ。





歩き慣れない二足歩行でよたよた歩いてたら、ガチャリと扉を開ける音がした。




静かに入ってきたのはリーフさんで、その姿はなんだかしゅんとしているみたい。


どうしたのかにゃ?






「りぃふ・・・?」


「・・・っっ!」





小さくリーフさんを呼んだら、一瞬驚いた顔をしてからふわりと微笑んでくれた。




「ユキ。起きていたのですね。おはようございます。」





ぺたぺたヨロヨロと近づいた私をふわりと抱き上げてくれたリーフさんは、サラリと流れる白に近い水色の髪を揺らした。





「りぃふ。おは、じゃましゅ。」


「ふふ。早起きさんですね。もう少し眠っていてもよかったのですよ?」





フルフルと首を振った私のおでこにリーフさんはこつんと自分のおでこをくっつけて笑ってくれた。





「もう熱はすっかり引いてますね。よかった。・・・ええと、ユキ。」


「にゅ?」





ほっとした顔をした後、リーフさんは少し目を逸らして眉を下げて困った顔をする。





「私は、あなたに謝らなければいけなくなりそうです・・・。申し訳ありません・・・。」





リーフさんが何に謝っているのか分からなくて、コテリと首を傾げたら、リーフさんは一呼吸置いて説明してくれた。





朝早くにリーフさんは王様とリュウキさんに私の昨日の変化について報告に行ってたんだって。


それで、私の身の周りの物を買いに行くことを話したら、話の流れでリュウキさんが一緒に行くことになってしまったとか・・・。




びっくり・・・。





「いいにょ。りぃふ。また、おでかけ、できりゅ?」


「ユキ・・・。はい。もちろんですっ。必ず。」





リーフさんは嬉しそうに笑ってくれたから、私もなんだか嬉しくなった。





きゅるりぃ~・・・。





「・・・ぷ。ふふ。おなかが減ったのですね。イフ様もきっと今か今かと食事の間でお待ちだと思いますよ。送っていきます。さぁ、行きましょうか。」


「いふ、あえりゅ?」


「ええ。きっと昨夜はあまり眠れなかったでしょうね。それほどユキと会えるのを楽しみにしていると思います。」




ふふっと笑ったリーフさんは、私をだっこしたまま外に出てしまった。






「あるけりゅ、よ?」


「だめです。ほら、動物の時と違って今は人の姿ですから、裸足では辛いでしょう?さっき、床を歩いた時も冷たくありませんでしたか?」





そういえば、ぺたぺたと足音を楽しんでいたから忘れてたけど、ちょっぴり足の爪先が冷たい。





「ちょっぴり、ちゅめたい。」


「でしょう?人間は靴というものを履くことで痛みや暑さ、寒さから身を守ることができるのです。リュウキ様とお出かけなさった時には、必要な物以外にもユキが欲しいものはすべておねだりするといいですよ。」





どこか黒いものを背負ったリーフさんが微笑しながら言った言葉はちょっぴり怖かった。





ごはんを食べるお部屋がある建物の前に来ると、イフさんが渡り廊下の柱に背を預けて待っていてくれた。





「にゃっ。」





私がイフさんに気づいて声を上げたら、リーフさんは1度私の体をきゅうっと抱きしめてからイフさんの前まで歩いてくれる。





「おはようございます。イフ様。さあ、ユキ。イフ様にもその可愛らしい声でご挨拶して差し上げてください。」


「おはよお、ごじゃーましゅ。」


「・・・ああ。おはよう。」





戸惑ったように挨拶を返してくれたイフさんは私をリーフさんから受け取って片腕にだっこしてくれた。




イフさんから少ししか離れてなかったけど、お日様のにおいのするイフさんにだっこされて、やっぱりちょっと寂しかったんだって気づいたの。





「いふぅ。あったきゃい、にょ。」




きゅうーっ。




「っっ。」





イフさんのがっちりした首に小さな手で必死にだきついて、きゅうーって抱きついたら、イフさんは固まってしまった。





リーフさんはイフさんに呆れた視線を向けた後、私の頭をぽんぽんとしてくれて、それではこれでって言うと行ってしまう。


一緒においちいごはん食べれると思ってたのに、残念・・・。





リーフさんの背中を見送った後、イフさんがずっと無言で固まっていたのが心配になった私は顔を上げて・・・後悔したの。


何かに耐えるように眉間の皺が増えているイフさんの顔は、寝起きの私にはちょっぴり怖かった。





少し黙って様子を見ていた私の視線に気づいたイフさんは、やっと眉間の皺をひとつ消してから心配そうな顔に変わった・・・よかった。





きゅるりぃ~・・・。





「いふぅ・・・。」


「あ、ああ。朝食、行くか。」


「んにゅっ。」






朝ごはんなにょーっ。







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