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あまぁい、はちみつ♪




イフさんが(つら)そうな顔でお願いするから、そんな顔して私が苦しそうなのは心が痛いって言うから、わがまま言えなくなっちゃったよ。





考えてることをそのまま人間になったら口にできると思ってたけど、結局うまく口にできない。



人間の言葉ってむずかしいな・・・。





「・・・ほら。」





イフさんは小さくて長いスプーンでお薬をすくったけど、液体じゃないのがはっきりとわかっちゃったよ・・・?


だってスプーンの上にデロデロがこんもりと乗っててプルプルしてるんだもん。




2人前の占い好きのご主人様がちょっぴり分けてくれたミルクと混ぜたら出来上がりーっていうあのフルーチ○っていう食べ物くらいプルプルしてるよ・・・。


フルーチ○・・・おいしかったなぁ・・・なんて遠い目をしてたらイフさんは困ったような顔をした。





あう、ごめんなさい。


べべべべ別に覚悟決めてないわけじゃないんだよ?






覚悟を決めた私が思い切って口を開けると、イフさんは申し訳なさそうな顔でお薬を私の口に入れた。





「~~~っっっ!」


「お、おい・・・?大丈夫か?」


「ユキっ!?リーフっ。水持ってきてっ!早く~っ!!」


「わ、分かりましたっ。ユキっ。もう少し我慢してくださいっ!」


「やっぱりユキには苦すぎたんですねぇ・・・。」





ぴるぴると体を丸めて震えていたら、イフさんが抱きしめてくれていた腕に力を入れて抱き込んでくれた。




うー・・・ちょっぴり楽になったにょ・・・。





リーフさんが持ってきてくれたお水を飲もうとしたけど猫だった私がいきなりグラスからお水を飲めるわけもなくペロペロと舐めてみるけど少ない量のお水じゃ苦味は消えない。


思い切ってグラスを傾けてみたら思った以上に口の中に流れ込んできた。





「にゅ・・・けふっ。」


「ああ・・・こぼしてしまいましたね。」





リーフさんは心配そうにハンカチを取り出して私の口周りを拭ってくれて、イフさんも背中を擦ってくれていた。


ジンさんとアルフさんは、あまり人がいても私が落ち着けないだろうからって改めて元気になったらお話しようと言ってくれて、それぞれの館へと帰っていった。





***





あれからありったけの気合と根性で薬湯を食べ切っ・・・飲み切った私は少しだけ息苦しいのも楽になってちびちびと小さなマグカップに入れてもらったミルクを飲んでいた。





リーフさんとイフさんは入り口の方で何か言い争ってるようだけど、いったいどうしたのかな?


15分くらい経ったくらいでリーフさんだけ戻ってきたけどイフさんはどこに行ったんだろう。





リーフさんは両手で持っていた私のマグカップの中を確認して、あんまり減ってないのを見ると隣のお部屋に行って、すぐに何かを持って戻ってきた。




私の隣りに腰を降ろしたリーフさんは一度私のマグカップをすくい上げて、持っていた琥珀(こはく)色の液体を入れてスプーンで数回かき混ぜると私の手にまたマグカップを持たせてくれる。





「はい。飲んでみてください。とても美味しいですよ。」





笑顔で私に言ってくれたリーフさんは、マグカップを長いすらりとした指でつつくと『ほら、冷めますよ?』とふわりと微笑んだ。





クンクンと鼻を近づけて嗅ぐと、ほわりと甘くていい匂いがする。


蜂蜜みたいだけどお花の香りがして、とっても嬉しくなった。


ペロリと舌を出して舐めてみたらほんのりとした甘味が口の中でひろがって思わず私は目を輝かせてリーフさんを見てしまう。





「あみゃい・・・。」


「ふふ。美味しいでしょう?花の蜜を集める虫がいましてね。ああ、虫と言ってもその中に入っているわけじゃないんですよ。」





リーフさんは慌てて訂正しながらも続きを話してくれる。





「その虫がいろんな花の蜜を巣に持ち帰りその巣に蜜を溜め込むのですが、今、聖域が留まっている宇宙の中の星のある一定の地域にしか咲かない花から集められたという、とても希少な珍しい蜜なんですよ。」


「たいしぇちゅ?ゆき、にょんでいいにょ?」





とても珍しい貴重なものらしいから心配になって聞いてみたら、リーフさんはゆっくりと頷いてくれた。


サラリと銀色の絹糸のような髪が肩から滑り落ちる。


私の白に近い銀色の髪とは違ってリーフさんは水色に近い銀色だった。





「かまいません。王立研究院でのその地域での調査は終わりましたから、これはその時採れたサンプルの1つですから。」


「んにゅ。ありあと。りぃ・・ふ、しゃま?」


「っっ!」





ありがとうした後、リーフさんをどう呼べばいいのかわからなくて、リーフ様と言ったつもりだったけど、うまく呼ぶことができなかった。



リーフさんは、かまいませんよーって言ってた時の笑顔のまま、ピシリと固まってしまって動かなくなっちゃった・・・。





「にゅ・・・?」


「ユユユユユキっ。リーフでかまいませんっ。ですから・・・その・・・。もう一度呼んでもらえませんか?」





固まっていたと思ったら突然動き出したリーフさんに驚いてぱちぱちと瞬きしてしまったけど、さんとか様とかいらないのかな?




「りぃふ・・・?」


「っっっっ!!」





ガバっっ!!




「にゃっ!?」





突然リーフさんにがばっと抱きしめられて、きゅうきゅうとされちゃったけど・・・・。




にゃんにゃにょぉーっっ!?






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