入学式(前)
更新サボってごめんちゃい
ここが学校か…
東京有数の進学校というだけあってとてもでかくて人も多い。
先ほどの女の子がハンカチを落としていったから渡したいのだが、この人混みの中彼女を探すのは骨が折れるだろう。
そして俺は彼女に会えないまま教師の誘導に沿って入学式の行われる講堂、もとい体育館に向かう。
クラスごとにパイプ椅子に座らされ、入学式が始まる。
「えー、私は校長の清水浩之でございます。えー、本校の教育理念は–−」
校長の話長〜
そんなことを思いながらぼーっとしていたのだが、
「えー、あぁっ!もう話し辛ぇなぁ!」
その瞬間講堂の雰囲気が固まる。
「校長!入学式なので!我慢してください!」
「ウルセェ!話辛いんだよッ!」
なんだろう。元気な校長だな。
「お前ら!この学校は勉強も重要だが、自由を重んじている!全力で楽しめッ!あ、学生なんだから恋人ができたからって青春しすぎるなよ?」
「校長!なんて事言ってるんですか⁈」
そういって校長がニヤリと笑い壇上を降りると割れんばかりの拍手で溢れる。
「おほんっ、次は新入生代表の挨拶です。」
そう言って司会が進行させる。
代表として上がる人が見える。
あれは!
◇◇◇
校長先生の話が終わり、私が挨拶を行う番になる。
大丈夫、ちゃんと練習してきたから。
そして私は壇上に登る。
皆からの感嘆の声が上がる。
彼に選ばれたくて、磨き続けた自慢の容姿だ。素材をよく産んでくれた両親には感謝しなければ。
そして私は挨拶を始める。
「私がこの学校を目指した理由は学力や自由な校風もありますが、1番の理由は人間関係を築きやすいからです。私は幼少期にとても親しかった友人がいましたが、その方の両親の事情で別れることになってしまったため、ここではきれない友人関係を築きたいです。」
そう言って彼の方を見る。
彼と目が合う。
顔が緩む。
急いで顔を引き締め、挨拶を続けるーー
挨拶は終わり拍手が送られる。
私は彼に向かって手を振るった。驚いた顔をしている。
驚いた顔も愛おしく思えた。
◇◇◇
彼女の挨拶が終わったのだが、なんだ?
手を振られた?
周りの男子たちが俺が手を振られたんだと騒いでいる。
俺なわけないよな。あんな子に手を振られる理由がないのだから。
俺は自惚れを吹き飛ばすように頭を振る。
そのまま入学式は進んで行った。
入学式は終わり、振り分けられたクラスへ向かう時間となった。
俺と彼女は奇遇なことに同じ4組。3列程度に並んでクラスに向かう。人混みがすごくハンカチを渡す余裕はない。
せめてすぐに渡せるようにと近くに並ぶ。
列は順調に進み、階段に差し掛かる。
「アッ」
彼女は人に押されたのだろうか、足を踏み外した。
このままでは転んでしまうと彼女の手を取る。
「あ、ありがとう」
そういうと顔を真っ赤にして走って行ってしまった。
ハンカチ渡せなかった…
◇◇◇
私はまたも走っている。
頭の中は彼に手を取られた嬉しさでいっぱいだ。
他の人をかき分けるように教室にたどり着く。
私たちのクラスは1年D組。
ちなみにクラスはAからG組まである。
7組もある中で彼とおなじクラスになれるなんて運命じゃないだろうか。
すると彼も教室に入ってきた。
「あ、君!」
彼から話しかけてきた!
「はい?どうしました?」
「いや、家の前でハンカチ落としてましたよ」
そういえば朝思わず彼から走って逃げてしまったんだ。
「ありがとうございます!」
「じゃ」
え?これだけ?
数年越しに会う幼馴染に言う言葉がそれだけなのだろうか?
そこで私は一つの可能性に気づく。
覚えていないのでは…?
…やばい悲しい。泣きそうです。
いや、佳輝くんはそんな人じゃない!
覚えてるに決まってる!たぶん…
そんな淡い願望を持ちながら彼を見つめた。
◇◇◇
なんなんだ?
ハンカチを渡した後すごい期待のこもった目で見てきたんだけど。
会話切り上げたらすごいしょんぼりした顔してたし。
すると先生が入ってきた。
「私がD組の担任の風間だ!私みたいな大人は君たちの青春に口を出す権利はないと考えている!よって皆は今から好きにしていいぞ。」
何言ってんだ?
わかったぞ!HRがめんどくさいだけだな!
「自由時間にするから近くのやつとでも話して仲を深めておくんだな。」
そう言って教室を出て行ってしまった。
ちなみに俺と彼女ーー暁綾音というらしいーーは隣で1番後ろの窓側の席である。
この席授業中内職してもバレないし、しかも美少女の隣、さらに窓から外も見えるときた。
神席では?
そんなことを考えていると隣の席に人が集まる。
「ねぇねぇ、入学式で親しかった友人って言ってる時めっちゃ顔赤かったけど恋人!?好きな人?」
「ぶふっ!ちっちが…」
しかし違うと言い切らずそのまま黙ってしまう…
そういえば俺も昔好きだったけど親の転勤で会えなくなった女子がいたような…そこまで思い出せるのだがそれ以上思い出そうとすると頭痛がしてくる。
そう俺が考えてる間にも隣の彼女は質問攻めにされてる。
内容は使ってる美容液とか香水とか、バストアップがどうとか…は?
「みんな、綾音さんが困っているだろう。よしてやったらどうだ。」
まさかのイケメン登場。こういう時役に立つよな。
でも名前がわからん。
「ありがとう。えっと…」
「松永泰太郎だ、名前呼びにしてくれ。ところで放課後空いていないかい?新しくオープンしたカフェに行きたいんだが。」
「?」
前言撤回。こいつも同類だった。
あまりヘイトを買いたくないんだが…
「暁さん。さっき先生が入学式の挨拶についてのことがあるからって呼んでたぞ。」
「!、ありがとう」
そう言って俺は彼女を教室から連れ出す。
後ろの恨みのこもった視線は無視だ無視。
そして人気のない旧校舎に向かう
「改めてありがとう。佳輝くん。」
なんで名前知ってるんだ?話したこともないはずだが。
「まぁ気にすんな。」
「優しいところは相変わらずだね。」
「相変わらず?」
「気にしないで」
なんか昔から俺を知ってるみたいな言い方だな。
「佳輝くんは覚えてる?」
「?、朝のことか?」
「っ、そう。ありがとうね。じゃあ教室に戻るね。」
そう言って彼女は教室に戻ってしまった。
とても悲しそうな顔をしていた気がする。
そんな考えを振り払い、俺も教室に戻ることにした。
◇◇◇
やっぱり、覚えてなかった…
昔した結婚の約束を信じて頑張ってきたのに…
私の心の支えがすでに無いものであったことに悲しみが抑えられない。
しかし、こんなことで私は諦めないのだ!
物語が終わっちゃう…じゃなくて、もう一度惚れ直させればいいだけなんだから。
私の中で方針が固まる。
私はこの高校生活で彼の彼女になり、あわよくば彼に思い出してもらうんだ!
そう決意した私は教室に向かった。
⭐︎をくれ…
筆者は中間中にも関わらず超かぐや姫を見ました。
ガチで泣きかけた…




