第2話 家族
この物語はフィクションです。
登場する人物、団体、名称は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。
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第2話 家族
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毎日飽きもせずに《魔力操作》していたら、いつの間にか酔わなくなった。
本当ならここで結界魔法を使いたいところなのだが、使えないのだ。
魔法は13歳にならないと、使えないロックがかかっている。
これは俺だけじゃなく、この世界の全ての人に言えることなので不公平とかはない。
魔法にかんしては、アドバンテージもない。
と言うなかれ。
アドバンテージはしっかりある。
俺が行っていた《魔力操作》だ。
13歳時点で、《魔力操作》があることが決定しているのはアドバンテージと言える。
しかも、魔法と違ってスキルは13歳にならなくても使えるものだ。
そして、この《魔力操作》にはレベルがある。
そのレベルを上げておけば、13歳時点でスタートダッシュができるという寸法である。
そんな俺は現在3歳。
この年齢になると、《身体強化》の訓練もできる。
軽く腕立て伏せ・腹筋・懸垂・スクワット。
誰もいない時に、こっそりやる背徳感がいい。
さて、ここで俺の今の家族を紹介しておこう。
祖母のナーシャ(63歳)、家事手伝い。
父のボロン(42歳)、料理人。
母のシャミル(40歳)、食堂経営・給仕係。
長女のミルム(18歳)、隣町の宿屋の息子に嫁ぐ。
長男のクルサ(17歳)、食堂で料理人見習い。
次女のラルー(12歳)、食堂の手伝い。
次男のタンカ(9歳)。
三女のプライ(6歳)。
そして三男の俺ことエフィス(3歳)。
家のことは祖母のナーシャがしている。
そして、我が家は食堂を経営しているのだけど、経営者は母のシャミル。
父のボロンは、職人気質なので経営者には向かない。それが分かっており、母に経営を任せているのだから立派なものだ。
まあ、一番いいのはちゃんと経営を覚えることなんだけどね。
長女のミルムは、去年隣町の宿屋の息子に嫁いでいった。
長男のクルサは料理人見習いとして、父親の下で働いている。
次女のラルーは母の下で給仕を手伝っている。
来年はラルーも魔法属性を授かるから、もしかしたら他の道に進むかもしれない。
次男のタンカと三女のプライ、そして俺は家で祖母の管理下にある。
ただ、店が忙しい時は祖母も店に出ることもある。そんな時は年少組3人で遊んでいる。
今日も早めの昼食を済ませると、祖母は店の手伝いにいった。
窓の外を見ているランカの黒色の尻尾が揺れる。プライも外に出たくて尻尾が揺れている。
そう、この家族には尻尾があるのだ。
所謂、獣人と言われる種族だ。
俺と長女のミルムは母の猫族、他の子供は父の犬族の特徴を受け継いだ。
猫族は瞬発力に優れ、尻尾は細長くしなやかな傾向にある。
犬族は耐久性に優れ、力が強い傾向にある。尻尾はフサフサ系だ。
何事にも例外はあるが、概ねこんな感じかな。
俺は黒猫系。
そして、俺だけ猫の部分が多い。
これは先祖返りと言われる現象で、獣人が10人いれば2、3人は先祖返りなんだとか。
だから、それほど珍しい現象ではない。
獣の特徴が大体7割くらいあると、先祖返りと言われるらしい。
俺の容姿はほぼ猫。
2足歩行する黒猫。
長靴は履いてないが、歩いている。
「おい、エフィス。俺は遊びにいってくるからな」
「はーい」
「エフィス。あたしも遊びにいってくるね」
「はーい」
タンカとプライが遊びにいってしまった。
3歳児を残して遊びにいくのはどうかと思う。転生者じゃなければ、事故案件だ。
だが、9歳と6歳なんてこんなものだろう。俺もその年齢の頃は、弟の面倒なんて見ていなかった。
まあ、俺には弟も妹もいなかったのだけど。
その日の夕方、俺を置いて遊びにいった2人は祖母に叱られていた。
◆◇◇◇◆◇◇◇◆
さて、俺は4歳になった。
つまり、次女のラルーが13歳になったということ。
両親の開店準備が忙しいので、祖母がラルーにつきそって教会にやってきた。
祖母がいるということは、俺たち年少組3人衆もいるわけだ。
13歳になったら教会にいき、そこで『授けの儀』が行われ魔法属性を授かる。
ラルーが祭壇の前で祈ると、光が降りてきた。
なかなかの演出だ。
あの女神様、こういう派手なことが好きそうだったものな。
「ラルーの属性は風と氷。魔力は280。精進しなさい」
「ありがとうございます。神父様」
魔力が280ポイントってことは、なかなかいいんじゃないか。
魔力が200ポイント以上あれば、そこそこ魔法が使えると女神様は言っていたから、悪くはない。
少なくとも、雑魚判定はされないわけだ。
それに2属性あり、1つは上位属性の氷だ。
戦闘系の職に就くかは分からないが、氷なら料理にも使える。潰しが効く属性だ。
「ラルー、よかったね」
「うん!」
祖母に頭を撫でられ、ご満悦なラルー。
それを羨ましげに見つめるタンカとプライ。
家に帰って両親に結果報告。
2人は喜んでいた。
「15歳の成人までに、何がしたいか考えておくんだぞ」
この世界は15歳で成人になる。
ラルーはあと2年で独立する目途をつけないといけない。
家に残って店の手伝いをするでもいい。外に出て何かをするでもいい。
ラルーの自由だ。
ご愛読ありがとうございます。
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