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王都侯爵邸

王都侯爵邸


「お帰りなさいませお母様!」


階段を急いで降りながら帰ってきた母親に駆け寄ってくる、金色の長い髪、華奢な体系の華やかな美少女といった感じの少女。


「走るなんてはしたないですよ」

「ごめんなさい」

「ただいまグリメルダ」


玄関ホールの所で娘グリメルダの出迎えを受け、二人は応接間に移動する。


「お母様、どうでした?」

「お茶の用意を。グリメルダ落ち着きなさい。後、一息つかせて頂戴」


返ってきたばかりで疲れているのに、グリメルダのが落ち着きがなく急かすので落ち着くよう言い、侍女にお茶の用意をするよう言うと椅子に腰かけ、グリメルダにも座るよう促すと母親の言うとおり座る。


「お茶を飲んできたのにまたお茶ですか?」

「それとこれは別ですよ」


運ばれてきたお茶を一口飲み落ち着く。


「あなたの知りたいことは特になかったわ。王太子妃は居なかったし」

「そうですの・・・」

「でも、どうやらこの国の人間ではないという噂は真実のようね」

「やっぱりそうですのね」


侯爵夫人の言葉にグリメルダが納得した様に小さくつぶやいた。


「お顔を見られるのはもう少し先になりそうね」

「お母様、まだ王太子妃決定とはされていないのはこの国の人間ではないのが関係しているのですか?」

「それは関係ないのではないかしら。きちんと儀式で選ばれたのですもの」

「ですが、正式発表もまだなんて遅すぎますわ」

「そういわれればそうだけれど・・・」

「そうですわ。国の人間でない事に誰かが反対をしているのですわ!もしかしたら殿下自身がお嫌なのではないかしら!?」

「そんなことはないでしょう。グリメルダ、あなたはまだアールヴ殿下の事を諦めてないの?もう、決定したも同然なのですよ」

「まだ、正式に発表はれてはいませんわ?」

「それより、この侯爵家を継ぐのはあなたなのよ。それなりの相手を見つけないと、縁談も沢山来ているし、皆さんとてもいいお相手ばかりよ」


婦人が侍女に目配せすると、侍女が見合い話しが来ている自画像と経歴が書かれた束をテーブルの上に置く。


「とりあえず、目を通すだけでもしてみては?」

「お母様、王太子妃が決定するまではお見合いはしないとお伝えしたはずです」

「けれど・・・」

「まだ、発表されていませんわ!」


侯爵婦人が言いかけるとそれを遮るようにグリメルダが立ち上がり大声で怒った口調で言うと、そのまま自分の部屋へ戻ってしまった。


「グリメルダが機嫌が悪いようだったがどうかしたのかね?」


部屋に入ってきた男性はこの家の当主、グリメルダの父親だ。


「お帰りなさいませ。お出迎えもできず」


婦人は立ち上がると、侯爵に軽く会釈する。


「それは構わんが、グリメルダは私に挨拶も無かったが」


玄関ホールですれ違ったのにも関わらず気づいていないように挨拶どころか振り向く事もなく階段を上って行かれ、怒るより何があったのかという心配をする侯爵。


「まっ、あの子はお父様に挨拶もしないなんて、後できちんと言っておきますわ。どうやら、アールヴ殿下の事が諦められないようです」

「だが、王太子妃様はすでに決まってしまっただろう」

「そうなのですが、まだ正式な発表がされてないので」

「この状態で何かが変わることはないだろう」

「そう思います。けれど、本人がまだと、家を継ぐのですからお相手を決めるのも早い方がいいと思うのですけれど・・・」

「そうだな、もう18だしな。まぁ、正式に王太子妃決定すれば落ち着くだろう」


グリメルダの部屋。


「あの女だわ、間違いないわ・・・なんであんな女が選ばれて私じゃないの!私が王太子妃になるはずだったのに!!・・・これから先ずっとあんな女に頭を下げなければならないなんて・・・あんな女よりワタクシの方が劣っているというの!!!」


イライラし、ブツブツとつぶやきながら部屋の中を歩き回る。

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