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普通の高校生の、特別な日常  作者: しゃー
3章 2学期編
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93/105

93.彩葉との電話

俺は家に帰り、学校の復習をしていた。

今日のは少し難しかった。


普段あまり家で勉強しない俺でも、教科書を開いた。


勉強をする時はイヤホンをつけ、環境音や音楽を聞いている。

集中できるし、外の音を遮断できる。



俺は、今日の授業内容を頭に思い浮かべ、タブレットに補足していく。


「なんだっけな…」


「なんだっけじゃないよ!」


「うぉおお!!!」


隣に葵が立っていて、死ぬほどびっくりした。

俺はイヤホンを外し、怒る。


「勝手に入ってくるなよ!」


妹はそれを聞いて、俺より怒る。


「いや!ノックしたし!入っていいか聞いたよ?」


イヤホンから軽快な音楽が漏れている。

全く聞こえなかったな…。


「いや…悪い。イヤホンしてたわ」


俺は謝る。

いや、返事なかったら入ってくるなよ、とは思ったけど。


「柳さんから連絡きてたよ。相馬返事ない!って」


「え?彩葉?」


俺はスマホを確認すると、柳から膨大な量のメッセージが来てた。


「うわぁ、すごい量だ」


「まぁ、私は伝えたからね」


葵は呆れながら、部屋を出て行った。


内容を全部確認するのはめんどうなので、スクロールして見ると、今やってるブルドラ対ファルコンズ戦の試合を見てるらしい。


俺は面倒なので彩葉に電話をかける。


『あ!!やっと気づいた!野球面白い展開だよ!』


「悪い、気づかなかった。見てんのか?」


『うん!相馬も見てよ』


と言われ、俺は一階に降りていく。


テレビでは妹が歌番組を見ながら、スマホを触っていた。

けれど、我が家では兄の方が強い。


俺はリモコンを手にして、野球の番組に変える。


状況は7回で4-2。ブルードラゴンズ2点リードしてる。

しかし、ファルコンズの攻撃で満塁。

大ピンチだった。


『見てる?すごいっしょ?』


「これやべーじゃん…」


ピッチャーが投球動作に入る。

あ、そのコースやばいぞ多分…。

俺は心の中でそう思った。


バッターがバットを振り抜き、球は外野を超え…。


『やった!!ホームランだ!!優貴いぇーい!』


電話の向こうではハイタッチして喜んでいる、柳姉弟。


「いや、まじかよ…」


俺はテレビを歌番組に戻し、妹に片手で「ありがと」とジェスチャー付きで謝っておいた。



俺はそのまま部屋に戻った。


「負けだよ、この流れは」


『最後までわかんないじゃん』


俺はそれを彩葉に言われる日が来ると思ってなかった。


「はは、そうだな」


俺は笑いながら自室の椅子に座る。


電話の奥から、彩葉の母親の声が聞こえてきた。


『彩葉、そろそろお風呂ねー?』と言われていた。


『はーい』


彩葉はそのまま電話を切らず、自室に向かったみたいだ。



『面白かったね!』


「あぁ、俺は面白くはなかったけどな?」


彩葉は楽しそうに笑ってた。


『そういえば何してたの?』


「俺は今日の復習してた。授業難しかったろ」


『うわ、真面目じゃん』


「楽しい話しよ」と言われたので。



俺は目下進めている事について話をした。


「文化祭そろそろ、準備始まるぞ」


『まじ!そういうのそういうの』


彩葉は待ってました。と言わんばかりの食いつきようだった。


「今、枠組みは決まって、先生に確認してもらってる所かな」


『どんな感じかなぁ文化祭って…』


「楽しみだよな」


『わかる!なんか高校生って感じするし』


「体育祭は、中学でもやるからな」


中学では文化祭というより、合唱祭だったりする。

高校の文化祭は、なんとなく『高校生らしいイベント』という感じがする。


『何しようかなぁ!タピオカ屋?クレープ屋?というか、飲食ってやれるの?』


「やる方向で動いている所です」


『やるじゃん!生徒会に君を送り込んだ甲斐があったぜ』


いや、彩葉に送り込まれてないけどな。


「まぁ、頑張ろうな」


『うん!頑張る!』


そんなやりとりをしていると、遠くから彩葉を呼ぶ声が聞こえてきた。


『やば!お風呂忘れてた!』


「行ってこい」


『またね!』


俺は通話を切ろうとした時。


『想像したらだめだからねー!!お風呂!』


と聞こえてきたけど、そのまま通話を切る事にした。


「…なにも聞こえなかったことにしよう」


俺は勉強に戻る事にした。


文化祭が始まろうとしている。

まだ、生徒会の中だけだが。

準備に追われる日々がくるのだろう。


俺は先のことより、目の前の課題に集中する事にした。

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