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普通の高校生の、特別な日常  作者: しゃー
3章 2学期編
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84.新しい輪の中

俺は昼休み、芦屋と食堂に来ている。

お盆を手にし、順番待ちをしていた。


「月城はいいよなー、玲奈さんとバイトできて」


「芦屋はバイト誘われなかったのか?」


芦屋は悲しそうに、あぁー…と声を洩らしていた。


「部活に入ってるやつは論外なんだってさ」


確かに…練習や試合で、ろくに来る事ができないだろうしな。


「さすがに部活優先だよな…。2年になったら、もっと忙しそうだし」


「まぁな。いや相馬、そういうのが言いたいんじゃねぇ」


芦屋はにっこりしながら俺を見た。


「俺、玲奈さんみたいな人好きなんだよな」


おぉ…さらっと言った。


「口ぶりから察してはいたけど…恋愛的な好きか?」


「いや、わかんねぇけど。あんな感じの人が好きなのさ俺は」


「なるほど、お前男だな」


芦屋はそうだろ?と言いながら、カレーうどんを貰っていた。


俺は焼きそばを手に取り、席を探す。

まばらに空いているが、今日は憂華達は来てないみたいだな。


「お、あそこ、水野達いるじゃん」


隣の席になってまだ数日の水野さんとは、まだ全然仲良くなってないし、芦屋がいないと話す機会もない。


「水野、隣いいか」


「いいけど、静かにしててね」


「そりゃないぜ。今から恨み言を言うから聞いててくれよ」


といい、強引に水野さんの隣に座っていた。

俺は一緒に食べていた豊崎さんの隣に座る。


「失礼するね」


「あ、うん。どぞ」


豊崎さんは麻婆豆腐定食を食べていた。


「辛いの好きなの?」


「うん。月城くんは、焼きそば好きなんだね」


俺の焼きそばパンを覚えていたらしい。


「まぁね」


そんなやりとりをしていると、正面の芦屋が場を制する。


「俺は玲奈さんみたいな人と一緒にバイトしたいんだ。だけど、選ばれたのは月城なんだ。わかるか?水野」


「玲奈さんって人は見る目あるじゃん。私でも芦屋より月城くん選ぶよ」


「なんでだよ!」


芦屋はカレーうどんを食べるのを停止する。


「ロイポって真面目なファミレスって感じするし、真面目そうなのは月城くんの方でしょ」


そう言われても、芦屋は納得してないみたいだ。


「豊崎はどう思うんだ?」


芦屋に聞かれて、豊崎さんは一瞬困った顔をした。

俺の方を一瞬チラッと見て、答える。


「私なら芦屋くん…かな…」


「…豊崎は見る目があるなぁ」


そんなやりとりを繰り広げていた。


「いや、ただ単に人手不足の中で、部活してない俺に目をつけただけだと思うけどな」


俺は一応反論しておく。



それからは別の話に移行し、みんなで普通にご飯を食べた。

1つ、気になる事があるとすれば、豊崎さんの視線。

芦屋をよく見ている気がする。

そのくらいだった。


俺は食べ終わり、先に戻ることにした。


「ご馳走様でした」


水野さんも同様に立ち上がりお盆を持って俺の隣に来た。


「月城くん聞いていい?」


「なんでもどうぞ」


「玲奈さんって誰」


かなり語気が強い。怒っているとまではいかないが不機嫌な感じで俺に聞いてきた。


「玲奈さんは俺と芦屋が海の家でバイトしてた時に会った、大学2年の先輩」


「大学2年か…」


水野さんは呟いたあと、上を向いた。


「その人は彼氏とかいないの?」


「いや、そこまではわかんないな。俺も2回会っただけだし」


「そっか…」


水野さんはそのまま返却口から、俺と一緒に隣を歩く。


「…この後、時間ある?」


「いいけど…」



俺は水野さんについていき、渡り廊下の自販機に来た。


俺は水野さんが話すのを待つ。


「豊崎さん、芦屋くんのこと好きなんだよね」


視線や態度からなんとなく思ってはいた。

まさか、好きとまでは分からなかったが。


「あんなの、どこがいいのかさっぱりわかんないけど、でもそうらしい」


「待ってくれ、この話、俺が聞いていいのか?」


豊崎さんに許可は必要ないのか?という確認をする。


水野さんは目を細め、話を続ける。


「気づいてたでしょ?」


恋愛的かどうかは置いておいても、芦屋のことをかなり見てたからな。

好意を寄せているとは思っていたけど。


「まぁな」


「協力してとは言わないけど、芦屋が玲奈さん!玲奈さんってなってて、豊崎が傷つくのは見たくないから黙らせてあいつ」


「それ協力じゃん…」


「…何か方法ないの?というか、そもそもその人彼氏いるんじゃないの?」


「聞いてみて」と言われ、俺は渋々スマホを開く。


『玲奈さん。聞きたいことあって…』


『彼氏っていますか?』


送信。

いや、この文章だと俺が気にしてるみたいになってしまってないか?


既読。

『今はいないよー』


「いないらしいぞ」


「そっか…でも、やっぱり大学2年は強敵だ」


「芦屋は恋愛的に好きってわけじゃないと思うけど」


「……まぁ様子見かな」


その後2人で教室に戻った。


俺の手の中でスマホが震え、確認する。


『なに?なる?なりたい? 彼氏募集中』


というメッセージを見て、俺はそっと画面を閉じた。

なんで返そうな…。

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