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普通の高校生の、特別な日常  作者: しゃー
3章 2学期編
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83/105

83.文化祭方針と課題

授業終了後、俺と憂華は生徒会室へ向かう。


「失礼します」


俺が入り、憂華が入る。


俺は佐藤先輩の隣に座り、鞄を置く。

先輩は、俺の鞄についている猫のキーホルダーを一瞬見て、俺の方に向く。


「お疲れ様です先輩」


「お疲れ様月城くん」


橘会長が全員揃った所で話を始める。


「今日は文化祭についてだが、先に資料を配る」


俺は配られた資料を見る。


『文化祭(仮)草案』


と記載されたものに、今年の文化祭の日程や、概要が書かれている。


「開催時期はまだ先、10月下旬だ。10月上旬から準備開始となるが、我々生徒会は、ある程度先に動く必要がある」


会長は説明と同時に、前回文化祭の課題点が書かれた紙を配布する。


俺は目を通す。


課題点はこうだ。


『奥まった教室、特別棟には人の入りが悪い。不公平を感じる』


『食べ物や飲み物系が少なく、展示やアトラクションメインが似たり寄ったり』


『自由度が低い、すぐに却下されるのでやりたいことができない』


「月城くん、君は課題点についてどう思う」


橘会長に聞かれ、俺は感じた事を話す。


「難しい問題ですね。一朝一夕でどうにかなる問題じゃない気がします。リスクが大きくてやらせられない事とやりたい事のバランス。人の動線についてはなんとかなりそうですけど…」


「そうだね、私も同意見だ」


会長は紙を置いて、全体に話す。


「去年の生徒会はどちらかといえば、規律。という雰囲気だったが、今年は自由にやってもらいたい」


会長は続ける。


「しかし、安全を考慮するとやれる事が少なくなる。これについて、自分なりに考えてみてほしい」


どうすればある程度自由が許されるか、どのくらいの範囲やってもいいのか。

その答えを出せる人は、俺を含めても少ないだろう。


「まぁ、私も悩んでいる所だ。だから、」


会長はさらに続け、


「隣町の第一高校にお願いし、文化祭を見学する事になった。時期は9月下旬開催だ」


「この問題解決の糸口が、そこにあるかはわからないが、みんな頼めるだろうか」


俺は自分なら、どんな事をするだろうか考える。

今の所思いつく解決策はない。

そもそも答えがあるのだろうか。


俺は悩みながら頷く事になった。



生徒会室を出ると、吹奏楽の音が聞こえる。


今まで意識してなかったけど、意識して聴いてみると、結構上手い。

いや、上手いなんて評価する事はできないが、学校を彩る音色なのは間違いなかった。


俺は生徒会室から出てきた佐藤先輩に、声をかける。


「さっきの話どう思いますか?」


「問題点の話?」


「はい」


「難しい問題だよね。とりあえず第一高校見てから考えてもいいと思うよ。去年向こうは結構やってたみたいだし」


「わかりました、そうしましょうか」


俺は佐藤先輩の意見を聞き、帰路に着く。


「…待って」


「はい…?」


俺は、佐藤先輩の方を振り向く。


「1人で抱え込まないで」


「いや、まだ何も…」


「そんな気がしただけ」


俺は考えを走らせていただけだが、そう見えたらしい。

佐藤先輩なりの優しさを受け取る。


「俺には佐藤先輩がついてますから、大丈夫ですよ」


佐藤先輩は少し驚いた表情をした。


「…それ本人に言う事じゃないじゃん」


俺達は笑い合い、今度こそ帰る事にした。

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