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普通の高校生の、特別な日常  作者: しゃー
3章 2学期編
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80/105

80.日常の再開

俺はあくびを噛み殺しながら、授業を受けた。

やばい、すごい眠い。

別に、昨日夜更かししていたわけじゃない。


鈍っている。そんな感覚だ。



やっとの思いで昼休みになった。

俺はお昼ご飯に、久しぶりの焼きそばパンを食べる。


夕たちは食堂に向かったらしく、今は教室にいない。


夏休み、積もる話でもあるのだろう。


俺は食べ終わり、静かな場所を探しに立ち上がる。

本を読んだら眠くなってしまうだろうか。


図書室に行く事にした。

俺はゴミ箱に焼きそばパンの包みを捨て、教室を出た。



図書室には誰もおらず、静かだった。

ただ、椅子に座っているだけなのも変なので、俺は1冊、適当な本を持ってきて読む。


内容は宇宙とロボットの小説。


惑星探査で取り残されたロボットが生活する話。

ロボットは惑星から、燃料を採掘したり、謎の生物との出会いが書かれておりなかなか面白そうだった。


しかし、俺は眠気を抑えきれず途中で目を閉じる。


ーー。


「スー、スー」


図書室に寝息だけが存在する。

そんな感じで眠りに落ちた。




「ーーて」


ん?なんだ。


「ーきて」


声がする。


「起きて、月城くん」


俺は目を開ける。

目の前に常盤さんがいて驚く。


「ごめん、俺寝てたか」


時間を確認すると、5限の予鈴が鳴る少し前だった。


「そろそろ起きないと、と思って声かけたけど」


「ありがとう助かるよ」


俺は途中まで読んだ小説を本棚に戻し、教室へ戻ろうとする。


「ん?常盤さんも図書室にいたの?」


「私が来た時には月城くん寝てたから…。起こさないように遠くで本読んでた」


寝顔を見られたかもしれないし、寝息も聞かれたかもしれないな。


「……変な事言ったりしてなかったか?」


常盤さんは少しだけ笑い。


「ママって言ってたよ」


「嘘!?」


「……嘘」


「いや、嘘かよ」


常盤さんって冗談言うのか。

俺は再度、感謝を伝え、図書室を出る。


少し寝れたのは大きいかもしれない。



俺は教室にそそくさと戻った。

仮眠のおかげか、いつもより授業に集中できたかもしれない。


常盤さんに見られていたのは大きな誤算だったが。


ふと、俺は考える。

なんで、図書室に常盤さんがいたんだ?

いつも来ているのか、俺と同じでたまたまいたのか。

まぁ、理由は今度聞けばいいか。


俺は予鈴の音を聞き、机の上に教科書を出した。



授業が終わり、俺は荷物をまとめる。


「相馬くん、また明日」


「おう、またな」


俺は夕、そして憂華や、彩葉に挨拶する。


明日も、この教室に来る。

それを実感し、俺は帰路に着いた。




家についた俺は、自室でゴロゴロしている。

まだ、ご飯もお風呂も済んでいないが、そういう日があってもいい。


ブー。とスマホの通知音が鳴り、俺は確認する。


「玲奈さんからだ」


夏休み、海の家で出会った佐伯玲奈さん。

あのバイト終わりに『ありがとねー』というLINEは来たが、それ以降は何も無かった。


『バイト考えてくれた?』


海の家でバイトの事を聞かれていた。

俺は確かにバイトをしたい。

遊ぶお金が増えるのはメリットだしな。


だけど、俺は悩んでいた。

勉強、生徒会、そして葵の事。

俺がバイトで遅くなれば、葵が1人になる時間が多くなる。


学業と両立ができるか、葵を不安にさせないかを考えていたのだ。


「まぁ、こういう時は聞いてみるか」


俺は部屋を出て、階段を降りていく。

リビングに葵の姿を見つけ、声をかける。


「葵」


「何?」


素っ気ない返事だが、俺の話を聞いている。


「俺バイトしようと思うんだけど大丈夫か?」


「ん?大丈夫かって何が?」


葵はスマホを触っていたが、操作を中断し、こちらを見る。


「俺平日、帰り遅くなるかもだけど」


葵は興味なさそうに答える。


「別に、私あんまり困らないけど?」


不安だ。とか、寂しいとか無いのか。


「で、どんなバイトするの?」


「ファミレス」


玲奈さんが働いてるのは、俺達の学校最寄駅から歩いていける店舗だ。

駅前近く、というほどではないが、歩いていける圏内だ。


「キッチンかホールかは分かんないけど、人いないらしい」


「へぇ、いいんじゃない?」


「そうか…」


あっさり了承を貰ってしまった。

俺はそのままリビングのソファに座り、玲奈さんに連絡を入れる。


『バイトやってみたいです。まず面接からですよね?』


俺はその1文を送り、詳細を確認した。

履歴書と親の印鑑。


そして、面接の日時を確認してもらうことになった。


2学期から俺は、バイト生活が始まろうとしている。

学業と両立できるだろうかという不安はあるが、無理だったら辞めればいい。


そう思う事にした。

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