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普通の高校生の、特別な日常  作者: しゃー
3章 2学期編
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79/105

79.2学期開始

今日から2学期が始まる。


歩き慣れた道を進む。

もう、スマホの地図アプリを見なくても、当然学校に行ける。


9月に入ったとはいえ、まだ引き続き夏を感じさせる暑さだ。

俺は日陰を選びながら歩いていく。


校門が見えてきた。

入学式の日から通っている門だが、もう見慣れてしまった。

今見ると、そんなに大きいわけじゃないな…。


「おはよ!相馬」


後ろから彩葉が声をかけてきた。


「おはよ、彩葉。朝から元気だな」


「まぁね、というか相馬のテンションが低すぎ!」


そんな事ないはずだ。

休みモードになっていた体を起動させ、なんとか起きられた。

今日…いや、今週くらいは、学校生活に体を慣らすことを最優先にしたい。


2人で、教室まで向かう。

体力が落ちているのか、階段を登るのに少し疲れを感じる。


「おはよ彩葉、相馬くん!」


「おはよー憂華!」


「おはよう」


憂華も朝から元気らしい。

どうやったら休みから切り替えられるか、教えて欲しいくらいだ。


俺は自分の席へと向かい、鞄を置く。

隣の席には、机に伏せていた夕の姿があった。


「うい」


「ういー」


俺は、まだ休みモードの人が隣の席にいる事を安心しながら、席に着く。

夕に声をかけた後は、スマホを取り出して通知やSNSを確認し始める。


ゲームの情報、最新映画の情報。それから、今週の気温なんかを確認する。


そんな事をしていると、予鈴がなり、久しぶりの先生が教室に入ってきた。


「おはようございます。夏休みはどうでしたか?」


先生は特に変わらず、夏休み前と同じようなテンションだ。


「ここから2学期が始まりますが、今日から普通に授業が始まります」


「えー」


「まじかよ」


なんて声が聞こえてくる。


「あと、追々席替えもします」


そう先生が言った後、夕が俺の方を見てきた。

俺も夕を一目見てから、先生に視線を戻した。


「時期は、また連絡しますね。では、2学期も頑張りましょう。よろしくお願いします」


と淡々と説明を終わり、ホームルームは終了した。



「相馬、今までありがとう。私、相馬がいた事忘れないから…」


「いや、そんな重い言い方しないでくれ」


夕はわざとらしく泣き真似をしながら、俺に言ってきた。


彩葉と憂華も俺たちの席に近づいてきた。


「相馬の隣が良いな!勉強分かんない事聞けるし」


「誰だって聞けるだろ…彩葉なら」


「私は、廊下側じゃなければどこでも良いかな…」


憂華は今、廊下側の席だが、何か問題でもあるのだろうか。


「なんでだ?」


「結構色んな人に話しかけられて、困るのよね」


「なんか、羨ましい悩みだなそれ」


俺が通路側でも誰からも話しかけられないだろう。

人徳というのは、時に持て余すものなのかもな。


「相馬は誰の席の隣が良いの?」


夕は俺にストレートな質問をぶつけてきたが。


「ん?俺は…」


平穏がいい。


「静かな人がいいね」


「…」


「…」


「…」


みんなが一斉に黙ったのが面白くて、笑った。


今日から始まる2学期。

スロースターターな俺は、徐々に学校へ戻ってきたという感覚を取り戻していく。


どんな2学期になるのだろうか。

楽しみではある。


ただ、今週くらいは静かに過ごしたい。

……そう思っていた。

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