72.たまには俺が
『相馬!今日時間ある?日用品買っておいて欲しい!あとでお金渡すから』
とLINEが母さんからきた。
俺はリビングでそのLINEを受け取った。
「日用品ってなんだよ」
と呟き、LINEを返す。
『具体的に何買うの?』
少し時間が経ってからリストが送られてきた。
『シャンプー、キッチンペーパー、麦茶ーー』
そんなようなものが羅列されていた。
『あと、好きなアイスとか買っていいからね!頼める?』
『了解、まかせて』
今日妹は友達達と遊びに行っており不在。
俺達は夏休みだが、親というものはそういうわけにいかない。
共働きで大変だと思う。
俺はスマホと財布と家の鍵を持って家を出る。
じっとりとした暑さと蝉の鳴き声。
「暑っつい…」
まかせて、と言ったのを少し後悔したが近くのスーパーに向かうことにした。
スーパーの中は冷房が効いており、俺の暑くなった体は冷やされていく。
スマホを見ながら買い物を始めていくが…。
意外と難しい。
「これ…どっちだっけ…」
似たようなパッケージのシャンプーがある。
親が使っているシャンプーはどっちだったか…。意外と覚えていないことが多い。
キッチンペーパーも何個入りのやつを買っていたかなんて全然知らない。
普段見ていたはずだが、意外と意識しないと分からない事がある。
「まぁ、これでいいか…」
少ないより多い方、普通のより良い方。
そんな感じで俺は買い物を済ませた。
あとはアイスのみだ。
葵の分も買っておこう。
「チョコアイス…と」
俺は会計を済ませ、家に戻る。
アイスが溶ける前に家へ。
俺は少しだけ足を速めながら家に帰る。
俺は家に帰り、まだ葵は帰ってない事を確認。
荷物をリビングに持って行き、アイスは冷凍庫にしまう。
麦茶を取り出し、一杯飲み干す。
「っ、ぷはぁ…」
俺が飲んだことによって麦茶は空になった。
「補充…めんどい」
けど、やらないと。
いつも、母さんや葵がやってくれていることだ。
俺も、今日買ってきた物を、キッチンや洗面台のストック置き場に補充する。
いつか誰かがやってくれる。
それじゃダメなんだ。
トントントン。
と、キッチンから音が聞こえる。
母さんが帰ってきて料理をしているらしい。
「……ん、んん」
俺は買ってきたものを補充した後、リビングのソファで寝てしまったらしい。
薄手の毛布が俺にかかっている。
隣には葵がいた。
「…悪い…寝てた」
妹は特に何も言わず、アイスを食べている。
キッチンを見ると母さんと目が合う。
俺が起きたことに気づいた。
「ごめんね!買い物頼んじゃって」
「ん、全然良いよ」
俺は寝起きすぐに動けるほどじゃないので、まだそのままで毛布に包まる。
すると、妹がボソッと呟いた。
「チョコアイス…ありがと」
「ん…290円ね」
「やば」
それだけの意味のない会話。
「お金、置いておくからね!あと、補充とかしてくれてありがとね」
母さんがキッチンから俺に声をかけてくる。
感謝されるほどじゃないし、いつもみんながやってくれていることをしただけ。
俺はソファに沈み込んだ。




