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普通の高校生の、特別な日常  作者: しゃー
2章 夏休み編
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71.何気ない2人の時間

学校見学会を終え、俺の夏休みの仕事は終えたと言っていいだろう。


残りは海…。


いや、これがビッグイベントである事は間違いない。

むしろ、この為に頑張ってきた。


という事でもないが。楽しいイベントがある事を考えると、嫌な事でも乗り越えられる感じがする。


俺は今日も夕とゲームをする。


「昨日、学校見学会だったんでしょ?」


後輩どんな感じ?と聞かれるが、


「いや、特にわからん」


「わからんって…」


「いや、中学の後輩とかいないしな」


「たしかにね」


俺は愛知から来てるから、後輩も周りの中学の特色みたいなのがさっぱり分からない。


俺は敵を目の前に、詠唱を始める。


「そういえば、海もう少しじゃん。水着とか着るのか?」


「……」


俺は詠唱順番を間違えて自爆した。


「ミスった、もう1回詠唱する」


「……着るよ、楽しみ?」


「ん?楽しみといえば楽しみだけど、俺は荷物番なんだろ?」


「……」


「?」


ゲームに集中してて、なんか話が噛み合ってないか?

と思い俺は、会話を回想した。


『水着着るのか?』


『着るよ、楽しみ?』


『楽しみといえば楽しみ』


いや違う。俺は海自体が楽しみなんだ。

水着が見たくて楽しみな人になってないか!?


「夕!違う、勘違いだと思う。俺が楽しみなのは海だ」


「……そっちか!水着楽しみ発言の変態かと思ったよ」


「あぶな…誤解解けて良かった…」


いやまぁ、正確には誤解ではないんだけど、言うのと心のうちに秘めるのではわけが違う。


「俺、海で遊んだ事ってあんまりなくてさ」


「そうなの?愛知でもあるでしょ」


「いや、男同士で海行かないよ。どっちかっていうと川かも」


「川か、確かに川も楽しそう」


川で遊ぶという話を聞いただけで、俺は川も小学生の時以来行ってないが。


「夕って結構そういう遊び好きなんだな」


「…ってほどじゃないけどね?兄貴がいるからたまに家族でバーベキューとかするんだよね」


「楽しそうじゃん」


夕は、ダンジョンで手に入れた斧を振り回しながら、話す。


「次やる時呼ぼうか?」


「いや、丁重に遠慮しておきます」


「そんな言葉ないでしょ…」


と丁重にお断りした。楠木家に混じって俺1人は心臓が持たん。


「妹ちゃんとかも連れてきてさ、やろうよ」


それはすごくいいかもしれないな。俺は炎で、ピッグマンという豚の敵を焼きながら、答える。


「それはいいかもな、妹もあんまりやったことないだろうし」


「じゃあ呼ぶ!」


と、会心ダメージを叩き出す。夕だった。



俺達は戦いを一段落させ、休憩する。


「今更な事言っていいか?」


「なに?」


「俺泳げないんだよな」


「そうなの?」


夕は、荷物整理をしながら、聞いている。


「まぁ、いいんじゃない?そんながっつり泳がないと思うよ」


「まぁ、そうだよな。沖まで競争だ!とかしないよな普通」


夕笑う。


「やらないやらない。言いそうなのは彩葉だけど、化粧落ちちゃうし」


そこで俺は男女の違いを知る。


「女子って海行く時にも化粧するんだな」


「当たり前でしょ、スッピンで来てたら本気で泳ぐじゃん…ってなるよ」


「そういうもんか…。じゃあカップルが水かけ合ってるみたいなのって……幻想?」


「幻想だね。女子側は顔はマジでやめて?って思ってるよ」


一瞬にして幻想を砕かれた。

「やめてよー」「ほらほらっ」みたいな水のかけ合い。そういうのが海でのイベントの象徴だと思ってた。


「なんか、相馬ってさ」


「ん?」


「女の子慣れてそうで慣れてないよね」


「それは…煽られていますか?」


夕は無邪気な笑いをする。


「うんん…!別に。ただ、慣れてないなーって」


なんだそれ。俺だってこんなの聞けるのは夕ぐらいだぞ…。


俺達は荷物をまとめ、さらなるダンジョンへと繰り出す。


「明後日はコラボカフェだからね?忘れないでね」


「俺も楽しみなんだよ。忘れるかよ」


俺はダンジョン入り口で、夕のことを待つ。


「女の子に慣れてない相馬くんはエスコートしてくれるのでしょうか」


「……やめてくれ」


俺は夕にからかわれながら、一緒にゲームをして話す。


さっきからずっと笑い合っている。

別に特別な話はしていないが、くだらない話で盛り上がれるのは夕の良さなんだろうな。


楽しいな。

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