63.戦士と魔導士
帰宅後、妹の後にシャワーを浴びた。
さっぱり気持ちいい。
俺はTシャツにパンツでリビングに登場。
「いや、パンツで来ないで」
「エアコンつけてても暑いから仕方ないじゃない」
「今日の姿と大違い」
俺は幻滅されてしまったみたいだ…。
それから部屋に戻り、俺はゲーム機の電源をつける。
『楠木、今日やる?』
とLINEを送る。
既読になるまで待ちながら、俺はゲームを起動させ魔導士とはどんな事ができるようになるか見る。
魔導士は炎を使って敵を倒すのがメイン。
もちろん、雷や氷も使えるが強くはないみたいだ。
味方を回復させることもできるが、僧侶よりは回復量は低いらしい。
スキルの説明文を読んでいると、俺の隣に女戦士が立っていた。
あれ?と思い俺はLINE確認する。
『やれるよ』
『ログインした』
『通話する?』
『生きてる?』
『寝た?』
『今誰といるの』
『ねぇ』
と来てた。怖すぎる。
けど、画面を開きっぱなしにしてて気づかなかった俺が悪い。
『通話する』
とだけ返して、VCに参加した。
「いや、ぼーっと立って空見てるからおかしくなっちゃったかと思ったよ」
「ごめん、スキル見てた。というよりLINE怖すぎだろ」
あはは、といって笑う楠木だった。
「今日は何する?」
「ダンジョンに行きたいからレベル上げだな」
「おけー」
と言いながら楠木は店に寄る。
「まずは武器でしょ」
「いや、防具の方が重要だね」
俺達はそれぞれ別の装備を手に入れた。
よーし、狩るぞーと楠木は気合いを入れ、バシバシと敵を狩っていく。
俺も回復をしながら遠距離から魔法を打つ。
複数回やり、俺たちも慣れてきたところで楠木が話し始める。
「相馬って夏休み何してんの?」
「ん?ゲームやってスマホ見て…」
「……あとは?」
「あとは…柳の弟の野球部を見にいってるよ」
「え!?そうなの?コーチってこと?」
「いや、そういう正式なやつじゃなく。臨時?みたいな」
「え!すごいじゃん」
楠木はそう言った後、少し無言になる。
「野球部って言ったら…ガンちゃん?」
「ガンちゃんってなんだ?」
「いや、顧問って岩本って先生だよね?」
「あの人ガンちゃんって呼ばれてるのか」
岩=ガンちゃんらしい。
柳と同じ中学だったんだよな楠木は。
ふと、気になることを聞いてみる。
「中学の時の楠木達ってどんな感じだったんだ?」
「ん?普通だよ。普通の中学生」
「恋愛とかして、クラスメイトと遊んだり、プリクラ撮ったり?」
「なんか相馬、女子中学生の解像度低くない…?」
妹は現役女子中学生だが、友達と何してるかとかの話全くしないんだよな。
「いや、まぁあるけど、プリとか」
「見ていいのか?」
「ダメに決まってるでしょ」
楠木がギャルピースしてるプリとか見たいんだけどな。俺はそんなことを考えながら、ゲームに集中を戻す。
『テェレレレン♪』
「お、レベルが上がった」
新しい魔法を覚えたらしい。
「技とか魔法とか解放される瞬間が1番気持ちいいよな」
「わかるー。私の戦士もどんどんかっこいい技増えて嬉しい。」
俺は新しい魔法を試しながら、敵を倒していく。
俺達は一緒にゲームをしているが、話している内容はゲームだけじゃなく、普段とあまり変わらないくだらないことだ。
その時間が俺は好きになってきた。




