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普通の高校生の、特別な日常  作者: しゃー
1章 一学期編
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51/104

51.次回はみんなで

放課後。


俺はいつも通り生徒会室へ向かい、扉を開ける。


全員揃っていた。


「お疲れ様です」


「お疲れー」


「お疲れ様」


……なんだ?


なんとなく視線を感じる。


俺が席に着こうとすると、濱田先輩が声をかけてきた。


「おい、月城」


「はい?」


「今日2年で、すごい話題になってたぞ」


「話題?」


俺は特に心当たりもなく、首を傾げる。


「何がですか?」


すると濱田先輩がわかってないのか?という顔をしながら言う。


「朝、佐藤と話してただろ?」


「はい…」


「それを見てた2年がな、『佐藤が告白された』だの、『歳下に持っていかれた』だの、『あの佐藤があんな顔してた』みたいになってたぞ。」


横を見る。


佐藤先輩が、ほんの少しだけ頬を赤くしている。


「……」


俺は何も言えなくなる。


すると会長が、わざとらしくため息をついた。


「また君は無垢な女性に手を出そうとして……」


「また、とかはよく分からないですが!?」


というか、俺はただ、気持ちを伝えただけだ。


普段なら、この手の話になった時に佐藤先輩は黙っている。


だが今日は違った。


「……気持ちは伝わったから」


「……え?」


俺は固まった。


周囲の視線が一斉に集まる。


佐藤先輩は少しだけ意地悪に笑う。


「……冗談」


「いや俺、先輩の冗談初めて聞きました」



俺はその件について説明する。


「いや、普通に悔しくて、思ったことを言っただけです」


俺は少しだけ真面目な表情に戻して話す。


「俺がもっとちゃんと見ていればよかったって、それだけで……」


すると、みんなが俺を見る。


会長が少しだけ笑う。


「月城の気持ちは、分かっている。みんな同じ気持ちさ」


そして、と続けて。


「まだ、私たちには文化祭がある」


会長は全員を見渡す。


「そこはみんなで、成功させよう」


一瞬、静かになった。


俺は会長を見る。


「はい、必ず」


自然と口から出た。


他のみんなも頷く。


そうだ。

体育祭は終わった。


けれど、この生徒会の一年はまだ終わっていない。

文化祭がある。


それに、その先だってある。

俺たちはまだ、始まったばかりなんだ。


「……とはいえ」


会長が言う。


「体育祭が終わってから9月までは、そこまで大きなイベントもないからね」


「はい」


「集まる頻度は、少し減らすけど」


「……」


「まぁ、今までが多かっただけだな」


副会長が淡々と言う。


確かに。


体育祭に向けて、かなりの頻度で集まっていた。


それがなくなると思うと――


少しだけ、寂しい気もした。


俺は生徒会室を見渡す。


柳会長。


冴島副会長。


山村先輩。


佐藤先輩。


濱田先輩。


里中さん。


天沢。


そして俺。


また、このメンバーでやれる。


そう思うと、なんだか少し楽しみだった。

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