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普通の高校生の、特別な日常  作者: しゃー
1章 一学期編
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48/105

48.夏でも冷水シャワーは寒い

帰宅すると、妹はキッチンで立ったままアイスを食べていた。


「ただいまー!」


「おかえり。勝った?」


「…いえーい! 赤組勝利!」


両手を上げて喜ぶ。

しかし、妹が、じっと俺の顔を見る。


「……お兄、なんかあったの?」


エスパーかよ。


「いや、普通に疲れただけ」


「そ……」


それ以上は聞いてこなかった。


こういう時、色々聞いてこない妹はよくできている。

ありがとう。今は1人になりたい。


そう心の中で思いながら、俺は暑い、暑いと言い、浴室へ向かった。


シャワーを浴びる。

頭から冷たい水をかぶると、体育祭の熱気が少しずつ抜けていくような気がした。


体も。

そして、心も。


「……寒っ!」


さすがに冷たすぎた。


その後は普通に温かいシャワーを浴びて、ゆっくりと体を温める。



風呂から出て、ベッドに腰を下ろしたところでスマホを見る。


LINEが1件。


佐藤先輩からだった。


『今日はごめんね。

休んで、元気になったら学校で。』


短い文章だった。


俺はしばらく画面を見つめる。


何を返せばいいか考える。

大丈夫です、と言うのも違う気がする。

気にしないでください、と言うのもなんだか違う。


結局、俺が打ったのはこれだけだった。


『はい。また学校で会いましょう。先輩。』


送信。


既読がつく。


それ以上のやり取りはなかった。


土曜日に体育祭があったため、月曜日は振替休日。


だから、次に学校へ行くのは火曜日。


たった2日。


たった2日なのに。


妙に長く感じた。


佐藤先輩と会って、話したい。

ちゃんと顔を見て、大丈夫だったのか聞きたい。


それから――


体育祭の日に言えなかったことも、話したい。

そんなことを考えながら、俺はスマホを置いた。



俺は今日の事、今までの自分を振り返りながらベットに倒れた。


天井の柄がいつもと違うように感じた。

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