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普通の高校生の、特別な日常  作者: しゃー
1章 一学期編
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37/104

37.ショッピングモール1

土曜日。


6月中旬。

晴れた日の駅前は、日差しを浴びるだけで暑さを感じる。

そんな中、俺はショッピングモール近くの駅で1人、みんなを待っている。


結局、連絡を取り合った結果、学校から少し離れたショッピングモールで遊ぶことになった。


カフェ、服屋、雑貨屋。

見て回るだけでも1日が潰れる。



中学までほとんど男子としか遊んでいなかったが、高校に入り女子とショッピングモールへ出かける日が来るとは。


ちなみに、芦屋も誘ったが、


「行きたいところは山々なんだけどなー。部活あるわ」


とのことだった。仕方ない。


というわけで、今日の構図は――


男1人、女3人。


完全に荷物持ちだ。



俺は駅のガラスに映った自分を見て、服装をもう一度確認する。


無難なシャツ。

無難なズボン。


どこからどう見ても、


「一般人です」


という格好だ。


俺はポケットを確認する。


財布。

スマホ。

ハンカチ。


「よし!」


そんな確認をしていると、


「うぇーい!」


聞き慣れた声がしたので振り向くと、柳だった。


「おう、おはよ」


「おはよ!相馬。ごめんね?待った?」


やけにわざとらしい。

しかも、妙にあざとい。


「めっちゃ待ったよ」


「違うでしょーー!」


即座にツッコまれた。


「普通そこは『今来たところだよ』でしょ!」


「今来たところだよ」


「最初からそれ言ってよ!」


ぷんすかしている。

朝から元気だな…。



そんな柳の服装を見る。


俺は勝手に、もう少しかっこいい感じの服で来るのかと思っていた。


けれど今日は、思ったより可愛い系だった。

普段学校で見る姿とは少し違う。


「柳って結構、可愛い系の服着るんだな」


「え?」


柳が俺を見る。


そして――


「似合ってる?」


「ん?」


「可愛い?」


「……」


「可愛い? 可愛い?」


少しだけ身を乗り出して聞いてくる。


すごい圧を感じる…。


「はいはい。可愛いです」


「ありがと!」


満足そうに頷いた。


……なんなんだ。



そんなやり取りをしていると、駅の向こうから二人が歩いてきた。


「お待たせー!」


天沢と楠木だ。


「おう」


まず天沢を見る。


落ち着いた服装だった。

しっとりした雰囲気というか。


なんというか――


大学生みたいで、大人びてる。


思わずそんなことを考える。



そして隣の楠木。


ボーイッシュというほどではない。

けれど、どちらかといえば可愛いよりも、かっこいい。爽やかな雰囲気の服装だった。


なんだろう。


今日は3人とも、いつもと少し違って見える。


学校では制服だから気づかなかっただけなのかもしれない。


「ごめんねー!」


天沢が近づいてくる。


「全然」


「私たちも今来たとこ!」


と柳が言う。


「それじゃ、行こっか!」


天沢が言って、4人で歩き始める。



ショッピングモールまでは、駅からそれほど遠くない。


俺の左右を女子3人が歩いている。

改めて考えると、すごい状況だ。


男1人。

女3人。

男女比率、1:3。


俺は今日1日、この環境でやっていけるのだろうか。


そして――

俺は荷物持ちになるのだろうか。

妹と出かけるので慣れてるからな…。


そんなことを考えながら、俺たちはショッピングモールへ向かった。

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