29.中間テスト
5月中旬、中間テスト開始。
この学校に来て、高校生初めての中間テストが始まる。
期末ではない為そこまで気合いは入れていないが、2学期からは難易度も上がるだろう。
俺はホームルームが始まるのをボーっと待っている。
ちなみにテスト期間の柳は、天沢や楠木に声をかけ、1回勉強会をしていた。
俺はその回を含めた5回。つまりテスト期間のすべての放課後に柳がいたことになる。
誰かに見られていたらと思うと、恐ろしいもんだ…。
柳は勉強ができないわけじゃないので俺より点数の高い教科もある。
なので実際は俺は先生。ではなく普通に勉強を一緒にやる仲間なのだ。
そんなことを考えていると、青山先生が教室に入ってきてホームルームを始める。
「みなさんおはよう。今日から中間テストです」
「中間、期末では赤点がありますが、取った場合は補講と再試験があります」
と言われ、クラスの空気が重くなる。
「じゃあ頑張ってね!」
と軽く言い放ちホームルームを終えた。
テストは着々と進み、半日で終わり、
それからは図書館で勉強するのもよし、帰るもよしだった。
俺は柳に声をかける。
「今日はどうだった?」
「今日は問題なし!結構できたと思う」
「良かった…!」
俺は柳に挨拶をし、教室を出る。
廊下を歩いていると、楠木が後ろから追いかけてきた。
「ねぇ、月城」
「おぉ、楠木。どうした?」
俺は楠木と歩幅を合わせ歩く。
「彩葉とのテスト勉強どうだった?」
「頑張ってたぞ」
柳は出来る限り、天沢や楠木に頼らず頑張りたいという気持ちがあり今回は俺と勉強会をした。
きっと中学までは違っただろう。当然理由を柳から話してなければ2人は知らないはずだ。
「そっか…月城は頼りやすいのかなぁ」
「ん、いやそういう事じゃないと思うぞ」
「そうかな」
俺は柳にどこまで聞いてるいるか確認する。
「柳は何か言ってたか?」
「うんん、今回は1人で頑張る!ってさ」
月城がいたのにね?と後付けしてきた。
「まぁ…俺も理由はよく知らないが、詳しくは柳に聞いてみたらどうだ」
楠木は俺の小脇を肘でつついてきた。
「いや野暮なこと聞けないでしょ…」
ん…?
いや勘違いしてるなこれ。
柳は色恋で相手を選ぶようなやつじゃない。
「多分…いや絶対そういうのじゃないぞ」
「そう?」
納得してないけど、納得した。そんな感じで楠木は駅まで着いてきて根掘り葉掘り聞いてきた。




