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普通の高校生の、特別な日常  作者: しゃー
1章 一学期編
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28/105

28.柳の想い

次の日の放課後、今日天沢は生徒会長に呼ばれているとの事。楠木は家の用事があり不参加となった。


俺と柳はファミレスに来て、勉強をすることになった。

だが、柳の元気がないように見える。気のせいと言われればそうかもしれないそんなくらいだ。


「ポテト食うか?」


と聞いてみるものの


「今日はいいや」


と言われてしまった。


「なんかあったか?」


柳は首を横に振って


「なにもないよ」


と答えた。うーん…聞いてみるか。



「……2人に勉強教えてもらうのと関係あるのか?」



と聞くと柳の動きが止まった。


「……」


そうか。まぁ事情がある以上話したくない気持ちも理解できる。ここまでわかればいいやと思い。俺はノートを開いて自分の勉強を始める。


すると柳が口を開く。


「憂華も夕も友達だし、優しいからさ」


「…勉強教えてって言ったら教えてくれるけど」


「2人は頭がいいから、私なんかが邪魔しちゃって思っちゃうんだよね」


……ん?俺はいいのか?


「相馬はさ、私よりちょっと頭が良くてさ、邪魔って言わないと思うし、頼りになる…と思う」


と柳は歯切れの悪い感じで言ってきた。


「あの2人から邪魔って言われたことあるのか?」


柳は大きく首を横に振る。


「そんなこと…言わない!絶対」


なるほど


「だから、一歩引いちゃうんだな?」


うん。と首を縦に振った。


天沢と楠木の2人は、勉強できるかなりの優等生だが、柳は違う。

決してできないわけじゃないが、上位ではない。

その劣等感のようなものが、交友関係の邪魔をしてるんだろう。そう思う。


いつも快活な柳が落ち込んでる姿を初めてみる。

でも、なるほどな元気のない理由がわかった。


「なぁ柳」


「うん?」


「柳はこれからも天沢と楠木と仲良くしていきたいんだろ?」


「そりゃもちろん!……でもいいのかな…って」


「いいでしょ!天沢や楠木にうざいくらい絡んで勉強教えてもらいなよ」


「だってそんなことしたら2人の邪魔に…」


「邪魔って言われたら俺が教えるよ。俺みたいな保険がいれば安心だろ?失敗しても」


柳だって邪魔なんて言われたくないはずだ。

そして、天沢も楠木もそう思わないはずだ。

思うならわざわざ昨日ついてこないだろ…。


「私は2人に迷惑をかけたくないけど」


「うん」


「自分でもできるように頑張りたい。足を引っ張りたくない」


柳は今までの自分を振り返りながら。


「私、中学までは頼りっぱなしだったけど、今回はあの2人頼らずやってみたい」


せっかく高校生になったんだし。と意気込む柳を見る。


柳の中には頼りたい気持ちと、邪魔したくない気持ち。そして自分でやりきりたい気持ちがあるのか。


「俺を頼るのはいいのか?」


「学力が近いと…なんとなく安心するし…」


と悩みながら答えていた。

まあ柳の中で答えるが出るまで待つべきか。


「まあとりあえず今日は一緒にやるか?」


「うん!お願い」


とお互い勉強を始めていった。



夜もいい時間になり、そろそろ帰るかという事になった。


帰り道、駅に向かうまで2人で歩く。


「いやぁ今日も勉強したなぁ…」


と伸びをしながら話す。


「そうだね!いけそうな気がする中間!」


「よし!いいぞ!」



伸びをした後柳にあらためて声をかける。


「柳」


「ん?」


「柳は大丈夫だ」


「最初のテストで赤点取らないようにする!」


「いやそっちじゃない」


「?」


「柳は誰からも好かれてる。だから、安心して天沢と楠木に頼んだり、それが無理ならその間は俺でいいからな」


「……ん!わかった!ありがと!」


と笑顔の柳を見守る俺であった。

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