26.地域密着型清掃ボランティア
土曜の朝に制服を着る経験なんて滅多にない。
俺は天沢に頼まれ、10時に生徒会室へ向かう為に準備をする。
生徒会なんて縁もゆかりもないと思っていたが、天沢の頼みなら誰だって受けるもんさ。
俺はリビングに向かい、両親と妹に顔を合わせる。
今日は両親2人ともいるみたいだ。
「相馬!おはよ 今日は土曜日よ?」
「今日は学校に用事があるから行ってくる」
「補習か?」
と両親は俺を信じてるのか信じてないのか。
「そういうのじゃないから…」
俺はキッチンでコーヒーを淹れ、トーストを焼いてバターを塗る。朝食は多く食べない方なのでこれでいい。
「お兄部活やってないんでしょ?」
「ん?まぁボランティアらしい」
「らしいってなにそれ」
「本当だよな 10時に生徒会室に来てくれって言われてさ」
両親が2人ともこっちを見る。
「相馬が生徒会!?」
「あらまぁ…頑張るのよ!」
手伝いみたいなもんで、俺は生徒会じゃない事を説明し、朝食を食べ終え、家を出る。
9:30に生徒会室前に着いた。
緊張してきた、お前誰だ?みたいな感じで反応されたら、どうしよう。そんな事を考えながら俺は部屋に入ろうとする。
すると、後ろから声をかけられる。
「早いね、相馬君」
天沢がおはよーと言いながら声をかけてくれた。
非常に助かる。心強い仲間が来た。
「ありがとう天沢」
「いや、こっちが急に呼んだのに来てくれてありがとう。なんだけど」
と苦笑した。
改めて、失礼します。と生徒会室のドアを開ける。
目の前には見たことのある生徒会数名と、おそらく他クラスのクラス委員数名がいた。
「おはようございます」
天沢が生徒会長に挨拶を済ませた後、山本の代理できた旨を説明し、待機となった。
天沢と話している間に、ぞろぞろと人が来だした。
10時近くになり、生徒会長が挨拶を始めた。
「今日は休日に集まってくれてありがとう。改めて自己紹介をするが、生徒会長の橘だ。」
生徒会長の橘さんはロングの髪を横でひとつに纏めており、小柄な印象だかしっかりしてる。そんな感じに捉えた。
「さっそくだがーー」
と今日の清掃活動の説明をしてくれた。
地域の参加者と一緒に清掃活動を行う。道具が足りない場合や、わからない事があれば生徒会に聞くように。との事。
生徒会は腕章をつけており、わかりやすい。
「ではよろしく頼む!」
休日に学校に来て、周辺のゴミ拾いをする。というのは結構めんどくさいと思っていたが、始めてしまえば結構やりがいがある。
空き缶や吸い殻というのは滅多に落ちてない地域ではあるものの、謎のビニールや傘、片方の靴など、思ったよりもあった。
その時地域のおばちゃんが、草むらに入ってゴミを取ろうとしていた。
「あっ、俺やりますよ!」
草むらに入り、バキバキになった傘を拾い不燃ゴミ袋に入れる。
「ごめんねぇ、ありがとうね!」
「いえ全然問題なしです」
俺は次のポイントを探す。
すると別のおじさんが大量の汗をかいているのを見つけた。
「大丈夫ですか?」
「ん?おぉ、大丈夫だ」
俺は生徒会の眼鏡の先輩から水を貰い、おじさんに渡す。
「これ、飲んでください。無料なんで」
「悪いねぇ!ありがとう ちょっと休憩するわ」
そんなこんなをしながら清掃活動は着々と進んでいった。
結果から言えば、かなりの量のゴミがあった。
普段綺麗な町だと思っていたが、結構ゴミがあるもんだ。
学校に戻り、道具を片付け、ゴミ回収の業者に今日拾ったゴミを渡し、活動は終了となった。
「清掃活動はこれで終了とします。また、地域の方のご協力あってこそでした。ありがとうございました」
と生徒会長は深々と頭を下げ、各自解散となった。
俺は天沢に声をかけて帰ろうとしたが、天沢は生徒会長と話をしていた為、LINEだけいれて帰る事にした。
『またな、今日の貸しは山本から返してもらうから安心して』
と未だ喋った事のない山本に貸しを付けておいた。




