18.はじめての食堂
昼休み。
今日は焼きそばパンを買い忘れた為、食堂へ向かう。
ちなみに駅前のパン屋さんで毎朝買っている。
初めて食堂を使うわけだが、メニューは定食やカレー、麺類がある。
俺はアジフライ定食にし、受け取った後に席を探す。
来たのが遅かったのか結構埋まっており、困っていたら。
「相馬くん!」
声をかけられた方へ向くと、天沢と楠木がこちらに手を振っていた。
「席空いてるよ!」
天沢がそう言いながら、空いている席へ招いてくれた。
「失礼します」
と言うと楠木が吹き出して笑う。
「職員室みたいに来るじゃん」
そして、3人で飯を食べ始める。
「いや、お邪魔していいのか?」
「そんなに気にしなくていいよ」
「ありがとうな天沢。楠木も。」
「月城くん今日焼きそばパンは?」
「いつも焼きそばパンってわけじゃないからな。買い忘れただけだ」
「いや、買おうとしてんじゃん…」
とどうでもいい話をしながら一緒に食べていく。
しばらくして。
天沢が周りをちらっと確認する。
天沢が少しだけ声を落として「そういえば」と言った。
「彩葉この間告白されたらしいんだよね」
「……柳が?」
思わず聞き返した。
「うん」
楠木も頷く。
「2年の先輩なんだってさ」
4月も後半に入った所だか、柳はもう2年の先輩と仲良くなっているのか?すごいな柳。
図書委員で一緒にいるときは、彼氏が欲しいと言っていたしな。
「へえ、付き合ったのか?」
天沢が首を振る。
「うんん、流石に」
「なんでだ?」
俺が疑問を唱えると、楠木がわかってないなぁという顔で答える。
「だって、まだ4月だよ?しかも彩葉はその先輩と喋った事もないらしい」
一目惚れ…?いや…たぶん。
「柳なら付き合えるって思われたって感じ?」
「そういう感じらしいんだよね」
「なるほど」
柳は見た目や性格で、誰にでも好かれやすい性格だ。
それが仇となったというか。そんな感じか。
「あと『俺にだけ優しいかも?』みたいな空気を出しちゃうのよね…彩葉は」
「……」
俺はアジフライを一口食べながら考える。
……まあ。
俺も思い当たる節がないわけではない。
図書委員の仕事でも、よく俺に話しかけてくる。
連絡先を交換してからも、委員会とは関係ないメッセージが来る。
勉強を教えてくれと言われたり。
単純に仲が良いだけだと思っていたけど。
客観的に見ると、そういう感じに見えるのかもしれない。
「だからさ」
天沢が少し真面目な顔になる。
「相馬くんも、勘違いしないようにね」
「おう……しないぞ…俺は」
楠木がジト目で続ける。
「ほんとかなぁ?」
「ほんとほんと」
それならいいけど、と言い2人は食事に戻る。
俺は考えてみる。
中学の時は女子といるより、男子といる方が多かった。野球部に友達がいたっていうのもそうだが、女子と仲良くする事自体恥ずかしかったというのもある。
でも高校は別だ。
高校で男女仲良くしても誰も文句は言わない。
だからこそ関係性をしっかりと保つ必要がある。そう結論付けた。
俺はふと疑問に思い、2人に聞いてみる。
「2人はモテるのか?」
2人は食事を止め、こちらを見る。
楠木がジト目で言う。
「モテないと思う?」
「いや、そういうわけじゃなく!告白とかされたりするのか?って」
「まぁ今はないよ?でも中学では2人とも人気だったんだから」
「そうだよな…」
俺はうんうんと頷きながら、天沢の方を向く。
「まぁ人気ってほどじゃないと思うけどね…」
俺は話を聞きながら自らの立ち位置を考える。
俺は今特に仲の良い男子はいない。
入学してちょっとしか経ってないとはいうものの、
女子しか友達がいないのはなんとかしないといけないかもしれない。
「ごちそうさま。先行くね」
そう思い、ご飯を片付ける。
部活に入ってないと案外話す機会がないんだよな。
と俺は言い訳を探しながら歩いて教室に戻った。




