↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通の高校生の、特別な日常  作者: しゃー
1章 一学期編
PR
12/108

12.妹の疑い

柳に誘われた日の夜。


家に帰って夕食を済ませたあと、俺はリビングで妹に声をかけた。


「そういえばさ」


「ん?」


「今日、友達に誘われたんだけどさ」


「友達?」


「ほら、柳さん」


「ああ」


妹と柳の弟、優貴くんは同じクラスだ。


「優貴くんが野球の試合やるらしいから、見に来ないかって言ってるけど」


「……うーん」


葵はあまり興味なさそうな顔をする。


「見てもなぁ。そんなに優貴くんと仲良いってわけじゃないし」


「まあ、それはそうか」


同じクラスとはいえ、転入してすぐだからな。


「行く気はないね」


「嫌か?」


「嫌ってことはないけど… いつ?」


「今週の土曜」


俺は葵の反応を見ながら続ける。


「天沢と楠木ってやつも来るけど」


「……」


妹が黙った。


「男がいるなら嫌」


「……」


俺はスマホを取り出した。


「これ」


昼間、楠木から送ってもらっていた写真を見せる。


そこには、天沢、楠木、柳の女子3人が写っていた。


そして写真には、


『葵ちゃん来てね?』


と文字が入っている。


葵の視線が、画面に向く。


「……」


目を見開いた。


「……何これ」


「だから、来てねって」


「……」


葵は写真と俺の顔を交互に見る。


そして。


「これ、お兄の友達?」


「そう」


答えた瞬間。


葵から向けられた視線が、なんとも言えないものになった。


……なんだ、その目。


「本当に?」


「本当だよ」


「騙されてない?」


「騙されてない」


「お金払って友達になってもらってるとかじゃなくて?」


「なんでそうなるんだよ」


「だって……」


葵はもう一度、写真を見る。


「こんな可愛い子達と?」


「普通に友達だって」


「……」


まだ納得していない顔。


「本当に友達」


念を押すように言うと、葵は少しだけ目を細めた。


「……ふーん」


完全に信じていない。


たぶん、そんな顔だった。

俺はため息をつく。


高校に入ってから、少しずつ友達が増えた。

それだけのことなのに。

まさか1番身近な妹から、そこまで疑われるとは思わなかった。


「でも…いいの?野球」


葵は俺の顔を見ず、聞いてきた。


「まぁ、見るだけならいいさ」


俺はそう答えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。