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4話

第4話をお読みいただき、ありがとうございます!きなこもちです。

家ではあんなに無防備で甘々だった凛ちゃん。

学校に着いた途端、「完璧な生徒会長」モードに入りますが……ハルト限定の秘密のサインにご注目ください!

ハルトが家を出てから遅れること十分。

私も制服の襟を正し、ハルトの家の玄関を出た。

学校の最寄り駅に着く頃には、私はいつもの「完璧な生徒会長」の仮面を被っている。

背筋を伸ばし、凛とした足取りで校門をくぐる。

如月きさらぎさん、おはよう!」

「おはようございます、会長!」

「ええ、おはよう」

すれ違う生徒たちに、いつも通りの模範的な笑みを返す。

だけど、私の目は無意識にある人物の姿を探していた。

(ハルト……もう教室に入っちゃったかな……)

下駄箱でローファーを履き替えていると、廊下の向こうから聞き馴染みのある声が聞こえてきた。

「おいハルト、今日の数学の宿題やったか?」

「忘れるわけないだろ。お前また写す気かよ」

ハルトだ。

クラスメイトの男子と親しげに話しながら、こちらに向かって歩いてくる。

いつもと変わらない、ちょっとぶっきらぼうで、でも優しいハルトの姿。

心臓が小さく跳ねる。

数時間前まで、この人と一つのベッドで眠り、朝ごはんを一緒に食べていたなんて、ここにいる誰も信じないだろう。

ハルトが私の方を見た。

一瞬だけ、その瞳が大きく見開かれる。

私もハルトを見る。

ここで話しかけたら、周りの目が集まってしまう。学校での私たちは、ただの「話す機会も少ない幼馴染」なのだから。

私はすれ違いざま、誰にも気づかれないように、ハルトにだけ小さくウィンクをして見せた。

「……っ!?」

ハルトが分かりやすく動揺して、持っていた教科書を一冊落としそうになる。

私はそれを見届けながら、心の中で小さくガッツポーズをして、何食わぬ顔で通り過ぎた。

◇◇◇

放課後。

生徒会室で書類の整理をしている間も、頭の中はハルトのことでいっぱいだった。

「如月さん、今日の作業はこれで終わりです。お疲れ様でした」

「ええ、お疲れ様。戸締りは私がしておくから、先に帰っていいわよ」

他の役員を送り出し、生徒会室に一人きりになる。

夕日が差し込む静かな室内。いつもならここからが私の「仕事」の時間だけど、今日の私はもう、一刻も早くあの家に帰りたくて仕方がなかった。

スマホを取り出し、メッセージアプリを開く。

ハルトの名前をタップして、素早く文字を打ち込んだ。

『生徒会終わったよ。今から帰るね』

すぐに『既読』がつく。

『了解。俺も今、スーパーで買い物終わったとこ。気をつけて帰ってこいよ』

ぶっきらぼうな文面だけど、私の帰りを待ってくれているのが伝わってきて、胸の奥がじんわりと甘く痺れる。

「……早く、帰ろ」

完璧な生徒会長の仮面をクローゼットにしまうように、私はカバンを抱えて、ハルトの待つ「私たちの家」へと走り出した。

第4話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

すれ違いざまの「内緒のウィンク」!

学校では他人のフリをしなきゃいけないからこその、二人だけの秘密の共有ってやっぱり甘酸っぱくて最高ですよね……!

放課後、一刻も早くハルトの元へ帰ろうとする凛ちゃんにキュンときた方は、ぜひレビューやブックマークで応援していただけると嬉しいです!

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