第36話 封じられた広間
数日の準備を終え、レオン、リリア、フェン、そしてガレスの三人と一匹は、地図の示す「中心地点」へと向かった。
アルトを出て森に入ると、いつもの狩り場とは違う、どこか静まり返った空気が漂っていた。
鳥の声も、虫の音もほとんど聞こえない。
「本当に、何もない森の奥だな。」
ガレスが周囲を見回しながら呟く。
「腕輪の反応が強くなってきてます。」
レオンは魔力探知の腕輪に意識を集中させながら、慎重に進んでいった。
木々が徐々に密度を増し、日差しが遮られていく。
フェンも普段より警戒した様子で、レオンのすぐそばを離れなかった。
やがて、苔むした岩壁が行く手を塞いだ。
「行き止まり、か……?」
リリアが目を凝らす。
レオンは片眼鏡を構えた。
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【解析】
岩壁に偽装された入口
星の紋章に反応して開く
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「ここだ。」
レオンは腕輪に魔力を込めながら、岩壁の中央にある紋章に手を触れた。
紋章が淡く光り、岩壁がゆっくりと左右に割れていく。
「……ッ!」
現れたのは、これまで見てきたどの遺構よりも広い、巨大な地下空間だった。
◇◆◇
天井は見上げるほど高く、壁一面に星の紋様と、無数の古代文字が刻まれている。
中央には、大きな石の台座と、その周りを取り囲むように並んだ、いくつもの石像。
高さはどれも、旧採掘場で戦った石の番人より一回り大きい。
「……これ、全部動くやつだよな。」
ガレスが低い声で言った。
「たぶん。」
レオンは頷きながら、図鑑を開いた。
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図鑑更新
《古代遺構》
「星の中枢」が新規登録されました
達成率 大幅上昇
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「達成率、跳ね上がった……!」
思わず声を上げるレオンに、リリアが呆れたような、それでいてどこか誇らしげな視線を向ける。
「こんな時まで、その調子なんだから。」
その時、台座の中央に埋め込まれた紋章が、一斉に強い光を放った。
「来るぞ!」
ガレスの声と同時に、石像たちがゆっくりと動き出す。
一体、二体、三体――取り囲むように並んだ全ての石像が、命を吹き込まれたように起き上がった。
その数は、ざっと数えても十体近い。
「数が多い……!」
「散開して各個撃破だ! レオン、後方から状況を見て指示を出せ!」
「了解!」
ガレスとリリアが前へ出て、石像たちの注意を引く。
ガレスの剣が石の腕を弾き、リリアの風魔法が動きを鈍らせていく。
フェンも低い姿勢で駆け出し、一体の脚元へ食らいついた。
「わふっ!」
その動きは、以前よりも遥かに機敏だった。
レオンは片眼鏡を構え、状況を素早く見極めていく。
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【危険度】
★★★★★
古代の守護システム・集合体
弱点:中央台座の紋章
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「台座を狙えばまとめて止められるかもしれない!」
「言うのは簡単だが、あの数を抜けるのは骨が折れるぞ!」
ガレスが石像の一撃を受け止めながら怒鳴る。
その時、レオンの目の前に見慣れた表示が浮かび上がった。
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【《古代遺構》「星の中枢」発見】
+30Pt
【危険地帯・突破報酬】
+15Pt
【今回の獲得】
+45Pt
【運命ポイント】
57Pt → 102Pt
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「……100、超えた。」
レオンは息を呑んだ。
目の前に、新しい選択肢が浮かんでいる。
――SSR確定ガチャ。
前回、フェンと出会った時のことが脳裏をよぎる。
あの時とは状況が違う。
悠長に選んでいる余裕はない。
だが、迷っている時間もなかった。
「リリア! ガレス! 少しだけ耐えてください!」
「分かった、急げ!」
何をするつもりかは説明できない。
それでも二人は、迷わず前へ出てくれた。
その信頼に応えるように、レオンは覚悟を決めて、画面に触れた。
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SSR確定ガチャ
READY
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白い空間に、これまでで最も大きな黒い本が浮かぶ。
夜空に十本の光の柱が立ち上り、そのすべてが虹色に染まっていく。
まばゆい光が、地下空間全体を包み込んだ。
「な……っ、なんだこの光は!?」
ガレスが思わず目を細める。
石像たちの動きが、一瞬止まった。
光の中心に、何かが姿を現し始める。
(第37話へ続く)
【あとがき】
第36話を読んでいただき、ありがとうございました!
ついに辿り着いた「中心地点」は、これまでとは比べ物にならない規模の古代遺構でした。
複数の石像が一斉に起動する絶体絶命の状況の中、運命ポイントが100を突破し、レオンは覚悟を決めてSSR確定ガチャを発動させます。
果たして何が出るのか。次回、いよいよ明らかになります!
次回、第37話もお楽しみに!




