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俺だけ毎日無料10連!~ハズレ職《ガチャ師》は、世界で唯一ガチャが終わらない~  作者: 春野ケイ


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10/61

第10話 無料十連のルール

 翌朝。


 小鳥のさえずりが窓の外から聞こえてくる。


 レオンは目を覚ますと、布団から勢いよく起き上がった。


「まずは確認だ。」


 昨夜は、あえて無料十連を引かなかった。


 運命ポイントは本当に残るのか。


 無料十連は翌日に持ち越されるのか。


 ゲーム好きとして、一度気になった仕様は確かめずにはいられない。


 レオンは右手を軽く掲げ、意識を集中させる。


 すると、見慣れた半透明の画面が静かに現れた。


━━━━━━━━━━━━━━


無料10連


READY


運命ポイント 16Pt


━━━━━━━━━━━━━━


「よし……!」


 思わず拳を握る。


 運命ポイントは昨日のままだ。


 消えていない。


 まず一つ目の検証は成功だった。


「じゃあ、無料十連は……。」


 昨日は回さなかった。


 ということは、二日分になっていてもおかしくない。


 少し期待しながら画面を見回す。


 だが、表示は変わらない。


━━━━━━━━━━━━━━


無料10連


READY


━━━━━━━━━━━━━━


 それだけだった。


「二回分にはなってないか。」


 レオンは苦笑する。


 一日分しか表示されていない。


 昨日の無料十連は消えてしまったらしい。


「なるほど。」


 画面を見つめながら、小さく頷く。


「無料十連は一日一回。」


「引かなかった分は持ち越せない。」


「でも、運命ポイントは残る。」


 ゲームなら、毎日ログインして受け取るデイリーボーナスのようなものだ。


 仕組みが分かれば難しくない。


「これからは無料十連は毎日引く。」


「運命ポイントは、本当に必要な時まで貯めよう。」


 方針は決まった。


 レオンは満足そうに笑うと、『START』へ指を伸ばした。


「今日も頼むぞ。」


 指先が触れた瞬間、世界が光に包まれる。


 視界が白く染まり、次の瞬間には無数の星が輝く夜空へ立っていた。


「やっぱり、この景色は何度見てもすごいな。」


 目の前には、一冊の巨大な本。


 黒い表紙には金色の星が刻まれ、静かな存在感を放っている。


 本がゆっくりと開いた。


 パラッ……。


 パラパラパラッ……。


 ページがひとりでにめくられ、最後のページで静かに止まる。


 すると、本の中央から十本の光が夜空へ打ち上がった。


 白。


 白。


 青。


 白。


 白。


 青。


 白。


 白。


 青。


 そして、最後の一本だけが金色に輝いている。


「また金がある!」


 前回と同じだ。


 いや、前回以上に胸が高鳴る。


 幸運の羅針盤を引き当てた時の興奮がよみがえる。


「まずは一枚目!」


 最初の白い光がゆっくりと本の上へ降り立つ。


━━━━━━━━━━━━━━


獲得


No.001


木の棒


★☆☆☆☆


登録済み


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「また木の棒か。」


 思わず苦笑する。


「でも、こういうこともあるよな。」


 ゲームのガチャだって同じだ。


 欲しいものばかり出るわけじゃない。


 二枚目。


 白い光が降り注ぐ。


━━━━━━━━━━━━━━


獲得


No.008


丈夫なロープ


★☆☆☆☆


登録済み


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「ロープか。」


「予備はいくらあっても困らないな。」


 三枚目。


 青い光がゆっくりと本の上へ降りる。


━━━━━━━━━━━━━━


獲得


No.019


魔石(小)


★★☆☆☆


登録済み


━━━━━━━━━━━━━━


「魔石!」


 これは素直に嬉しい。


 売ってもいいし、魔道具にも使える。


 ダブっても十分当たりだ。


 四枚目。


 白い光が静かに形を変えていく。


━━━━━━━━━━━━━━


獲得


No.005


保存食 三日分


★☆☆☆☆


登録済み


━━━━━━━━━━━━━━


「また保存食か。」


 思わず笑ってしまう。


「これじゃ旅に出ろって言われてるみたいだ。」


 五枚目。


 白い光がゆっくりと収束し、一つの道具が姿を現した。


 レオンは身を乗り出す。


「今度は何だ?」


━━━━━━━━━━━━━━


獲得


No.023


革の水袋


★☆☆☆☆


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<図鑑>


丈夫な革で作られた水袋。


水だけでなく、酒や薬草液などを持ち運ぶこともできる。


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「新しい図鑑だ。」


 レオンの表情が明るくなる。


 派手なアイテムではない。


 それでも、図鑑が埋まっていくのは素直に嬉しかった。


「旅には役立ちそうだな。」


 六枚目。


 青い光がゆっくりと降り注ぐ。


━━━━━━━━━━━━━━


獲得


No.018


解毒薬


★★☆☆☆


登録済み


━━━━━━━━━━━━━━


「解毒薬か。」


 前に引いたことがある。


 毒を使う魔物もいる以上、何本あっても困らない。


 七枚目。


 白い光がふわりと舞い降りる。


━━━━━━━━━━━━━━


獲得


No.024


止血布


★★☆☆☆


━━━━━━━━━━━━━━


<図鑑>


薬草を織り込んで作られた止血用の布。


傷口へ巻くことで出血を抑え、応急処置ができる。


━━━━━━━━━━━━━━


「応急手当セットとは別物なんだ。」


 戦いを経験した今なら分かる。


 こういう実用品ほど、本当に命を救ってくれる。


 八枚目。


 白い光が静かに形を変える。


━━━━━━━━━━━━━━


獲得


No.009


火打石


★☆☆☆☆


登録済み


━━━━━━━━━━━━━━


「また火打石か。」


 レオンは苦笑する。


「少しずつダブりも増えてきたな。」


 それだけ図鑑が埋まってきた証拠でもある。


 九枚目。


 青い光がゆっくりと降りてくる。


━━━━━━━━━━━━━━


獲得


No.025


携帯ランタン


★★☆☆☆


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<図鑑>


魔石の光で周囲を照らす携帯用ランタン。


風の影響を受けず、洞窟探索でも安定した明かりを確保できる。


━━━━━━━━━━━━━━


「これは当たりだ!」


 洞窟での探索を思い出しながら、レオンは笑みを浮かべた。


 松明より扱いやすく、両手も空く。


 間違いなく役に立つ。


「そして……。」


 レオンはゆっくりと最後の一本へ視線を向けた。


 夜空で輝き続ける、ただ一本の金色の光。


 他の光とは違う。


 まるで意思を持つかのように、ゆっくりと本の上へ降り始める。


「来い……!」


 レオンは拳を握り締めた。


 金色の光が本へ触れた、その瞬間――。


 パタン。


 開かれていた本が、ひとりでに閉じた。


「え……?」


 今までにない演出に、レオンは息をのむ。


 黒い表紙に刻まれた星の紋章が黄金色に輝き、本全体が鼓動するように明滅し始めた。


ゴォォ……。


 静かな音とともに、本全体が黄金色の光に包まれていく。


 レオンは息をのんだまま、その光景を見つめていた。


「やっぱり……。」


「SRは演出まで違うんだ。」


 鼓動が自然と速くなる。


 次の瞬間。


 カッ――!


 閉じていた本が勢いよく開いた。


 無数のページが一気にめくれ、その中の一枚だけが黄金色に輝きながら宙へ浮かび上がる。


 黄金のページ。


 その中央に、一つのシルエットが映し出された。


 細い銀色の縁。


 丸いレンズ。


 青く輝く小さな魔石。


 星を思わせる繊細な装飾。


 光が少しずつ集まり、その姿がはっきりとしていく。


━━━━━━━━━━━━━━


   NEW!


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━━━━━━━━━━━━━━


獲得


No.022


星詠みの片眼鏡


★★★☆☆


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━━━━━━━━━━━━━━


<図鑑>


古代の星詠みが愛用した魔道具。


魔力を流して覗くことで、


隠された情報や真実の一端を映し出す。


知識や経験が深いほど、


見える情報は増えていく。


━━━━━━━━━━━━━━


「星詠みの片眼鏡……。」


 レオンは思わずその名を口にした。


 武器でも、防具でもない。


 それでも、このアイテムには今までとは違う特別な雰囲気があった。


 黄金のページはゆっくりと閉じ、本も静かに元の姿へ戻っていく。


 すると、目の前に十枚のカードが整列した。


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本日の無料10連結果


━━━━━━━━━━━━━━


登録済み 木の棒


登録済み 丈夫なロープ


登録済み 魔石(小)


登録済み 保存食 三日分


NEW   革の水袋


登録済み 解毒薬


NEW   止血布


登録済み 火打石


NEW   携帯ランタン


NEW   星詠みの片眼鏡


━━━━━━━━━━━━━━


「新規四つか。」


 レオンは満足そうに頷く。


 毎日無料とは思えない内容だった。


 最後に、画面の表示が静かに切り替わる。


━━━━━━━━━━━━━━


無料10連


COMPLETE


━━━━━━━━━━━━━━


「今日は、もう終わりか。」


 レオンがそう呟くと、夜空も巨大な本もゆっくりと光へ溶け始めた。


 眩しい光が視界を包み込み――。


 次の瞬間、レオンは自分の部屋へ戻っていた。


 手には、先ほど引き当てたばかりの『星詠みの片眼鏡』が握られている。


 青いレンズを朝日にかざすと、その奥に小さな星空が一瞬だけ揺らめいた。


「やっぱり……普通の片眼鏡じゃない。」


 レオンの脳裏に、ある物が浮かぶ。


 昨日、『忘れられた洞窟』の最深部で手に入れた古代の石板。


「これなら、あの石板の秘密が分かるかもしれない。」


 期待に胸を膨らませながら、レオンは机の引き出しへ手を伸ばした。


(第11話へ続く)


⸻


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


無料十連のルールが判明し、新たなSRアイテム『星詠みの片眼鏡』を手に入れました。


次回は、この片眼鏡が古代の石板に隠された秘密を映し出すのか――。新たな謎と発見を、ぜひお楽しみに!

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