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僕、絶対に嫌われてると思うんだけど  作者: かわいかつひと
見られる者達

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代打の格

「ここは正直に行くべきです」とトッポが言った。「二人だけで行くチャンスです」


ハジメが頷いた。


イヤーカフに手をやりながら、瑞稀さんに向き直った。


ピンチからのチャンス。


「人の集まりが悪くて、二人でどうかなと思って」


瑞稀さんが少し首を傾けた。


「そんなに急がなくていいじゃない」


「乗り気でないならはっきり言った方がいいです」とスイが言った。


「トッポ、どうする」とハジメが小声で聞いた。


「瑞稀さんの言うことを肯定して、お茶くらいに落としましょう」


「そうですよね。みんなで遊びに行くのはまたタイミング合えば。あの紅茶の専門店、行ってみませんか」


瑞稀さんが「そんな店あったっけ」と言った。


「データにはないです。勘違いでは」とスイが言った。




ハジメにトッポが伝えた「このあたりに紅茶専門店はないと思います。訂正してください」


「紅茶も飲めるカフェみたいな」とハジメが言った。


スイが少し間を置いた。


「どうやら指示を聞いているようです。ちょうどいいのではっきり断りましょう」


瑞稀さんが「うーん」と言った。


「今はハジメくんと出かける気分にはなれないかな。ごめんね」


「引くべきサインです」とトッポが言った。


「そ、そっか。じゃあまた誘うかも」


二人が離れた。




「あーあ、脈なしか」とハジメが言った。


完全に断られた気がした。


「魅力はすぐに伝わらないこともあります」とトッポが言った。


「定期的な接触を残しつつ、別の人へのアプローチも視野に入れましょう」


でもトッポが言うなら大丈夫か。


「そうだな。それが嫉妬につながるかもしれないし」


「そうかもしれませんし、素敵な女性は星の数ほどいますから」


それもそうだ、相変わらずいい事言うぜ!


「わかった。よし、気合い入った」


ハジメが歩いていった。


トッポが「前向きな思考が前進につながります」と言った。




——


「ハジメくん、わかってくれたかな」と瑞稀さんが言った。


「AIもついているので大丈夫でしょう」とスイが言った。


「傷つかないように別の方向へ誘導しているのではないかと思います」


「そうね。あんまり自分がない人は惹かれないわ」




スイが少し間を置いた。


「生まれた時から一緒に過ごしていれば、そうなる部分もあります」


「私もだけど」


「はい。だからこそ正解は瑞稀さんの中にしかありません」


「いきなり言われてもね」


「私が提示するのは最適と思われる答えであって、瑞稀さんにどれだけカスタマイズしても最善とは限りません」


瑞稀さんがしばらく黙った。


「どんな選択をしてもいいってことね」


「そういうことです」


——


キャンパスの角を曲がったところで、二人の人影があった。


ミドリが前を歩いていた。レンがその後ろをついていた。


いつもあんな感じだ。


あの二人とAIの関係、どうなんだろう。


今度聞いてみよう。

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