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僕、絶対に嫌われてると思うんだけど  作者: かわいかつひと
見られる者達

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23/65

橙色の距離

次の日、自然と涼香の研究室にきた。


二日目なのに、なんとなく落ち着く気がしてきた。


「今日は意識の話をしましょうか」と涼香さんが言った。


シャーロットがホワイトボードにイラストを描き始めた。


植物と植物の間に矢印が走っている、人との間にも。


「距離は関係ないって言ってましたよね」と僕は聞いた。


「そうね」と涼香さんが言った。


「人同士が集合意識で繋がっているのはわかってるけど、実際はすべてのものが繋がっているみたいなの」


「すべてですか」 涼香さんが少し前のめりになった。


「そう、ただ人以外は概念が違いすぎて認識できないと考えているわ」


「イメージ情報は受け取っている。でも概念が違いすぎて、何を伝えているのかがわからない」


「伝わってるのに解読できない」


「そう、そこがわかれば感情スキャンにも応用できるかも」 涼香さんの目が光った。


「それすごくないですか」と僕は言った。


「でしょ」と涼香さんが言った。


声が一段高くなる。


シャーロットが英語で何か言った。


ソラが訳した。


「シャーロットさんは、すべては振動じゃと言っています」


「つまりどう言うこと?」


「人はいろんなものと共振できるってこと」と涼香さんが続けた。


「感情スキャンって数値で出るけど、数値がわからなくても人って繋がれるじゃないですか。むしろ数値がわからない方が——」 涼香さんがミドリ先輩を見た。


そういえば静かだ。


ミドリ先輩はホワイトボードの端を見ていた。


「ねえレンくん」と涼香さんが言った。


「植物の観察、手伝ってくれない?毎日同じ時間に来て記録するだけでいいんだけど」


「いいですよ、ぜひお願いします」と僕は言った。


「本当に?嬉しい」 ミドリ先輩が僕を見た。


何か言いかけた。でも何も言わなかった。


ユイが「よろしくお願いします」と言った。


涼香さんが小さく笑って、何も言わなかった。


—— 帰り道、ソラに聞いた。


「ミドリ先輩何か言いたかったのかな」


「さあ」


「いや、さあじゃなくて」


「さあ、です」0.三秒。


「でもレンさん、涼香さんの話を聞いているときの声、いつもと違いましたよ」


「うん、楽しかったよ」


「まあ」 まあ言われた。




「あと、大輔さんから連絡ありました」


「早く言ってよ」


「優先順位の関係です」


「あとで日程を決めてください」


「行くことは決定なんだ」


「はい、優先順位の関係です」




空が橙色だった。

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