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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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性格があまり良くない婚約者がいたのですが、ある日突然婚約破棄を告げられました。しかも既にお気に入りの女がいるみたいです。

 私の婚約者アデームは性格があまり良くない。

 会うたび「お前なんかと婚約するんじゃなかった」とか「もっと良い女と婚約すりゃ良かったわ、ホントに」とか言ってくるし。知人に私を馬鹿にするようなネタを言いふらしているようだし。酷い時には私の悪口を大声で言って一人大笑いしているといった時もあるようで。

 もう、とにかく、性格が汚れきっている。

 怒る気にもなれないくらい、呆れてしまうくらい――彼は汚い心を持った人物だった。


 そんなある日。

 夕暮れ時に急に呼び出されて、彼のもとへ向かうと。


「俺、この人と結婚するから」


 隣に私の知らない女性を置いている彼がそんなことを言ってきた。


「あのぅ……こんな、ことにぃ……なっちゃって……ごめんなさぁい」

「えっと、すみません貴女は一体」

「わたしぃ……アデームさんの職場の後輩でぇ……いつの間にか好き同士になってて……っていうかぁ、アデームさんがわたしのこと好きになっちゃったみたいでぇ……もぅ離せない、って」


 女性も乗り気なようで、心なしか勝ち誇ったような面持ちでそんな言葉を吐いてくる。


「申し訳ないとは思うんですけどぉ……わたしにぃ、アデームさんを……譲ってくれないですかぁ……? そもそも貴女愛されてないですよねぇ、だからぁ……いいでしょぅ?」


 女性が甘ったるい声で言いきった次の瞬間。


「そういうことだから、ハッキリ言わせてもらう。……お前との婚約は今この時をもって破棄とする」


 アデームはそう宣言した。


「急な連絡となったことは悪かったけどさ、ま、お前に魅力がなかったのがすべての原因だから。諦めてくれよな。じゃな」


 こうして、私の婚約期間は、若干笑えてしまうくらいあっさりと終わりを迎えたのだった。



 ◆



 あの後、間もなく、アデームとその浮気相手の女性はこの世を去ることとなった。


 その日二人はおしゃれをして馬車に乗り王都へ出掛けていたそうなのだが、夕方に酒場でいちゃつきながら酒を飲んでいたところアデームが怖い男の人と喧嘩を起こし、大騒ぎになってしまったそう。で、その流れで、二人まとめて怖い人たちに捕らえられてしまったらしくて。山奥へ連れて行かれ、二人揃って痛い目に遭わされ、その後命を奪われたそうだ。


 ちなみに私はというと、近頃は、良き結婚相手を求めて色々な人と会ってみる活動を続けている。


 なんだかんだで私との結婚を希望してくれる人はいるのだ。

 だから婚約破棄されてもそこまで大きな問題はない。


 また、これまで顔を合わせた中にも、良さげな人は一人いた。なので、出来れば彼と、と、個人的にはそう考えてもいる。その人とはお互い自然な感じで話せている印象があった。なので、何度も会ってみれば良い関係を築いてゆけるような気がする。


 婚約破棄されたとしても、人生に希望がなくなったわけではない。


 だから前向きに生きていこうと思う。



◆終わり◆

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