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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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叶うはずもない夢をみる。〜あなたとのこと〜

 風が吹き抜けるように、あなたは去っていった――。


 親が知り合い同士だったから生まれた時から関わりのあった私たち。思えばずっと一緒だったわね。気づけば仲良くなっていて、当たり前のように毎日遊んでいて、恋愛感情はなかったけれど特別な存在ではあった。敢えて振り返ることなんて、これまでしたことがなかったけれど。でも私たち二人は確かに特別な関係だったわ。振り返ってみれば当然のこと。


 だからあなたがいなくなるなんて思っても見なかったの。


 わたしたちはずっと一緒。婚約したから、ではないけれど。ただ、婚約した以上はより一層強固な関係を築いて共に歩いていくものと、そう思っていたのよ。


 でもあなたは違ったわね。


 特別な存在が現れて。

 共に生きていきたいと強く願う人が出来て。


 まぁ……そうよね、それはとても健全なこと、悪いことではないと思うわ。


 でもね、悲しいのよ。


 関係を終わらせると言われて。

 当たり前が当たり前じゃなくなって。


 それでようやく気づいたの――あなたの存在がどれほど大切だったか、ってことに。


 これまでも、これからも、一緒に歩んでゆけると思っていたから……今はただ、心が痛いわ。こんなことになってしまって……もう会えない、だなんて。


 風が吹き抜けるように去っていたあなたに贈れる言葉はないけれど――でも、もし奇跡が起こるなら、これまでの感謝を伝えたいの。今さら言われても迷惑かもしれないけれど、ありがとう、って、そう告げさせてほしい。


 ……なんてね。


 夢は夢でしかないわ、叶うはずもない。



◆終わり◆

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