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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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ありがとう。そして、さようなら。(1)

『あ~そ』


 明日また晴れたらいいね。そんな風に話したのはいつだったか。もう思い出せないね。悲しいことだけれど。


 いつの日か交わした言葉。前向きなものも多くあったよね。でも全部過去に流れていってしまって、今はもうここにはないんだ。


 嘘だったんだね、なんて、言いたくはないけれど……。


 縁切りすることになるなんて思わなかったよ、さすがに。こんな形であなたとの関係が終わりを迎えてしまうなんてね。


 終わりゆくものは待ってくれないんだ、って、こんな風になってから気づいたよ。どんな手を打とうとも終わるものは終わる。終わりへと転がり落ちるものを止めようとしても止められはしないんだね。


ーー


 片想いだった方が幸せだったのかな。


 厳しい状況で、見つめてもらえることもなく、他人のまま時だけが流れていっても。それでも、関わりがない方が、まだ良かったのかもしれない……なんて、そんなはずもないのに、つい考えてしまうの。


 苦しみから逃れられたかもしれない可能性ばかり考えて、そのせいでさらに苦しくなってしまうのだから愚かよね。


 けれども人とはそういうものだから、苦しむことになっても仕方ないの。


 幸福の中に在った頃はこんな風に苦痛に心揺らすことになるなんて夢にも思わなかったけれど。でもこれが現実、つまり、これが答え。わたしが選んできた道の先に存在している答えだったんだね。


ーー


 先のことなんて今はまだ何も分からなくて。けれど過去へ引き返すことはでいないのだから、どんな思いでいても前へ進むしかないんだね。分かっているんだ、本当は。


 幸せをすべて失ってしまったみたいな気持ちになってしまっているとしても……それでも、未来にある幸せを信じるしか道はないんだ。


 好き、とか、愛してる、とか、そういうことはもう何も言えないけれど。


 せめてこれ以上傷つかなくていいように。今はただ未来だけを見つめていたいんだ。目にするだけで傷の痛みを強めてくるようなものへは目を向けずに。


 それでいいよ、って、今だけは自分に自分へ声をかけてみようかな。

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