わたしたち、ずっと一緒だったのに。こんなことになるなんて、ね……。
『君とはここまでだよ、さよなら』
最後にあなたが放った言葉。
その時の冷たい瞳。
わたしはきっと、いつまでも、それを忘れることはない……。
思えば、ずっと一緒だったわね。
幼い頃に出会い、婚約することになって、それが当たり前だと思って育ってきたわたしたち。隣り合っていることが日常だった。
特別なことなんて何もなくて、刺激的な恋なんて燃え上がらなかったけれど、それでも確かに唯一無二な二人だったから。この先も変わらずそんな二人でいられると思っていたわ。何があっても、なんだかんだで共にある。そういうものだと、それが当たり前だと、迷うことなく信じていたの。
でもあなたは違った。
あなたはわたしと生きる道を選ばなかった。
いつからそうなったのかは分からないけれど、気づけば二人の見つめる未来は異なるものとなっていて、どう足掻いてもそれらが交わることはなくて……。
何を間違えたの?
どこからすれ違ってしまっていたの?
あなたに婚約破棄を告げられてから、何度も何度も、繰り返し考えたわ。
けれど答えは出なかった。
でも当然よね。
そんな簡単に答えが出るのなら、きっと、こうなる前にあなたの思いに気づけたことでしょう。
答えを出せないから、こうなった。
分からない領域があるから、こうなった。
それがすべてなのだから。
どんなに悔いても、もう遅い。
ならばわたしは振り払う。
苦しみも、悲しみも、何もかもすべてを。
振り払って進むわ。
そうして、いつの日か、幸せになってみせる。
あの時婚約破棄してくれてありがとう。
笑顔でそう言える日を夢みて。
わたしはただ、進んでゆくわ。
◆終わり◆




