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分かっていたの、わたし、はじめから……。~愛されなくても隣にいられればそれで良かったのに~
分かっていたの、わたし、はじめから……あなたはわたしではない人を愛しているのだ、って。
それでも夢をみたわ。
そして未来を信じた。
形だけであっても婚約者だもの。もしかしたら、上手くいけば、夫婦になって永く関わってゆけるかもしれない。そんな風に思って、小さな希望の欠片にすべてを託して、歩んできたの。
高望みなんてしなかった。
本当の意味で愛されなくてもいい、隣にいられるならそれだけで十分、そう思っていた……けれども現実はそんなに甘くなくて。結局、わたしは、あっさりと切り捨てられてしまったわ。
「やはり君のことは愛せない。だから、さよなら」
最後にあなたが放った言葉を、わたしは生涯忘れないでしょう。
この先何があるかなんて分からない。もしかしたらあなたと生きるよりずっと良い未来が待っているかもしれないし、逆に、静かで悲しげな未来に沈むかもしれない。
でも、どんな形になったとしても、この頭からあなたに関する記憶が消えてしまうことはないから。
泣いていても、笑っていても、あなたが最後にわたしにくれた冷たい言葉は……それだけは……忘れないでしょうし、忘れられないのでしょうね。
◆終わり◆




