ある日の夕暮れ時、家でくつろいでいたら突然婚約者がやって来まして……? ~その理由で婚約破棄、は、かなり雑ですね~
ある日の夕暮れ時、家でくつろいでいたら突然婚約者である彼セインヴォがやって来て、婚約破棄を宣言してきた。
「婚約破棄……またどうして、急に」
「今もそうしているように、お前って怠惰だろ? 俺の婚約者なら四六時中俺を喜ばせる方法を考えているべきだというのに、こんな風にだらだらしている。そういうところが駄目なんだよ、お前は」
「ただ、今、くつろいでいただけなのですが……」
「黙れ! そういうところも駄目なんだ! 婚約者である俺に逆らうような物言い! 最低だぞ、そういうのは!」
セインヴォは分かりやすく怒り。
「なんにせよ、婚約は破棄! これは決定事項だ!」
そんな風に言って、数回強く足踏みした後に、去っていった。
――その日の晩、彼はこの世を去った。
私に対してイライラしていた彼は、珍しく街の飲み屋へ行っていたそうなのだが、店内で数名の男と喧嘩になってしまったそうで。殴り合いにまで発展した結果、彼は何もできないままボコボコにされ、病院に搬送されるも死亡が確認されたそうだ。
一体何をしているのか……、という気はしたけれど。
でも、彼はもう婚約者ではないから、気にしないでおくことにした。
彼が私を切り捨てたのだ。
別の道を行くことを選んだのは彼自身。
ならばこちらが気にかけてあげる必要なんてない。
どんな目に遭おうが自業自得でしかないのだ。
◆
あの突然の婚約破棄から二年半ほどが経ち、私は、先日、無事良き人と結ばれることができた。
爽やかな風が吹き抜ける初夏に結婚式を挙げ。
新たなる道へと歩み出す。
その道は私一人のものではない。
大切な人。
隣にいてくれる人。
そんな特別な存在である彼と一緒に歩む道だからこそ、とても愛おしい。
◆終わり◆




