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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 6 (2026.1~)   作者: 四季


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311/350

突然婚約破棄してきた彼はあっさりこの世を去ったようです。〜穏やかに暮らしています〜

「貴様との婚約は破棄とする!」


 婚約者ディーボンは突然そんな風に宣言してきた。


「え……」

「愚かな女と共に生きていく気はない!」

「どういう状況ですか?」

「どういう状況も何も、貴様と生きる気はなくなったんだ! ただそれだけのことだ!」


 私たちの関係は突如終わりを迎える。

 あまりにも呆気なく。

 二人を繋いでいたものは崩れ去った。


「二度と俺の前に現れるな」



 ◆



 婚約破棄された数日後、私は、心から良い印象を抱ける人に巡り会った。

 その縁はやがて大きく花開き。

 互いに思い合える良い関係を築いた私たちは婚約者同士となり、仲良しのまま、あっという間に正式に夫婦となった。


「水かけ、しておいたわよ」

「わ! ありがとう!」


 私たち二人は今、花を育てることに熱を注いでいる。

 花壇が徐々に綺麗になるのが楽しくて。

 頑張れば頑張るほど花は華やかに咲いてくれるから、常に前向きで、毎日花たちに向き合うことができている。


「明日は僕の番だね」

「そうね」

「いつも本当にありがとう、丁寧なお世話をしてくれて」

「当たり前のことをしているだけよ」


 これからも、夫である彼と共に、こうして穏やかに生きていきたいと思っている。


 ……ちなみにディーボンはというと。


 あの婚約破棄の後、少しして、酷い頭痛に悩まされるようになってしまったそうだ。で、やがて幻覚が見えるようにもなってしまったらしく。その影響もあり心を病み、ある日の晩、自ら命を絶ってしまったそうだ。


 あの時婚約者だった私に対して心ないことをした彼には明るい未来はなかった。



◆終わり◆

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